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別離【1】

「所詮、近藤も役立たず……。どうすれば、尊王の意を示し、この時代を変えられるんだ」

 人影のない部屋の中、唯一座していた男は呟きをもらした。

『そんなに時代を変えられるほどの力が欲しいのか?』

 男しか居ないはずの部屋の中にどこからともなく声が響く。男は腰の刀に手をやり、すっと立ち上がり辺りを見回した。しかし、人影はおろか、気配すらしない。男の首筋を嫌な汗がつうっと流れる。

「お前は何者だ。隠れてないで出て来い!」

『私はお前と同じで、力を求める者。どうだ、お前は永遠が欲しくないか?』

「永遠?」

『永遠の命のことだ』

「それさえあれば、いつの世も歴史を見守り、導くことができると言う訳か……」

 男は紙燭の光源しかない薄暗い部屋の中、不敵に笑ってみせた。

『…………』

 声の主は、男の言葉に肯定とも否定ともつかない沈黙で返す。

「で、永遠の命、それを得るために私は何をすればいい?」

『お前は私の器となればよいのだよ』

 カタッカタッカタッカタッカタッカタッカタッ――――

 乾いた音と共に部屋にビュオォォォと風が流れ込み紙燭の火が掻き消えた。そして部屋は暗闇とかしたのだった。

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