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19話「魔轟六将が一人! デュラハンのアロンガ卿!」

 螺旋階段のように曲がり続ける階段を、ヤリオ、セレティーン、ゼロス、レンゾーマ、ガイアは駆け上がっていく。

 柴胡(サイコ)路州輝(ステル)を犠牲にして一階をクリアしたのだ。

 各々、引き締めた心境で二階へたどり着く。大きな扉が開かれた。


 まるで別世界が広がっているかと思うくらい、黒い荒野だ。しかもゾンビ軍団が徘徊している。


「ラハハハハーッ! ようこそ! この冥界焦土の間へ! 受け持つは魔轟六将が一人、デュラハンのアロンガ卿よーっ!」


 無数のゾンビが徘徊するエリアはまさに地獄を顕現化しているかのようだ。戦慄を覚えずにいられない。

 そしてデュラハンは、鋼鉄の鎧をまとった馬に乗った黒騎士。ただし首がない。代わりに左手で持つ盾に顔面がある。

 重々しい威圧が伝わってくる。


「ム……ムウッ……!」

「ヤリオ殿……。ここは吸血鬼(ドラキュラ)レンゾーマに任せてもらおうかーっ」

「レンゾーマ!?」


 相談する間もなく、吸血鬼(ドラキュラ)レンゾーマは身軽に宙返りして、黒い荒野へ降り立つ。

 するとゾンビ軍団が一斉に襲いかかってくる。


「ラハラハラハーッ! 馬鹿め! 我らがアンデット族にたてつくとはーっ!」

「この程度有利に立ったと思うなよーっ! いでよ! 我がしもべ骸骨剣士(スケルトン)よーっ!」


 なんとレンゾーマが手を振りあげると、荒野からボコボコッと骸骨剣士(スケルトン)の集団が這い出てきてゾンビ軍団と激突した。

 同じアンデット族なので、互いすけ抜ける事なく戦える。

 つまり実質的に吸血鬼(ドラキュラ)とデュラハンで一対一のサシになったというワケだ。


「レンゾーマほど、このエリアにふさわしい味方はいないわねーっ」

「あ、ああ……。確かに……」


 アロンガ卿はニヤリと笑む。


「馬鹿めーっ! ゾンビ軍団に食われた方がマシだったと悔やむだろうぜーっ!」

「ほざけーっ!」


 アロンガ卿は鋼鉄の馬で駆け出して、レンゾーマへ突っ込む。

 しかし身軽にレンゾーマは空へ舞ってかわす。ヒラリヒラリ軽やかに蝶々のように舞って、突進してくるアロンガ卿をかわし続けている。


「お、オレも苦戦したレンゾーマの舞いーっ!」

「では、こちらの番だーっ! 喰らえーっ!」


 レンゾーマは両手を突き出して爪を立てて急降下。しかしアロンガ卿は大きな槍で連続突きして対抗。

 その連続突きは秒間数百発とも言える超高速連撃だ。


「甘いわーっ!! 喰らえ!! 死霊槍術・烈風乱舞殺ーっ!!」

「ギャアーッ!」


 レンゾーマは肩、脇、腹、足を刺されて血飛沫撒き散らして吹っ飛んだ。

 ウググ、と震えながら立ち上がる。

 なんと一気に瀕死に近い大ダメージを受けたようだった。これでは蝶々のように舞う事はできない。

 もはや翼をもがれた鳥にも等しい状態だ。


「ラハラハーッ! カウンターに弱いのは直ってないようだなーっ! だからいつまでたっても格下なのだーっ!」


 アロンガ卿は容赦なく突進して、満身創痍のレンゾーマをはね飛ばしていく。


「死霊馬術・騎馬疾駆暴威ーっ!!」

「ウギャーッ!」


 更に折り返して突進して再びはねる。三度はねる。四度はねる。五度はねる。血飛沫を撒き散らしながら嬲られるレンゾーマ。

 重量たっぷりのアロンガ卿の止まらぬ連続突進に、レンゾーマはなすすべがない。


「こ……このままじゃ……ダメよーっ!! 殺されてしまうわーっ!」


 セレティーンは悲鳴じみた叫びを上げる。

 なぶられ続けるレンゾーマに、ヤリオは耐え切れず飛び出そうとするが、ガイアに肩を掴まれて引き止められる。


「ガイア!? なぜ止めるんだーっ!?」

「ヤツを信じてやれ……。我々は命を懸けて格上の魔轟六将へ挑むのだ。レンゾーマもまた同じ。勝てないかもしれないアロンガ卿へ挑んだ心意気を組んでやれ」


 仲間を信じて見守る、それもまた絆。

 ヤリオは握った手を震わせて見守る事にした。同じ仲間として、先へ続く道を切り開いてくれる為にも……。


「格下はさっさと死ねーっ!!」


 槍を構えて突進するアロンガ卿に、レンゾーマはカッと見開く。

 メキメキとドラゴン化した。そう吸血鬼(ドラキュラ)から竜血鬼(ドラキュラ)となったのだ。同じドラゴン族なのだ。


「な、なにーっ!? なんだそれはーっ!?」

「今まで見せてなかったのは失礼だったなーっ! この最後の力、喰らえーっ!!」


 竜血鬼(ドラキュラ)レンゾーマは渾身の火炎ブレスを吐いた。

 火ダルマになったアロンガ卿は「ギャアーッ!」と転がって、しばらく悶え続けていると絶命した。

 アンデット族は火にメチャクチャ弱い。

 ドラゴン族は火が吹けるので、ヤツとは相性はバツグンだったのだ。

 そして何よりもレンゾーマは全ての力を出し尽くしたので、アロンガ卿を一撃で仕留めるに至ったのだ。


「……初めて私の真の姿を見せたのがヤリオたちだったのですよ。だから魔王軍はおろか魔轟六将が知らなかったのが仇となりましたね……」


 吸血鬼(ドラキュラ)に縮んでガクッと膝をついた。

 慌ててヤリオたちは駆け寄って心配する。


「大丈夫かーっ!?」

「いえ! 死んでもおかしくないほど重傷よ……!」

「ハァハァ……、どうやら苦戦しすぎたようです……。先へ行きなさい。道は開かれたのです……」


 もう戦えなくなったレンゾーマは、三階へ続く階段へ指さした。

 ヤリオ、セレティーン、ゼロス、ガイアはコクリと頷く。


「ようし! これで二階までは攻略したーっ!」


 駆け上っていく。それを見送ったレンゾーマは満足したように笑んだ。

 そのままうつ伏せに倒れてしまった……。ドサッ!

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