初入院、で俺の病名は一体何?!
******
夢の中へ来たらしく、ミーシェちゃんのファンシーで可愛らしい風景のある夢では無く俺が見る夢で見るようなモノトーンの質素な部屋だった
本棚とか俺の好きな本(漫画から小説、らのべ、一寸したゲームと小物)にこの世界に来たときにルールウドくんに教えて貰っているときに使っている本の数数、ガラスのテーブルに、コーヒーポットとカップ、俺のよく知っている地球用の茶菓子がおいてある
ソファーに座って新聞を読みたいと思って見ると新聞が出てきた
しかも、異世界の新聞と、俺の生前の世界の新聞で俺の地元の新聞だった
・・・・・・・・・新聞を見たいとは、確かに思ったけれどまさか地球の、しかもピンポイントで俺の住んでいた県の新聞が出るとは思わなかったよ
思わずドキドキしながらも新聞を手に取り開いてみる
真っ先に開くのは、お悔やみの覧だ
お悔やみの覧には、やはりというか半分分かっていたことだが俺の暮らしていた市、街の名称があり、その場所で死んだ者の覧に【朝間雫 昇次(享年21)】と俺の名前が記載されていた
こう見ると、やはり俺はあの時電車に轢かれて死んだんだと自覚してしまう
ってかまて、俺は22を迎える前に死んだことになってるけど22だぞ、そこ!
お袋、間違ってるって!親父も何も言わなかったのか?!マジかよ・・・俺一歳もさば読んでるよ・・・どうしようかといってもどうしようもないんだけれどさ!
死んでるんだから文句も言えないし、同行できなくなるのは仕方ないけれどね!?
・・・はぁ・・・でも、改めて一寸だけ、ショックだな・・・
もう分かってることだし、あの状態で生きててこっちに来てる、なんて言うことは無いだろうとは思うんだけど、死んでいるって言う実感がなかったからか・・・
こういう風に目に見えて死んでると分かる物を出されると・・・クルモノがあるな
スミレがニャーニャーと鳴きながら、俺の周りをうろちょろと動き回り励ましているのか時折俺の手を舐めて元気づける為かぐるぐると俺の周りを回った
『にゃー?ショージ、どうしたニャ?にゃんか嫌にゃ事みたにゃ?』
『・・・・・・・・・・うん、ちょっとね。大丈夫、大丈夫・・・』
『にゃー・・・にゃーを撫で撫でするにゃ!元気出るにゃ!』
『・・・そうだね。撫でて良いかな』
『みゃー!にゃでるがいいにゃ!』
すりすりと体を俺の腕にこすりつけるスミレに癒やされつつも撫でていると少し気が紛れる気がしたので、スミレに感謝しつつも暫く撫でていた
『にゃぁあショージ、元気でたにゃ?』
『・・・うん、ありがとうね。スミレのおかげで充分元気になったよ』
『にゃう、契約したんにゃ、だから当然にゃ!スミレはショージの精霊にゃもん!』
『よしよし』
スミレを撫でまくっているとその内にミーシェちゃんが眠ったのか光が人型に集まり、やがてミーシェちゃんの姿になっていった
目を開いたミーシェちゃんが周りを見て俺の夢だと分かったのか、俺の座っているソファーへ立ち上がって態々座った
『今日はショージお兄ちゃんの方が早かったね!』
『そうだね。グリーン茶でも飲む?』
『のむー!』
俺は液体エックス事グリーン茶を出してあげた
グリーン茶というとどうしてもグリーンティ、緑茶をイメージしがちなのだが俺はこっちの世界でのグリーン茶を内心液体エックス特別付けてあるので問題なく液体エックスがでてきた
ミーシェちゃんは喜んで口にしているが隣に座っている俺にも匂いが漂ってきた
それだけで少し味を思い出し憂鬱気味で嫌になるんだがグッと我慢した
スミレにはミルクを出してあげて、俺はコーヒーを飲んだ
スミレは周りを汚さないように気を遣いながら音を立てて舐めるようにしながらミルクをちびちびと飲んでいる
『・・・ミーシェちゃん、お菓子食べる?このテーブルにあるの俺が来た所のお菓子なんだ』
『本当?!ショージお兄ちゃんの世界のお菓子!食べてみたーい!』
『にゃー、みーしぇだけ狡いニャ!にゃーも食べるにゃ!』
『チョコチップクッキーは駄目だよ。猫はチョコ食べたら毒なんだよ』
『ええ?!』『にゃにゃ?!』
猫にとっては毒だけれどミーシェちゃんは大丈夫だし驚く必要はないんだけれど何故か二人(一人と一匹だけれど)して身長にクッキーとビスケット、ラスクの載ったお皿に視線を向けてどれが俺の言ったチョコチップなのかを疑いだした
