久遠の僕と永遠なる君 9話
目を覚ました。そこには見慣れた天井とお師匠様の顔があった。お師匠様は僕を覗き込んでいる。「おはようございます、レーテリア」とお師匠様は少し頬を赤らめながら言った。が、微笑んでいて、幸せそうな顔をしていた。僕はお師匠様の手を引いてお師匠様をベッドの上に寝かせ、抱きしめた。「えへへ、お師匠様〜。お師匠様と一緒に朝を迎えられて嬉しいです!でも、寂しいですよ?お師匠様はいつも僕より先に起きて僕から離れちゃいますよねっ」と僕は昨日できたばかりのお師匠様と僕の恋人関係を利用して、思いっきりお師匠様に甘えた。お師匠様もすっかり素直になって、僕を抱きしめ返してくれたし、頭だって撫でてくれた。そして、耳を弾いてイタズラし始めた。お師匠様って実はかなりのイタズラ好きだ。僕に触れられるようになって、イタズラの回数も増えた。僕はそれでもお師匠様に触れてもらえるのが嬉しかった。僕は「もっとしてください」と言った。お師匠様は僕に触れているのを思い出して、イタズラより恥ずかしさが勝ったのかイタズラをやめた。
お師匠様は「レーテリア、そろそろお昼にしましょうか」と言い、ベッドからあがってご飯の支度を始めた。僕は「僕も手伝います!」と言い、野菜を切り始めた。暫く淡々と準備を進めていると、「いてっ!!」僕は指を包丁で少し切ってしまった。手当てをする前に、僕は邪な考えが浮かんだ。僕の血液にも魔力が流れている。僕をもっと感じて欲しい、僕のことをもっと…。お料理に僕の血を入れたら僕のこともっとわかってくれるかも。僕は自分の血を数的お昼ご飯に混ぜてしまった。お師匠様は気づいていないみたいだ。僕は期待してしまっていた。
お昼ご飯の時間がやってきた。僕はお師匠様が食事をする瞬間、食べ物を口へ運ぶその瞬間から目を離せなかった。…食べた。お師匠様が僕の血液入りの…食べてくれた。お師匠様は「あら?今日はなんだか濃くて美味しいですね!隠し味でも入れたんですか?」と聞いてきた。僕はドキッとして動悸がしたが、「えぇ、まあそんなところです!」と答えた。僕は罪悪感と幸福に包まれた。
夜になった。流石に夜ご飯にまで僕の血液を入れることはしなかった。というか、これからもしないはずだ。あれは偶然魔が差してしまっただけだ。それに、お昼ご飯の後、お師匠様は僕のことを沢山愛してくれた。ちゃんと今までも僕のことを見ていてくれてたみたいだ。僕はすごく安心した。僕の想いは一方通行なんじゃないかってずっと思っていた。けど、実際はお師匠様も僕のことがずっと好きで、自分の思いは一方通行なんだって思っていたらしい。僕はまたお師匠様と同じになれて嬉しくなった。僕は幸せな気持ちのままお師匠様と一緒にベッドに入った。少し苦しいくらいにお師匠様のことを抱きしめて眠りに入った。