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相容れぬ能力

明けましておめでとうございます。

少し遅くなってしまいました(*´Д`*)

ううん……此処は何処でしょうか?

私の部屋ではないですね。

ベット横に置かれた時計を見ると深夜0時を過ぎてました。


部屋を見回して思った事が、やけに豪華な装飾品が置かれてる……ひょっとして此処は?


「目が覚めたみたいね!」


「お、王妃様?……では、此処の部屋は?」


「そ、私の部屋よ」


「ええ?すいません。直ぐに起きますので……ん?」


あれ?

身体に力が入らない?


「いいのよ!魔力が枯渇したのです。無理をしないで寝てなさい」


「でも……」


「いいのよ!義娘に何かあった方が問題でしょ?」


王妃はそう言うと、私の横に来て頭を撫でてくれた。


ああ……何か落ち着きます。

安らぐというのでしょうか?

とっても安心します。


王妃は和かに笑います。


「魔女といっても、まだまだ子供なんだから安静にしなさい」


「………はい」


私は少し頬を赤らめて頷き黙ってしまった。


コンコン


扉をノックする音がすると、先代の声がしました。


「入ってもいいかな?」


「どうぞ!」


王妃が返事をすると、王様と先代が部屋に入って来ました。


入って来るなり、先代は私の横まで来ると水筒とコップを私に渡します。


「飲め、魔草を煎じたお茶だ!魔力を回復させてくれる」


「あ、ありがとうございます!」


水筒を受け取り、コップにお茶を注いで飲みました。

あら不思議、枯渇してた魔力が半分ぐらい戻りましたよ。


そういえば、先代は薬草とかに詳しかった事を思い出しました。


「どうだ?これで身体が動かせるだろ?」


先代に言われ通り、身体を動かすと先程とは違い疲労を感じません。


「大丈夫みたいです!」


「なら良かったな。しかし無理は禁物だぞ!」


「はい」


「それにしても、何故あんな物を創生したのだ?」


「それは……」


「また、王子絡みか?」


「………はい」


「全く彼奴ときたら、うちの弟子を何だと思っているのだ!」


やばい!

先代が王子に対して怒り上昇中です。

クルマに関しては、私も同罪です。

少し嫌ですが、弁解しなくては王子の命に関わります。ああ見えても、私の婚約者なので死んでもらっては困ります。


「すいませんでした。私がうっかり王子に創生魔法の事を教えてしまったので……本当にすいませんでした」


私は先代に頭を下げ謝った。

その私の姿を見て、先代は溜息を吐き頭を横に振った。


「もうよい。創生魔法の事を知られたのは迂闊だったと思うが、まあダメ王子だからアリスに無茶な事は頼まんだろ。でも、王族以外に創生魔法の事は知られてはならぬぞ!創生魔法は、世界の理を歪める禁術だからの!」


「……はい」


「もし、創生魔法で理を歪めるしまうと、世界に修正力が発動し歪めた者を排除しようとする。そうなると最悪、使った者は存在を世界から消されてしまうかもしれない。だからの呉々も使わぬ事だ!」


「………マジですか?」


「本当だ!」


うわー!知らなかったよ。

創生魔法にそんなペナルティーが存在するとは………前々から結構使ってましたけど、今まで運が良かったのですね。


存在を消されるって、諸刃の剣じゃないですか!

怖いので、今度から使用回数を減らそっと。


そんなこと考えてたら、王様から話掛けてきました。


「そろそろ本題に入っても良いかの?」


「あっ!はい、どうぞ!」


私が返事をするとは先代と王妃様が凄く真剣な表情するので、私はタジタジですよ。


「ではアリスよ!今、お主の状態を説明しよう」


「じょ、状態ですか?」


「そうじゃ!」


ん?

何のことでしょ?

状態って………嗚呼、光と闇の事ですね!

では先代が王様と王妃様には説明してるのですね。

納得しましたが、今私の身体どうなってるのですかね?……王様はそれを今から話すのかな?