一寸だけ、警戒している姿が二人して可愛いと思ったのは内緒だ
くりくりしている大きめな目がきょときょととクッキーとビスケットの間で動いていて戸惑っているのが凄く手に取るようにわかりやすく、可愛かったんだ
俺がチョコチップクッキーをお皿から弾いてあげると二人して首を傾げた
『それがチョコチップクッキー?』
『にゃにゃ・・・?何か黒いのあるにゃ』
『黒いのが、チョコね。美味しいんだよ?唯、猫には毒だし、これはミーシェちゃんの口に合うかは分からないんだけれどね』
『ふーん?食べてみて良い?』
『どうぞ、スミレは駄目だからね』
『にゃーい』
スミレはどこかションボリと落ち込みながらミルクをちびちび飲んで我慢したのでミーシェちゃんが俺を見てかりかりを出してあげて欲しいと言ってきた
もうすでにかりかりを起きているときに上げているからなぁ・・・どうしようか
そう思った俺は、少し考えて(猫は飼ったことないんだ、分からないんだ)PCをイメージした
これは出来るならネットで検索して猫のおやつを調べたかったからだ
夢の中ならワンチャン在るんじゃ無いかと思ってPCをイメージして出した
ネットの繋がっているかどうかは分からなかったが夢なのでそこは頼む!!!!!
暫くしてPCが立ち上がり俺はさっそくネットのアイコンを押し、検索で【ねこのおやつ】と打ち出して画像検索をしてみた
画像検索にした理由は一つ、夢の中だから俺が想像して出した方が良いだろうという思いからだが、ネットの買い物注文だと早くてもここにまで届く気がしなかったんだ
ここ、夢の中だしね
夢の中にまで配達が出来る気がしなかったからね
まぁとにかく画像検索は何とか出来たようでPCのウィンドウ上には様々な画像が映る
チャオチューリュもおやつだったみたいで、その他柔らかい物や、袋に入っているタイプ、それにかりかりに似たようなしっかりしたタイプのおやつなど色んなタイプのモノがあると初めて知った
中でもイメージしやすかったのが、煮干しなどの小魚だったので出してスミレに差し出してみた
しかし本人(本猫?)のスミレ自体は少し匂いをかいだ後は見向きもしない
どうやら気に入らなかったようだ
次に俺は固そうな固形のおやつを想像して出してみた
スミレは同じように匂いをかいで、かぷっと食べた
食べた、おやつはこれで良いのかと思いきや、そのまま吐き出して砂を掛けるかのようにくるりと背を折角出したおやつにむけてカーペットを後ろ足で掻いた
どうやらどうしても気にくわないようだ
『駄目?』
『味ないのニャ!まずまずにゃの!美味しくないニャ!もっと美味しいのがいいのにゃ』
『・・・あぁ、ごめんごめん多分俺が上手く味が想像出来なかったからかな・・・画像だけじゃ駄目だね・・・イメージできないと、味も曖昧だよね。そうだな・・・マグロや鰹をイメージしてもう一度出してみるから、一回食べて貰って良い?』
『にゃぁ、ショージがそこまで言うにゃら、いいにゃよ』
今度はキチンと魚をイメージしながらマグロの角煮状態の物をイメージして固そうな鰹のブロックのようなおやつを出した
スミレが匂いを嗅いでぱくっと食べて、驚いてから今度はちゃんと最後まで食べてくれた
どうやら今度こそ彼女のお眼鏡にかなったようだ
『ニャぅ、うまうまにゃのにゃ!』
『良かったね、スミレちゃん』
『にゃー』
ミーシェちゃんがスミレの頭を撫でてから自分もクッキーを口にして、驚いてぱくぱくと一気に食べ出した
気に入ってくれたようで、何よりだ
俺もクッキーをつまみながら新聞を改めて拡げてみる
今度はお悔やみ覧では無く表紙の一面から見ていくことにした
『その紙なぁに?』
『新聞だよ。』
『しんぶん?なにそれ?』
『新聞っていうものが、ないのか?』
『初めて見たよ?文字一杯だね・・・これショージお兄ちゃん読めるの?』
『読めるよ』
『すごーい!読んで読んで?』
ミーシェちゃんには難しくて分からないと思うけれど、と思いつつもミーシェちゃんにせがまれるまま新聞の一記事を読んだ
その記事の内容は何処にでもある一企業が他の企業と提携を組んで新事業を進めていくというような物で、やはりミーシェちゃんには難しかったらしく首を傾げていた
『んー・・・?全然わかんなーい!』
『そ、そうだろうね・・・この新聞は俺の居た世界の出来事を紙に写して国中の人達にお金と交換で配るんだ』
