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彼女のむかしばなし
一話と内容はほとんど一緒です。
とある時代の、とある場所。
彼女はそこに住んでいた。
彼女はどこかで生まれて、
彼女はどこかに棄てられて、
彼女は独りになった。
彼女は誰かに拾われて、
彼女はそこで育っていった。
なぜあるのかは誰も知らないが、
彼女には不思議な能力があった。
彼女はちからを持っているだけで、
彼女は気味が悪いといわれ、
彼女は化け物扱いされた。
初めは些細なものだった。
少し違和感を感じるくらいで、
みんなは気にも留めなかった。
身体が大きくなるにつれ、
ちからも大きくなっていき、
十二年ほど経つ頃には、
ちからは災厄になっていた。
彼女のちからは大きくなって、
彼女のちからは手に負えなくなって、
彼女はどこかに連れてかれ、
彼女はそこに置いてかれ、
彼女は独りへ逆戻り。
そして、
そして彼女は閉じこもった。
誰にも会わないようにするため。