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20話「魔轟六将が一人! ガルーダのワシドゥガ!」

 薄暗い部屋で、フードをかぶった四人がモニターを見ていた。


「……最弱のオウガはともかく、まさかアロンガ卿まで敗れるとはーっ!」

「キヒェッヒェッヒェッヒェッヒェッヒェーッ! ならばワシが行こうかーっ!」


 バサッとフードを脱ぎ去ると、黄金に輝く巨大な鳥が「ガルアーッ!」と吠えた。


「おお! 鳥の神と人間どもが崇めるというガルーダ!」

「これでヤツらの快進撃もここまでよーっ!」

「ガルガルガルーッ! おまえたちには申し訳ないが全滅させて、またしばらく数百年退屈させてしまうぜーっ!」


 そうガルーダは勝ち誇ってフッと消えた。




 三階にたどり着いたヤリオ、セレティーン、ゼロス、ガイアは絶句した。

 こちらが渡れるのは浮いている無数のタイル。そして二〇メートル下は煮えたぎる溶岩の海。

 上の階へ目指すにはタイルを飛び移って向こうの階段へ行くしかない。


「ガルガルガルガルーッ! ようこそーっ! この地獄炎魔の間へ! 魔轟六将が一人、ガルーダのワシドゥガ!!」


 なんと巨大な黄金の鳥がところ狭しと上を飛び回っているではないか。

 神々しくて魔族とは思えないほどだ。


「ガルルルルルーッ! さぁ我に挑まんとする者はどいつだーっ!」

「貴様が出てくるとは、焦っているようだな。ならば我が出るしかなかろう……」

「ホォーッ! 魔王四天王の悪魔騎士ガイアが出てくるかーっ!」


 バサッとコウモリのような翼を羽ばたかせてガイアは飛び上がって、ワシドゥガへ対峙する。


「きさまのような魔王軍に入れなかった者など敵ではないわーっ!」

「ガルガルガル! 勘違いしているようだが、魔王軍などに入る気はさらさらなかったーっ! この魔轟六将で成り上がって、ゆくゆくは魔王の座を勝ち取る予定よーっ!」

「フッ! 笑わせる……!」

「もちろん、裏切り者には制裁あるのみーっ!」


 ガルーダのワシドゥガは巨大な猛禽類のようなもの、鋭い爪を開いて握りかかる。

 獲物を握ると爪で食い込んでグシャッと絞め殺すのだ。

 そんなワシドゥガに、ガイアは頭を突き出して牛のような一対の角をピーンと伸ばした。


「ジェノサイドホーン!!」

「ギャアーッ!」


 ガイアの伸ばした角が、ワシドゥガの胸板を貫き血飛沫を噴き上げた。

 そのまま高く飛び上がり、ガイア自身が真っ逆さまになり突き刺したままのワシドゥガを真下に体勢を整え、両手で頭と両足をクラッチし急降下。


「これが魔王四天王として誇ったという奥義! グレイトホーン・クラッシュガイアーッ!!」


 そのまま溶岩へ落下してもろとも沈んでしまった。


 思わずヤリオ、セレティーン、ゼロスは「ああ……」と呆気に取られた。

 恐らくガルーダを強敵と見て、ガイアは自らを犠牲にしてガルーダを道連れに溶岩へ沈んだのだ。思い切りがよくて最善の手を打った。


「こ……これが……悪魔騎士たる所以の実力か……」

「これで四階へ進めるぜーっ!!」


 ヤリオたちは浮いているタイルを飛び移って、階段へたどり着いた。

 そしてしばらくすると、溶岩がゴゴゴゴと渦を巻いていく。ガルーダとガイアが組み合った状態で飛び上がって空中で離れた。


「クソ……! ヤツらを進ませる為に、敢えて溶岩の中へ押し込んだのかーっ!」

「きさまは隙があればヤリオたちを襲って溶岩に突き落とすだろう。それをさせぬためにな。さて、キッチリタイマンといこうかーっ!」

「だが、逆にきさまはたった一人でワシと戦わなくてはならないーっ!」

「そんなもの百も承知の上ーっ!」


 ガイアはワシドゥガへ突っ込み、互い手で組み合って周囲を揺るがす激突を始めた。

 共に握力は互角。


「「ぐぎぎぎぎぎーっ!!!」」


 ガルーダの握力は大岩すら容易に握り砕くというのに、悪魔騎士ガイアは負けていない。

 すかさずガイアは、ガルーダのアゴ下を蹴り上げて吹っ飛ばす。


「ぐぐっ!」


 空中で宙返りして静止するワシドゥガ。


「人間どもの味方をしおってーっ! 魔族の面汚しは、このワシが惨殺してやるーっ!!」


 ワシドゥガは連続爪殺法で、残像を残すほどの連撃を繰り出す。

 ガイアも太い腕から繰り出す嵐のような拳の乱打を繰り出す。互い衝突し合って連打音が鳴り響く。

 空中で飛び回りながら、互いは一進一退と激しい激戦を繰り広げていた。


「この野郎ーっ!!」


 ワシドゥガは、ガイアの顔面を両足で鷲掴みしたまま、壁まで押すようにギューンと高速飛行する。


「喰らえーっ!! ガルーダ飛翔殺法秘奥義・真王轟嵐撃滅ーっ!!」


 ガガァン!! 壁にガイアを埋めるように叩きつけた。

 そこから亀裂が放射状に広がっていく。


「ゴガハッ……!」


 ガイアは苦悶に吐血し、ゆっくり落下していく。

 それを見て勝ち誇ったワシドゥガ。しかしガイアは溶岩まで落下せず空中停止。


「なにーっ!? 今のはワシが繰り出す最大奥義なのだぞーっ!?」

「ガッガッガッガ! その程度で魔王軍に勝とうなどと思い上がったものだなーっ!」

「くっ!!」


 すかさず超高速でワシドゥガへ突進して、自慢のツノで弾き飛ばす!!

 喰らったワシドゥガは「グギャアーッ!!」とギュルルルと回転して舞う。そこを再び突進してきたガイアがツノで痛々しく弾き飛ばし、血飛沫が舞う。


「ギャアーッ!」


 苦悶の顔でワシドゥガは回転しながら上昇する。

 また下降する所を、またもやガイアは鋭いツノで突進して三度弾き飛ばす。


「ウギャアーッ!」

「これが元魔王四天王の実力よーっ! そしてこれが秘奥義テンペストホーンだーっ!!」


 ガイアは縦横無尽に飛び回りながら、自慢の鋭いツノでワシドゥガを弾き続けていく。

 なすすべもないワシドゥガは「ギャアーッ!!」と、空中で血飛沫を振りまきながら踊り続けるしかない。

 そのまま絶命し、白目で溶岩へ沈んでゴポゴポ溶解してしまった。


「ガッガッガッガ……! 数百年、少しぐらい腕を上げたようだが少しばかり挑むのが早すぎたようだなーっ!」


 さすがは悪魔騎士ガイア! 圧倒的な力でワシドゥガをもねじふせたーっ!

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