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イマゴロセツナ 詩集

遊郭モノローグ

作者: keisei1

 近代社会 性の巣窟

 

 そっちのビジネス真っ盛りさ

 

 

 諭吉を握り 諭吉を渡し


 流浪する想いを君にも注ぐ



 枯れかけた花 潤すために


 買ってはみるが 君を安いとは思いはしない


 

 本当のところ 一人の女性だけを愛するために生まれてきたのだけど


 彷徨う男のさがは不自由さを自ら望むように


 悪徳の世に墜ちていくのであります



 これはこれで本当の愛


 君を抱きしめたのは嘘じゃないのさ


 涙零れて肌が濡れる

 

 君を見つめて立ち尽くすだけ



 決めた時間の間だけででも 幻の恋を与えておくれ


 身勝手 我が儘 エゴイストの僕は無情



 現代社会 街へと出れば


 それなりの女が溢れている


 自由な鳥は 手にも余るが


 なぜか翼へし折り 諭吉握る



 本当のところ 一途な真実の愛に生きてみたいのだけれど


 駆け抜ける男のさがは悪さするのに辟易することもなく


 惰性の世に墜ちていくのであります



 やはり言っても愛は愛


 握り締めた諭吉が涙を流す


 赤く染まった君の肌


 見つめるだけの僕を許しておくれ



 狭い部屋の中だけででも 僕に愛情注いでおくれよと


 叫び 喚く 罪深い僕は無情



 時に俯くだけの働く男の僕 尽き果てるまで 君のもとへ行きます



 罪は深けれど愛は愛


 君を抱きしめたのは嘘じゃないのさ


 震える肩で泣いている


 君にかける言葉さえ見つからない


 

 欲望満たせばそれでよし


 そこまで酷い男にはなれなくて


 半端な同情心が 行き場もなく 空へと消える



 孤独な 遊郭モノローグ 口にする僕は あぁ 無情






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