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惑星は推しを滅ぼせない 〜文明保護ダンジョンとフレブル連れの探索者〜  作者: まえった


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21話 地下四階 ― 火を飲む犬?

21話 地下四階 ― 火を飲む犬?



三階探索通路


三階探索通路は、まだ熱を持っている


遠くで盾が打ち合わされる音

号令

足音


国家の統制が届いている


だが奥へ進むほど


音が薄くなる


階段が見えた瞬間


守られている空気が切れる



四階への階段


階段に足をかける


一段


また一段


三階のざわめきが遠ざかる


完全には消えない


だが


届かない


湿度が増す


石の匂いが濃い


わずかに鉄の匂い


鼓膜が詰まる


圧が違う


最後の一段


踏み出す



地下四階階段下大空間


広い


三階と同規模


だが空気が違う


静か


音が低い


南側には前進拠点


迷彩テントが密集している


撤退動線が太い


簡易負傷者区画


担架


そこに横たわる自衛官


血はない


だが胸部装甲が内側に凹んでいる


「群れの押しだ」


隊長の低い声


四階は


囲まれたら


押し潰される


だから分隊は


五十メートル以上進まない


慎重ではない


必要だから


年配自衛官が真田を見る


「四階へ行くのか」


「ああ」


「囲まれる」


一拍


「叫べ」


「届く距離なら助ける」


万能ではない


だが


見捨てない


その距離が現実



四階探索通路


暗い


光が弱い


湿った石壁


足音が多い



止まらない


角を曲がる


ゴブリン三

コボルト二


互いに威嚇している


だが真田を見た瞬間


敵意が一つになる


一斉


風を纏う


MP 100 → 92


一体目


斬る


深い


だが三階ほど滑らない


刃が重い


倒れる


消えない


二秒


三秒


その間に二体目が肩を打つ


重い


三体目が脚を狙う


踏み込み修正


横薙ぎ


二体裂く


コボルトが跳ぶ


マロンが突進


壁に叩きつける


最後の一体


片目の潰れた個体


棍棒が滑らか


フェイント


腹に入る


肺が震える


一瞬視界が揺れる


風を刃先へ集中


MP 92 → 73


踏み込み


斬り抜ける


首が飛ぶ


三秒


ようやく消滅


四階は


死体が残る


その時間が


次を呼ぶ


奥で


別の足音


増えている


三階とは違う


ここは


削りきれていない階


【SP +0.031】


息が荒い


「……濃いな」



小部屋 ― 火の匂い


通路奥


右壁が歪む


押す


石が滑る


小部屋


湿気


だが中央だけ乾いている


熱い


宝箱


赤銅色


炎紋


近づくだけで喉が焼ける


あーちゃんが小さく言う


『覚えてる?』


「何を」


『召喚の対価』


一拍


『黒龍の魔石、使ったよね』


空気がさらに重くなる


神箱


国家案件級


あの魔石


『闇魔法ランクMAX』


『上位種固定』


沈黙


『見た目はフレンチブルドッグ』


一拍


『種族はベヒーモス幼体』


『黒龍級の魔力を燃料にしてる』


『理論上、枯れない』


宝箱を開ける


赤い宝珠


炎が渦を巻く


真田が手を伸ばす


その瞬間


マロンが滑り込む


鼻先が宝珠に触れる


炎が暴れる


空気が吸い込まれる


赤が収束


ごく


飲み込む音


静止


マロンの体毛の奥が赤く透ける


喉が灯る


ぽふ


小さな炎


三秒


火柱


小部屋が赤く染まる


焦げない


だが熱は本物



ただの犬


真田は無言で


マロンを抱き上げる


軽い


いつもの重さ


炎は消えている


ただ


鼻ぺちゃの犬


頬を舐める


尻尾が暴れる


「……ベヒーモス?」


首を傾げる


「知らん」


頭をぐしゃぐしゃに撫でる


黒龍の魔石


理論上無限の魔力


火を吐く


それでも


今は


ただの犬


真田は小さく笑う


「行くぞ」


地下四階


人類がまだ削りきれていない階


そこに


黒龍を燃料にした火が灯った


準備は整った


真田と


マロン


二人分


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