22話「魔轟六将が一人! クロウラーのモザラ!」
五階へ続く螺旋階段を駆け上がっていくヤリオ、セレティーン、ゼロス。
すると途中でカーバンクルのサーネンに瓜二つの男がいた。
「お……おまえは!? サーネン?」
「違う! この俺はサーネンの弟である、カーバンクルのロカだーっ! 兄者の仇を取って、補欠から魔轟六将へ昇進してやるぜーっ!! 死ねーっ!!」
「邪魔だーっ!!」
ヤリオは聖剣アブゾリュートを槍に変えて突き出す。
それを見てロカは剣で反射の煌きを発するが、貫通されて胸を貫かれて「ギャアーッ!」と絶命。
「なんでも斬れる聖剣アブゾリュートには反射など通用しないぜーっ!」
ロカの死骸を後にして五階へ向かっていった。
たどり着いた五階では、砂漠が広がっている大広間を目の辺りにした。
天井には青くペンキで染めていて青空を描写していた。
「こ……ここは!?」
すると砂漠から砂塵が巻き起こり、巨大なイモムシのようなのが這い出てくる。先端には大きな丸い口があって無数の牙が並んでいる。
「クロクロクローッ! この砂漠魔境の間へようこそーっ! 我は魔轟六将が一人、クロウラーのモザラよーっ!」
そう言うとズボッと砂漠へ潜って、静寂の無人へ戻ってしまう。
ヤリオたちは絶句した。
そのまま六階へ続く階段へ走り抜ければいいが、それだと地中から出てきたモザラに「ギャアーッ!」と食われるのが容易に想像できる。
どこから来るのか皆目がつかないから恐ろしい。
「どうやら私の出番のようねーっ」
なんとセレティーンが前に出て、砂漠へ踏み入れた。
すると砂漠がゴゴゴゴと震えだす。
《クロロローッ! 最初のエサはおまえかーっ! エルフはさぞかし美味いに違いないーっ!》
どこからか響いてきたが、セレティーンは動揺していない。冷静だ。
セレティーンは何を思ったのか、前斜めへ飛ぶ。
すると彼女がいた地面からクロウラーがズボッと這い出てきた。そのままいたら食われていただろう。
「あの女、なんで分かったんだ? 地中でも見えているのか?」
「そ……そうかーっ! エルフは耳が横に伸びているから、魔力でクロウラーの位置が分かるんだーっ!」
「そうだったのか!」
ヤリオの説明にゼロスは納得がいった。
その証拠に、セレティーンはピョンピョン飛び跳ねて移動して、ことごとくクロウラーの地中からの襲撃を完全に避け続けていた。
焦りを滲ませたクロウラーは砂漠へ潜った。
《クロロロロロロ……。やるようだが、逆にそちらから攻撃できまいーっ》
ヤリオは絶句した。
確かにセレティーンが雷や炎の魔法を撃っても、地中にいるクロウラーへ届かない。
砂漠一帯がクロウラーの絶対障壁となっているのだ。
これこそ魔轟六将として名を連ねている魔族。
「そう来ると思ったわーっ。ならば、精霊の雲よ、我が力となりて豪雨を降らさんーっ!」
セレティーンが杖をかざして呪文を唱えると、天井で暗雲が立ち込めて豪雨が降り注ぐ。
まるで滝かと思うほどの豪雨で砂漠はビショビショになっていく。
「でも、別にダメージを与えている様子はないーっ!」
「あれを見ろーっ!」
ゼロスが指さした先で、砂漠がべちょべちょ盛り上がっていくと、クロウラーが「い、息ができんーっ! 苦しいーッ!」と勢いよく飛び出した。
そう、水浸しになった砂漠の中にいれば窒息する。
なので我慢できずに飛び出すしかないし、もう二度と潜れない。
「くらえーっ! サンダーステラーッ!!」
続いて暗雲から雷球を出させると、セレティーンはそれに乗って蹴り飛ばすと、雷の矢が無数クロウラーをザクザク貫いて「ウギャアーッ!」と血飛沫を上げて倒れてしまった。
水浸しで窒息のダメージと雷の矢に貫かれたダメージと感電のダメージの三コンボでクロウラーのモザラは絶命した。
「さすがはセレティーンの頭脳戦だーっ!」
「あの女もやるようだな。俺かヤリオだったら、もっと苦戦しただろうぜ……」
ゼロスもセレティーンを認めるしかなかった。
こうしてヤリオたちは無事に砂漠を渡りきって、最上階への螺旋階段へ突入した。
いよいよ最後となる魔轟六将のリーダーへ挑む事になる。
それをモニターで見ていた最後のリーダーは、持っていたワインのグラスをグシャッと握り砕く。
「まさか我以外の魔轟六将が全てやられるとはな……。だがもういい。お遊びはここまで。これから地獄絵図を勇者どもに見せてやるかーっ!」
フードを脱ぎ去ると、巨大な漆黒のドラゴンへ体格が膨らんでいってがギラリと眼光を煌めかした。
凄まじく思い威圧が周囲を震わせていく。
バサッと羽ばたくと、この部屋が木っ端微塵に破裂して吹き飛んだ。
「この魔轟六将が一人! 最強竜バハムートのディーオ!!」