黙って聞きますかね。


「それで、私の身体はどうなっているのでしょうか?」


「うむ、先代がお主の寝てる間に調べたのじゃが……」


「…………凄く危険なのですか?」


「……………」


「王様!はっきり申して下さい!覚悟は出来ております!」


「それが………」


王様は口を閉ざしてしまった。


何です?

そんなにヤバイ状態なんですか?

無駄に溜めないで欲しいです!不安が膨らみすぎて押し潰されそうですよ!


「王様!」


私は感情が高まり思わず叫んでしまった。

するとは先代が王様な代わりに口を開いた。


「やはり人任せはいかん。悪かった王よ!これから先は儂が話そう……アリスよ」


「はい!」


「既に王と王妃と王子には、お前の今の状態と光と闇の事を説明してある。お前も光と闇が共存する事が出来ないのは知っておるな?」


「分かってます。光属性は闇属性を消し去る能力であり、その逆もあると。」


「その通り、光属性は神が与えた希望の力だと遥か昔からいい伝えられとる。だから、昔から光属性を持つ者を【勇者】や【聖女】などといわれ、対する闇属性を持つ者が【魔族】だ。まあ、特に魔族の中でも巨大な力を持つ者が【魔王】といわれとる。分かるな?」


「はい!先代から教えて貰ったので大丈夫です」


「その辺はちゃんと覚えておったか……此処からが本題だ。我々、魔女の歴史が始まってから光と闇の能力を持つ者は誰一人として居なかった。もし二つの能力を持つ者がおったら、直ぐに反する力が暴走して消滅してしまうからな!だが………」


先代はそこまで言うと口を閉ざしてしまった。


私は先代の言いたい事が分かりました。

なってしまった事を、今悔やんでも仕方がありません。

だから、これから先は私が言うべき事なのでしょう。


「唯一例外が生まれてしまった………それが私なのですね!」


「………その通りだ。儂が軽率な行動をとった事で、まかさ弟子の命を脅かす結果になるとは………」


「もういいですよ先代!」


「だが……」


「いいんです!現に私は生きています。それに先代が私を拾ってくれなかったら、既に死んでいたと思います。だから、先代には感謝の気待ちで一杯です!」


「アリスよ………ありがとう」


先代は複雑な表情で私に頭を下げた。


やっぱり先代は自分が起こした事だから、私が「許します!」って言っても素直に喜べませんよね。


確かに今回の件はかなりショックで先代を恨みましたけど、落ち着いて考えると先代には沢山の恩もあるし、何より私の母親なのだから憎む事なんて出来ません。


それに解決策は既に考えていますからね。


私は再び先代に話し掛けました。


「大丈夫ですよ先代!解決策は既に考えてますから!」


「解決策?」


「はい!」


「それは、どの様な策だ?」


「ふふふ、驚かないで下さいよ。かなり早いと思いますが、私の闇属性を次の魔女に継承してしまえば良いのですよ!そうすれば、私は助かり先代は私に対しての罪滅ぼしで若い魔女を育成する。まさに一石二鳥!素晴らしい対策でしょ?」


「……………」


先代は私の対策を聞くと目を大きく開き驚いた。


まあ、話の後半はボソッと言ったので聞こえてないでしょう?


それにしてもどうです!

我ながら惚れ惚れする程の見事な対策ですね!

先代も完璧な対策で驚くばかりで言葉が出ないのでしょう?

やっぱり私は天才なのですね!

エッヘン!!


「どうですか?完璧な対策でしょ!」


私の言葉に驚いていた先代が首を振って話しだした。


「お前の気持ちは、よ〜く分かった。少なからず儂に罪滅ぼしをさせるつもりだったのだな?」


「えっ?な、何のことでしょう?」


「誤魔化すな!引退した儂に、次の魔女を育成しろといっておったろ!」


「てへへ……ちゃんと聞こえていたんですね!」


恐るべき地獄耳ですね。


「で、どうでしょうか?」


私は自信満々に先代に訪ねると予想しなかった返事が返ってきた。


「言い難いのだが………それは無理な事だよ!」


「…………えっ?」


先代の返事に固まりました。


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