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1と2

投稿遅れた…。

やっぱり私は文を書くのが苦手です。

 「...へ?」

 こんなことは初めてだった。

 僕と彼女の距離は二メートルあるかないか。

 この距離で生き物と接するのは久しぶりだ。

 でも、帽子とマフラーで隠れた彼女の顔にもなぜだか驚きの表情のようなものがあった。

 しばらくして落ち着くと、僕は彼女にいくつか質問をしてみることにした。

「えっと…、僕の名前はカルヤ・ソール - セカンド。君の名前は?」




_________________________________________




 「君の名前は?」

 突然現れたその人は、そんなことをきいてきた。

 

純粋に、ただ純粋に嬉しかった。


 生き物と接するのはいつぶりだろう。私は普通に暮らしてたはずだった。いつの間にか、避けられ、忌み嫌われるようになって。

みんなみたいに友だちをつくって、一緒に遊んで、一緒に笑いあいたかった。

けど、このちからのせいでいつも一人でいることしかできなくて、いつもずっと独りだった。棄てられたときも、もうこのまま死んじゃうな。なんて、思った。

もう、それでいい、死んでもいいかな。

そう、思った。


 生きることを諦めていた。


死にたかった。

 

 だから、嬉しかった。


このちからの影響を受けていないこの人に、


名前の最後に『セカンド』とついているこの人に、


普通に、ただただ普通に声をかけてくれた、この人に、



カルヤさんに会えて、本当に。



だから私も、普通でいよう。


私の名前は...



「……ぃう…あ…」



....あれ?



_________________________________________



名前をきいてみると、しばらくの間があった後に、口を隠しているマフラーがモゴモゴと動いた。

 僕はそれを、“答えたくない”と思ってるのかな、と思い、

 「あぁ、ごめんね。無理して答えなくていいよ」

 と声をかけてみた。

 するとマフラーの動きが止まり、彼女はうつむいて動かなくなってしまった。

「・・・えっと…?」

 気まずい雰囲気になってしまった。

「あぁ、えと…き、急に入ってきてごめんね!」 

 この空気に耐えきれず、僕は逃げるようにしてこの場所をはなれた。


 彼女は最後まで、うつむいたままだった。











「何だったんだろ…」

 これはあの子のセリフだとは思うけど、それにしても不思議なことが多かった。

 だいぶもう春も暖かくなってきた頃だというのに、歩くのも大変そうなくらいブカブカなコートに、目まで隠れるくらい大きな帽子と、マフラーという格好。まるで『自分』という存在を世界から隠したいかのような、そんな格好をしていた。

 そして一番不思議だったのが。


「なんで何もおこんかったのかな…」


______________________________________________________________________


僕には不思議な『ちから』がある。ちからというよりは、呪いのようなもの。

それは、『全ての生き物を引きつけてしまう』というもの。視線を惹きつけるとかではなく、本当に文字通りのちからだ。

だいたい自分を中心に、半径2mくらいにそのちからは常にはたらいていて、自分で制御することは出来ない。

そして、引きつけられた生き物は、抵抗することができず、他の誰かに引き離してもらわないと離れることが出来ない。


僕は、このちからのせいでさんざんな目にあった。

だから旅に出た。このちからを必要としている人を探すため。このちからを消すために。


___________________________________________________________________________


次の日。

僕は、もう一度あの子に会いに行ってみることにした。昨日は気まずい感じで終わったし、なんで何もおきなかったのかを知りたいというのもあったからね。


あの子のテントの前まで行き、

「昨日来たカルヤだけど、入っていいかな?」

一声かけてみる。すると、

ペチ、ペチ、ペチと、地面を叩くような、弱々しい音が聞こえた。

「どうしたの?」

もう一声かけてみた。すると、

「ぁあ…う…えぅ…」

声が聞こえた。喉から絞り出したような、とても弱々しい声。その声は、とても苦しそうだった。

「大丈夫?」


返事はこない。

「…開けるよー」

テントのチャックを開けて、中を見た。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

彼女は、苦しんでいた。

「だ、大丈夫!?」

急いで中に入り、手を握る。

「熱っ!」

彼女は、熱を出していた。

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