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27話「神聖都市を支配する悪魔神官キオーナ!!」

 死人はもう生き返らない。それこそが絶対の真理。異世界といえども例外ではないーっ。

 だからこそヤリオたちは悲劇を繰り返させまいと固く決意をした。


 教会を出て、しばらく散策していた。



「はーっははははははははははは!!!」


 その声に振り向くと、神輿に乗った男が大笑いしていた。

 なんかプリーストが行列して、神輿の男を大層に大通りを進んでいた。

 神輿の男は大柄な体格だが筋肉はなく、一度も戦った事のないダラけた太った体。そしてタレ目に傲慢そうな笑い。

 両脇に二人の露出度の高い美女をはべらしている。


「あいつは誰だーっ?」

「ほっほっほ。あれこそが悪魔神官キオーナですよ。表向きは慈善神官の通り名で強引に呼ばせているみたいですがね……」


 リーザフの説明もそうだが、大通りをどけられた住民は恨みがましい視線でキオーナを見届けているのが【悪魔神官】たる所以と察した。

 もはや四面楚歌。かなり嫌われている。


「ここの神聖都市の戒律は厳しいが、キオーナだけは特別扱いで好き勝手しててハーレム築いているんだーっ! とことん凶悪なヤツだーっ!」

「それだけじゃない。パワハラはもちろんセクハラもし放題だーっ! 何度か美女を捧げよと住民に強制しているんだーっ! そしてデタラメな神様の像を建てて女神さまの存在を否定しているんだーっ!」

「勇者さまーっ! なんとかしてくだせぇーっ!」


 こちらと近くにいた住民は、そう次々と悪事を言ってくれた。

 リーザフとフェクルセも怖い顔で悪魔神官キオーナへ見やっている。



「そこ気に入ったーっ!」


 ドヨドヨしはじめて気づけば、こちらへ行列が向いていて神輿の男キオーナが扇子でセレティーンを指していた。


「え? 私ーっ!?」

「僕こそがこの都市の絶対王である慈善神官キオーナです。おまえはなんて言う? 我が妻となれいーっ!」

「そんなブサイク男なんかよりも、勇者のヤリオの方が絶対いいからーっ!」


 怒ったセレティーンはヤリオの腕へ組み付いて拒絶した。

 それにキオーナは唇を震わせて、神輿から降りた。


「なんだとーう!! この慈善神官キオーナさまに向かって、ブサイク男だとーっ!? なんたる無礼なーっ!」

「そういうの慈善神官じゃないでしょーっ! この悪魔神官ーっ!」

「なにーっ! 影で言われてる事を堂々と言ったなーっ!!」


 激怒して顔を真っ赤にしていくキオーナ。


「そーゆー性格だから悪魔みたいって言われてんでしょーっ!」

「女は黙らんかーっ!! この転移者の勇者でもあるキオーナさまにたてつくとはーっ!」

「なっ!? 移転者……っ!?」


 なんとキオーナは聖剣を抜いてきた。

 銀色に輝く綺麗な刀身で、左右から残像の刃がブレて見えてくる。

 見せしめか、右へ振るって残像の刃を飛ばす。その辺の住民が「グギャアーッ!!」と八つ裂きにされて血飛沫が飛び散る。

 そう、これがその聖剣の効果。


「この通り、聖剣ブレブーレで切り刻んでやるわーっ!!」


 まさかの悪魔神官が地球からの転移者で、聖剣を授かってもらった勇者だったのだ。


「……おまえも勇者なら、なぜ魔王を倒しに行かないんだ?」

「フン! その無礼な態度は気に食わんが、まぁいい冥土の土産に説明してやろう。確かに一〇年前に神聖都市の王様によって地球から移転させられた。だが、聖剣を授かった時に王様を斬り殺し、自ら王様に成り代わったのだーっ! そして長らくこの国を支配している方が一番楽だと思ったからだーっ! 逆らうヤツは聖剣で九九九九人まで惨殺してきたのだーっ! はーっはははは!!」


 それを聞いていた住民は「ああ……!」と絶句。

 ヤリオたちも、そんな私利私欲な転移者に怒りを覚えていく。


「オレたちは死の覚悟をして魔王を倒そうって時に……おまえは……!」

「フン! なんとでも言うがいいわーっ! 魔王を倒すなんて危険な事できるかーっ! そしてきさまらを見せしめとして惨殺してくれるわーっ!」

「きさまに生きる価値はないーっ! ストライクランサーッ!!」


 傲慢な悪魔神官キオーナを許せず、聖槍を突き出した。

 分裂してくる残像の刃がことごとく切り裂かれ、防ごうとしてた聖剣ブレブーレをも真っ二つ。絶句するキオーナは見開いた。


「なにーっ!? なんだその槍はーっ!?」

「支配されて圧政された人や、殺されてきた人の恨みを思い知れーっ!」

「グギャアーッ!!」


 聖槍はみごとキオーナの太った腹を貫き、血飛沫を噴き上げて苦悶させた。

 すると雷球が浮いていて、それを怒りにみなぎったセレティーンが飛び上がって蹴り出した。


「地獄へ落ちなさいーっ! サンダーステラーッ!!」

「ギャアーッ!!」


 無数の雷の矢によってキオーナは蜂の巣にされて苦悶に吐血して絶命した。

 それを見て行列していたプリーストも住民も「やったーっ!」と盛大に喜んでいく。

 傲慢な転移者の支配から解き放たれたのだ。


 創造神イーバルンの像は女神イテンセーネさまに作り直された。

 こうして神聖都市エラソウダは神聖都市ケンキョーへ変わって平和になったのだ。めでたしめでたし。

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