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惑星は推しを滅ぼせない 〜文明保護ダンジョンとフレブル連れの探索者〜  作者: まえった


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32話 地下六階 ― 整える者だけが進む

32話 地下六階 ― 整える者だけが進む


北側探索通路


六階は冷たい


湿度が低い

音が硬い

金属が擦れる音が遠くで反響する


五階までの湿った熱はない


汗が冷える

興奮が奪われる


ここは


武装階層


整えられない者が落ちる階だ


真田はハルバートを握る


籠手が軋む


交換したばかりの鉄胸当てが

胸に重く乗る


重い


だが安心する重さだ



■第一戦


曲がり角


武装ゴブリン 五


盾前列

槍後列


通常種なし


全員鉄装備


踏み込む


ハルバートが盾に当たる


鈍い


硬い


五階より明らかに厚い


槍が脇腹へ入る


衝撃


胸当てが受ける


肺の空気が押し出される


痛い


六階は痛い


踏み直す


盾の隙間



一体


抜く


二体


消滅が遅い


その間に斧


腕が痺れる


三分


沈黙


息が荒い


慣らしでこれ


六階は甘くない



■第二戦


奥から重い足音


武装ゴブリン 八

武装コボルト 三

オーク 一


統制


盾が壁

槍が牙

オークが圧


身体強化D


起動


血が熱を帯びる


鉄籠手が軽い


踏み込みが伸びる


ハルバートが速い


盾ごと裂く


だが


オークが来る


棍棒


空気が割れる


避ける


床が砕ける


破片が頬を裂く


マロンが低く唸る


「まだだ」


炎は使わない


オークの脇が開く


踏み込む


首へ


深い


押し切る


血が腕を伝う


身体強化の反動が

じわりと来る


限界がある


常時は使えない


六階は


消耗戦だ


■第三戦 ― 死線


通路が広がる


武装ゴブリン 十二

武装コボルト 四

武装オーク 二


十八体


密度が異常


盾が前

槍が横

包囲完成


一瞬


恐怖


退けば生き延びる


だが


装備は更新途中


ここで退けば

次はもっと削られる


踏み込む


身体強化を一段上げる


ハルバート横薙ぎ


盾が割れる


だが


三方向から斧


太腿


衝撃


膝が沈む


血の味


視界が揺れる


マロンが吠える


「三秒!」


扇状炎


通路が赤く染まる


武装ゴブリンが鈍る


だが


オークは止まらない


焦げながら突進


六階はしぶとい


踏み込む


ハルバート



抜く


打刀




最後のオーク


棍棒が振り上がる


マロンが跳ぶ


足へ噛みつく


骨に食い込む


そして


ぶん投げる


巨体が宙を舞う


床へ叩きつけられる


振動


真田が踏み込む


刃を喉へ


深く


押し切る


十八体


沈黙



身体強化が切れる


一気に重い


籠手が重い


膝が震える


冷気が肺を刺す


六階は


興奮を奪い

痛みだけを残す


マロンが鼻で籠手を押す


「助かった」


小さく言う



■装備更新


床に残る鉄装備


今の胸当ては亀裂


外す


新しい鉄胸当てを装着


重い


だが守られている感覚が違う


籠手更新


ブーツ更新


小型盾を追加


六階は


整えた者が進める



■宝箱


小部屋


宝箱


開ける


ヒルポーション E

ライフポーション E

高品質鉄籠手


淡い緑の瓶


母の顔が浮かぶ


だが


ここで焦らない


今日は


十分整えた



■大広間へ


通路を戻る


金属音が遠ざかる


白い光


安全境界


越えた瞬間


圧が消える


だが


身体の疲労は残る


太腿が鈍い


肩が重い


真田は壁に背を預ける


六階は


削る階


だが今日は


削られながら整えた


それでいい


「温泉入ってから帰る」


マロンが首を傾げる



■温泉


防具を外す


打撲が浮かぶ


裂傷が赤い


湯へ沈む


熱が染みる


一瞬痛い


すぐ緩む


呼吸が深くなる


身体強化の残滓が抜ける


鼓動が落ちる


六階の冷えが溶ける


今日の戦闘を思い返す


盾の硬さ

密度

恐怖


そして


マロンの投げ


「焦るな」


小さく言う


六階は


積む階


欲張らない


整える


それが生存



湯から上がる


ハルバート確認


打刀を拭う


籠手を締め直す


胸当て装着


重い


だが


頼もしい



■帰還


大広間


転移陣が淡く光る


静かな冷光


まだ誰もいない


六階は冷たい


だが


整えれば進める


真田はマロンを見る


「今日はここまでだ」


マロンが鼻を鳴らす


火は出ない


落ち着いている


整えた


削られた


生きている


それで十分だ


真田は転移陣に足を置く


光が広がる


地下六階


整える者だけが進む階


欲を抑え


整え


生きて帰る


それが


次へ進む資格だ


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