『ふーん?観覧板みたいなもの?』
『観覧板・・・?回覧板みたいなものかな?』
『『・・・?』』
二人して首を傾げる
お互いに例えた物が分からないんだね、仕方ないね
俺は試しにスミレに観覧板とやらについて聞いてみることにした
何となく知ってそうだった、と言うのもあるけれど夢の中だからスミレに出して貰えるだろうかと思ったのだ
事実、スミレは夢の中だからか、板を目の前に出した
『これが、観覧板にゃ。これは、街の一番偉い人が街の人達に知らせたいことがあったり出来事が合ったら魔法文字で書いて回し読みするにゃ。魔法文字にゃから、誰が書いた物かってわかりやすいニャ。にゃう、それで読み終わったらここに読みましたって言う判子を押すにゃ。サインでもいいにゃ』
『そっか。ありがとな』
『にゃにゃ!おやつお代わりにゃ!』
『それは駄目だ』
『・・・けちんぼにゃ』
またスミレにケチと言われてしまったがそんなことはどうでも良い
食べさせすぎて病気になったらいやだしな(そもそも精霊だから病気になるのか分かんないけれどな、一応ペット扱いだからな)、健康管理はしておいてやらないとな
スミレがニャーニャー不満そうに鳴いているが取り敢えずは無視して観覧板とやらに目を通してみた
やはり日本の回覧板のような物で、簡単にどこそこの道が工事して拡張される予定だから周辺の住民は迷惑にならないように気を付けはするが音は出るので注意するようにとか、害道付近に珍しい魔物が出るから注意しろとか書かれていた
あと、もうすぐ祭りがあるため商人達が集まるから犯罪などに気を付けるようにと注意を促す記事があった
『このお祭りって言うのは、最近のこと?』
『そうにゃよ?丁度、ショージがおうちに帰って二回寝たときにお祭りがあるにゃ。』
『うん!お祭りはルー兄様達の学校の人達もお休みだから子供も大人も沢山の魔族が集まるよ!ショージお兄ちゃんも一緒にミーシェ達と回れるね!』
『美味しいの食べたいにゃぁ・・・飴とか・・・うまうまにゃの食べたいにゃあ』
・・・スミレが食い意地はってきている気がするのは俺の躾け方が悪かったか
一年近く経っているというのにスミレはことあるごとにかりかりともんぽちを強請ってきているのでミーシェちゃんが甘やかしてあげて欲しいと言ってきて俺もついつい上げちゃうんだよなぁ・・・もう少し、厳しく躾けないといけないな
餌を少し控えよう、若しくはヘルシーな物を上げるように気を付けようか
密かに俺がそんなことを思っているとスミレが俺の思考を読み取ったかのように唐突に猫パンチを繰り出してきた
俺は唐突すぎて避けきれず、まともに猫パンチを食らってしまった
『シャー!』
『うわ!』
『す、スミレちゃん?!何でパンチしたの?』
『にゃんかショージが嫌にゃ事を考えてたにゃ!』
『何故バレた・・・餌を減らそうかと思ってただけだってのに・・・』
『嫌にゃ!かりかりを減らすニャんてありえにゃいにゃ!』
スミレは憤慨してぺちぺちと猫の肉球でふにふにしては居る物の、叩いてきた
上げるのを控えるだけで、全く上げないなんて言ってないんだがなぁ・・・
まぁスミレの好きなことである食事を減らすのは可哀想かな
こっそりとカロリー控えめの物にしておくだけにしてあげよう
『所でショージお兄ちゃん、お手紙届いたよ!ありがとう!』
『あ、ちゃんと届いてくれたんだね、良かったよ』
『うん、スミレちゃんが届けてくれたよ。ルー兄様も驚いていたよ』
手紙は何とか届いたようなので一安心したがその後急に一応読みやすいようにと気を使って絵も交えて描いたんだがどうだっただろうか不安になってきたのでミーシェちゃんに聞くことにした
『文字は、読めた?』
『メニーに読んで貰ったー!』
『メニーって、確かメイドさんだよね。読んで貰ったんなら大丈夫だね』
『うん!』
手紙の方は何とかなっていたみたいなので今度こそ本当にホッと一安心した
その後は俺とミーシェちゃんが二人して雑談しているとスミレがそろそろ起きる時間だと教えてくれたので二人して順番を決めてまた手紙を書くから返事はその時にするという約束をしてから水晶に触れて起きた
ちょっとだけ、文通をするのが楽しみになるな・・・入院している間だけだし、退院するまでだが、スミレの洗脳がその時までに溶けていると良いのだが・・・
********




