37話
彼女の手によってオレは完全に裸にされ、ベッドの上に座らされた。
今度は彼女がオレを観察する番だ。
彼女の黒い瞳がオレを嘗め回すように見つめるのに、オレはヘンな興奮を覚えた。
少し前、風呂場で玲を吊し上げて見た事があったっけ。
玲もオレにされる時ってこんな気持ちだったのかな。
兄にこんなことされるのってホントに嫌じゃなかったんだろうか。
そんなことをふと考えた時、ベッドの上に座っていたオレの足に彼女の長い髪がかかった。
下半身に生暖かい感触を感じ、オレは思わず仰け反る。
彼女の舌が動く度、オレは呻いて手で口を押さえた。
ほっといたら大声で喚いてしまいそうな、すごい快感。
「あ、あ、ちょ、ちょっと、奈津美さん・・・!」
思わず後ずさるオレの腰を逃がさないように抱きしめ、彼女は舌による運動を繰り返す。
逃げ場を失ったオレは、せめて彼女の中で果てないように快感に耐えるしかなかった。
「あ、あ、あの・・・奈津美さん!もうヤバイかも・・・」
オレは女の子みたいに手で口を押さえて、泣きそうな声を出した。
やっと彼女はオレの腰を解放し、手の甲で口の周りを拭うとニヤリと笑った。
-妖艶。
そんな言葉がよく似合う。
さっきまでのゾウみたいな穏やかな奈津美さんではなく、男を餌食にする肉食動物みたいだ。
オレを仰向けに押し倒すと、彼女はゆっくりとオレの上に乗った。
腰を深く沈めて、痛みに耐えるかのように肩で大きな息をする。
オレは彼女の尻の肉を掴むと本能に従ってゆっくり前後に動かした。
彼女はオレの上で仰け反り、快感に悲鳴を上げる。
オレ達はお互いの本能に突き動かされるまま、体を合わせた。
やがて二人の汗と体液でお互いの体が湿ってきた。
オレは喘ぎながら彼女に囁く。
「ね、奈津美さん。」
「・・・ん?」
「終わってもオレのこと食べないでよ。」
「あたし、虫じゃないわよ。」
激しい息の下でオレ達は小さく笑い合った。
オレは最後に彼女を背中から羽交い絞めにして後ろから攻めた。
首筋に歯を立ててキスし、大きな胸を鷲掴みにして爪を立てる。
痛みと快感で彼女は声を上げた。
オレはその声を聞きながら、彼女の中で果てた。
ベッドに手足を投げ出して、仰向けに倒れる。
まだ心臓がバクバク鳴って、心地よい脱力感。
陸上部だった時の短距離のレースを思い出した。
すごい充実感だ。
ただの雄になって本能のまま性欲を満たした気がする。
奈津美さんは優しく微笑みながら、まだ痙攣しているオレの体を抱きしめ、オレの髪をかきあげ、額にキスしてくれた。
「きれいよ、圭介君。すごくその気になっちゃった。」
艶かしく彼女は笑うと、ペロっと舌を出した。
オレは思わず苦笑して、彼女の胸に顔を埋める。
「敵わないな、奈津美さんには。」
「眠ってもいいよ。見ててあげるから。」
彼女は母親のようにオレを抱くと、柔らかい羽布団をかけた。
「・・・ありがとう。じゃ、少しだけ・・・」
温かい胸の鼓動を聞きながら、オレは意識がなくなっていくのを感じた。