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24話「山岳地帯の魔物! それが飛翔鳥人ハーピィ!」

 霧が晴れた迷い森を抜けて、山脈へ差し掛かったのか登山になっていく。

 それでもヤリオとセレティーンは根気よく歩んでいる。


「犠牲になった柴胡(サイコ)路州輝(ステル)、ゼロス、レンゾーマ、そしてガイアの為にも、魔王打倒を完遂しなければならないーっ!」

「ええ! その意気よーっ!」


 なんと強くなっている為か、息を切らすどころかピョンピョン山岳地帯を飛び跳ねて登っていくぞ。

 急坂に加え、突き出た岩山や木々などが邪魔しているが、二人にとってはさしたる障害でもなかったーっ。


 それを空から見下ろしていた魔物がいた。

 両腕が鳥の翼になっていて、筋肉隆々のたくましい体格、強靭な人間の足だが足先は鳥のカギ爪、そして頭は両翼を伸ばしたような変わった髪型をしている。


「フフフ……! 相当な勇者とみたーっ!」


 翼となっている腕を組んだまま空に浮いていた男は、ニヤリと笑むとバサッと腕を広げて向こうへ飛び去ったーっ。




 ようやく周りの山岳地帯を見渡せる、頂上となる山へ登りきったヤリオとセレティーンは「フウーッ」と一息を付いた。

 するとザッと革靴が踏みしめる音がした。


「クックックーッ! きさまが噂の勇者ヤリオだなーっ!」


 なんと既に登頂していた男たちがいた。

 ヤリオとセレティーンは「おまえたちは……?」と驚く。


「ほーっほほほ! 私は移転者の勇者リーザフ! 聖弓デスボウの使い手よーっ!」


 チビそうな体格、オカマそうな少年風。

 紫のツーブロックで不敵な面構え。白いマントに紫の鎧、下の服は白。

 どうやら聖剣は左腕についているボウガン型である。


「くっくっくーっ! 私は完璧な転生者の勇者フェクルセ! 聖剣ハカメの使い手だーっ!」


 背が高く体格の良い悪人面のイケメン。光沢がある黒いマントに、迷彩模様の緑服。

 聖剣はサヤにぶら下げている長剣。一見普通そうだが……。


「ほほほ! まだまだ弱そうねーっ! あたしは転生者の女勇者ギャンザ! 聖糸アカイトの使い手よーっ!」


 橙色のフワフワモコモコのロング。ダークエルフらしく褐色肌。残虐そうなツリ目で不敵な笑みをしている。

 両手の指に指輪がはめられていて、それが聖糸らしい。


「おまえたちかえれ! オレは転生者の勇者クアウブ! 聖鞭ビビビーンの使い手だーっ!」


 なんと転生したのはスライムだったようで、人型を取っている。

 水色の半透明でプニプニしているのが見て取れ、顔は両目と口で辛うじて人間らしい表情を残していた。


 セレティーンは「ビビビーン……?」と怪訝に口走る。

 ヤリオは「仲間にならないか? 一緒に魔王を倒そうぜ」と握手を求めるが、四人は「はーっはっはっはーっ!」と笑い出す。


「ほほほ。断りますよ……。私たちで魔王を倒しますからね。あなたたちは回れ右して、元の国へ帰りなさい」


 リーザフは嘲るような感じで突き放してくる。

 ヤリオとセレティーンは汗をかいて「グ、グム~!」と唸る。

 確かに魔族の中でも格上の魔轟六将を倒してきたとはいえ、世の中にはまだまだ強い勇者たちもいる。

 実際に戦わなくても感じる威圧で分かる。


「行こうぜ」

「行きましょーっ」

「オレたちがいく。おまえたちはかえれ」


 フェクルセ、ギャンザ、クアウブはリーザフの後をついて先へ進んでいく。

 ヤリオとセレティーンは顔を見合わせる。


「オレたちと同じようにレベルアップしてきた勇者が他にもいるんだなーっ」

「そのようね。一体どんな戦線をくぐり抜けたのかしらーっ?」

「ウムーッ!」


 すると強風が吹きすさんで、四人の勇者は気配がする方へ鋭く振り向いた。


「ハッハッハーッ! 人間の勇者どもも一枚岩ではないようだなーっ!」


 なんと羽ばたかせた両腕を組み直して、空中で静止する鳥人がいた。

 不敵な面構えで、強敵そうな威圧がにじみ出ている。

 すると、その後方で無数の鳥のようなのがバサバサと群がってくるではないか。


「俺はこの山岳地帯を支配している飛翔鳥人ハーピィ族の長をやっているパピヨンだーっ!」


 なんと鳥人ハーピィ族を束ねている長だというのだ。

 そしてそれと似た鳥人が数百人もバサバサと空を覆うほど群がっている。


「ここは俺の土地。生きて帰さんーっ!」


 パピヨンは手を振るい、後方で滞空していたハーピィ族が一斉に勇者たちへ飛びかかっていく。


「ほほほ。生意気な魔物ですねぇ。喰らいなさい! デスアロー!」


 するとリーザフは左腕を上げて聖弓デスボウから赤い光線をビビビッと放つ。その光線は複数のハーピィ族を「ギャアーッ!!」と絶命させた。

 なんと矢いらずで魔力の矢を撃てる能力だ。魔力が尽きない限り無限に撃てるだろう。


「クックックーッ! 見せてやるぞ! このパーフェクトな力をーっ!」


 フェクルセは長聖剣を抜くと「はあっ!」と気合いを入れて全身にオーラを纏い電撃がバチバチ迸る。

 全てのステータスが劇的にアップする効果だ。

 しかも空を飛んでハーピィ族を切り裂いていく圧倒的な力を見せる。


「対集団は得意なのよーっ!」


 ギャンザは踊るように舞うと、両手の十つある指輪から赤い糸が放たれてハーピィ族を次々と絡め取ると八つ裂きにしてしまう。

 しかも絡め取るとステータスが下がるデバフをかけられるという効果。


「おまえたち、みなごろし!」


 クアウブは聖鞭を体内から取り出して、振るうとビビビビとハーピィの群れを叩き落としていく。

 まるで生きた蛇のよう動いているのが効果だ。


「お、覚えていろーっ!」


 大半の鳥人ハーピィ族が失われて、劣勢になったパピヨンは捨て台詞を吐いて飛び去る。

 ヤリオはカッと見開いて「逃がすかーっ!」と聖剣アブゾリュートを伸ばし続けて、遠くのパピヨンの背中から貫いて「ウギャアーッ!」と絶命させた。

 四人の勇者はそれを見て驚いた。


 魔力の限りに伸ばし続けて貫く絶対斬れる聖槍アブゾリュートの威力に、誰もが驚かずにいられない。

 しかも魔王四天王や魔轟六将とも戦った実積がある。


「さ……さすがだな……。一緒に行くか?」

「ほほほ。数は多い方がいいでしょう。認めてあげます」

「うん、なかよし」

「あはは。華やかになったわねーっ」


 こうして一緒に旅する事になったーっ!

 ハーピィは実際は女性型鳥人で、こんなたくましい男の鳥人ではありません。

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