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ラビリンスで待ってて  作者: 南 晶
第5章 -玲-
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35話

 彼のシャツの下からあたしは手を差し入れ、体の線をなぞる。

 見かけよりガッシリした締まった体。

 意外に厚みのある胸。

 細い指に似合わない、筋肉質な肩と腕。

 邪魔になってきた彼のシャツをあたしは頭から引っ張って脱がせた。

 白い彼の裸体が、昼下がりの日差しに照らされて顕わになった。

 きれいな体。

 男の人ってこうなんだ。

 圭介しか見たことのないあたしには、彼の何もかもが新鮮だった。

 横たわっている彼の首筋に下を這わせて、耳たぶをそっとかじる。

 いつも圭介がしている仕草を、あたしは無意識に繰り返していた。

 あたしの息が彼の首筋にかかると、彼は声にならない声で呻いた。

 あたしを抱く腕に力が入る。

 快楽から逃れようと抵抗している彼がかわいくて、あたしはもっと壊したくなる。

 圭介もあたしを抱く時こんな気持ちなんだろうか。


「声、出してよ。悠樹の声聞きたい・・・」


 圭介がするみたいに、耳元で囁く。

 彼は仰向けになったまま、目だけ動かしてあたしを見た。


「ねえ、玲さん。」

「なに?」

「あの、いつもこんな感じなんですか?」


 少し困惑したように、彼は言った。


「今、その話聞きたいの?」


 あたしはキスで彼の口を塞いだ。

 やがて彼の白い指があたしのデニムのワンピの前ボタンに触れた。

 一つづつゆっくりとボタンが外され、あたしの胸元がはだけられていく。

 少し冷たい部屋の空気が、ひんやりとあたしの素肌に当たって鳥肌が立った。


「寒い?」

「ん・・・。ちょっとだけ・・・」


 彼はあたしに口付けながら、尚もボタンを外していく。

 最後のボタンが外された時、あたしのブラをしただけの小さな胸が顕わになった。

 あ、ヤバイ。

 あたしの貧乳は他人に見せられるような状態じゃないのに。

 思い出してあたしは慌ててワンピで胸を隠した。


「ねえ、待って。やっぱり夜になるの待とうよ。」

「・・・なんでですか?」


 可哀相な彼は愕然とした。

 仕草が一々ドラマチックだ。


「だってやっぱり恥ずかしいんだもん。あたしもう若くないし、人に見せるようなものじゃないし。」


 ああ・・・という顔で彼は微笑んだ。


「大丈夫です。メガネ外してから細かいことは見えてないので。多少のコンプレックスは気にしないでいいですよ。」

「・・・どういう意味?」


 あたしは彼を睨みつける。

 貧乳がコンプレックスなのがバレてたみたいじゃない。


「ぼく姉が二人もいるんで、女性の気にしてることとか、好みとか、何となく分かっちゃうんですよ。」


 頭をかきながら申し訳なさそうに悠樹は答えた。


「それ故、女性には絶対服従が岡崎家の家訓です。」

「いい心がけね。高田家もそうよ。」

「では、続きはどうします?」

「・・・見えてないなら、このまま続行で。」


 あたしは偉そうに頷いた。

 彼は優しい笑みを見せて、再び唇を重ねた。

 あたしもそれを受け止める。

 その間に彼の長い指はあたしのブラの中に侵入し、敏感になってきた先端で遊び始める。


「あ・・・」

「声出していいですよ。」


 思わず声を漏らしたあたしの耳元で彼が囁く。

 やがて長い指によって、ワンピースが脱がされ、肩紐が下ろされ、ブラが外された。

 下着一枚だけになったあたしを彼は軽々抱き上げ膝に乗せると、あたしの薄い胸に唇を這わす。


「あ・・・や・・・・ああ・・・」


 今度はあたしが声にならない声を出す番だった。

 僅かに残されたあたしの衣類に彼は手をかけ、ゆっくりと引っ張り下ろした。

 膝に乗せた、完全に生まれたままの姿になったあたしを、彼は眩しそうに目を細めて見つめる。

 昼下がりの日当たりの良い部屋は、あたしの裸体をまんべんなく照らしている筈だ。

 あたしは恥ずかしくて、視線から逃れるように横を向いた。


「きれいですよ。こんなきれいな人、見たことない。」

「・・・もう!どうせ見えてないんでしょ?」


 ハハ・・・と笑って彼は頭を掻いた。


「じゃ、メガネの使用を許可してくれます?」

「絶対ダメ!」


 あたしはベーっと舌を出す。

 彼は笑いながら、膝に乗せたあたしを長い両腕で抱きしめた。

 あたしの薄い胸に彼の厚い胸が密着する。

 大きな体に抱きしめられて、あたしは彼の体温を全身で感じていた。


「どうしよう、玲さん。あなたが好きだ。」


 再び始まった激しいキスをあたしも無心で受け止める。


「・・・でも、あたし、まだ・・・」

「構わないよ。あなたが誰を思ってようと・・・もう、どうでもいい。」


 あたしは抱かれたまま、ラグの上に寝かされた。

 彼はあたしを見下ろした姿勢で体にもキスを続ける。

 やがて彼の長い手で、あたしの両膝は少しづつ左右に開かれていった。

 これから起る事にあたしも彼も緊張して、呼吸だけが激しくなっていく。

 自分が求めているものに、あたしはもう気付いていた。


「ね、玲さん・・・」


 懇願するような彼の掠れた声がした。


「許可してくれます?」

「・・・ん。」


 あたしは喘ぎながら頷き、そして目を閉じた。



ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。

ここで第7章終了です。


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