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17話「迷いの森で佇む魔天城! そして魔轟六将!!」

 圧倒的な激臭をも退けて、ヤリオとセレティーンは更に旅を続けていた。


 そんな折、霧が立ち込める寂しげな森へ入っていった。

 ヤリオとセレティーンは不安そうに静かな霧の森を通っていく。何日経っても抜け出せない事にハァハァ息を切らしていた。

 ようやく森を出たと思ったら、思わぬ光景に二人は見開いた。


「な、なんだーっ!? あれはーっ!?」


 ヤリオとセレティーンが立つ場所は切り立った丘の上。

 その見下ろせる向こうに魔城が聳えているではないか。霧が立ち込めていて、無数のコウモリが不気味にキーキー鳴いている。


「思い出したわーっ! ここは魔族の領地よーっ! しかも魔族の中でも格上とされる魔轟六将が立ちはだかる魔天城よーっ!!」

「なにーっ!?」


 ヤリオは驚いた。

 魔王勢力の他にも、まだ強敵となる魔族がいるのだ。世界はどれだけ広いのだろうか?


「今の私たちじゃ、きっと勝ち目はないわーっ」

「ウムーッ」


 汗タラタラのヤリオ。

 まだ対峙こそしないものの、立ち込める魔轟六将の威圧はビンビン感じ取れているからだ。

 六将いれば魔王四天王の一人を凌ぐ。

 それほどの実力者なのだ。


《フハハハハハーッ!! コソコソ通り過ぎろうとしたようだが、我らの目は節穴ではないーっ!》

「だ、だれだーっ!?」


 どこからか笑い声とともに響いてくる声に、ヤリオとセレティーンは戸惑う。

 周囲の森からバサバサとコウモリが飛び立ち、より一層緊張が走る。


《我ら魔天城へ入るがいいーっ! さもなくば、この迷いの森から一生抜け出せぬわーっ!》


 ヤリオとセレティーンは衝撃を受けた。

 いつまでたっても霧の森が終わらないなと思ったら、ぐるぐる惑わされて迷っていたという事実に……。

 つまり魔轟六将を全て倒さねば、脱出不可能という事。


「い、行くしかない!」

「ダメよ! 今の私たちじゃあーっ!」

「ウムーッ! 分かっている……。恐らく挑んでも「ギャアーッ!」と惨殺されるしかないだろう。だが、これを避けて魔王に勝てるというのか?」


 思わずセレティーンは息を飲んだ。

 当然である。魔王は魔轟六将など比べるまでもないほど圧倒的に強いと推測される。

 つまり、魔轟六将に勝てるだけの実力がなければ、魔王に勝てるなど夢のまた夢。


「行くっきゃないわねーっ!」

「ウム!」


 意を決して、丘から飛び降りて魔天城へ向かう事にした。



「ウムーッ! な、なんというデカい城なんだ……」


 見上げるほどに天高い漆黒の城。霧がまとわりついてて不気味さを醸し出している。

 コウモリもバサバサ飛び交っていた。


《フハハハハハーッ!! 逃げるかと思ったぞーっ! よかろう! では入るがいいーっ!》


 目の前の大きな扉がギギィと開かれて、ゴンと開ききった。

 ヤリオとセレティーンは息を飲んで入っていく。

 内部にも立ち込める霧の大広間へ入ると、後方で大きな扉がゴーンと勝手に閉まった。


「こ、これでは魔轟六将を倒さない限り出れないという事か……」

「ヤリオ! 覚悟を決めるしかないわーっ!」


 覚悟を決めた二人を歓迎するかのように、大広間を囲む壁のロウソクが一斉に火が付いた。

 そして上のベランダのような所で、フードをかぶった怪しい男が六人いた。フードの陰に隠れた顔は二つの輝きを見せている。

 キヒェッヒェッヒェッヒェッヒェッヒェ、と奇妙な笑い声を発している。


「あ、あいつらが、魔轟六将なのかーっ!?」

「いかにも!」


 先頭にいるフードの男がニヤリと笑む口を見せた。


「ム、ムウ! なんという威圧だ……!」

「それだけじゃない! 魔力も私を遥かに上回っているわーっ!」


 こいつらに勝てるのか……、戦慄するしかない。


「ようこそ魔天城へーっ!! そして、来たる客に説明せねばなーっ!」

「い、一体何が始まるんだ……?」


 先頭の男はビシッと上へ指さした。


「この魔天城は六階まである。一階ごとに我らが一人ずつ立ちはだかっている。最上階まで行くには我々を倒し続けなければならないーっ」

「そ……そんな無茶な……!?」

「ギヒェッヒェッヒェーッ! ならば一生迷いの森で暮らすのもいいかもなーっ!」

「それは困るーっ!」


「最上階にいる我がリーダーが、魔力で迷いの霧を発している。倒せねば朽ち果てるまで一生迷い続けるのみーっ」


 非情な現実を強いて、難関を突きつける冷酷な魔轟六将。

 そして突き放すかのようにフードをかぶった六人はフッと消えてしまった。恐らくそれぞれの階に移動したに違いない。


「こ、攻略するしかない……。この魔天城の六階を……」

「私たち二人でーっ!?」

「ウムー……ッ」


 ヤリオは厳しい現実に苦い顔だ。


「そうだと思ったぜーっ! やはり二人だけで行かすのは心許なかったようだなーっ!」


 後ろから声が聞こえて振り向くと、四人の頼もしい味方が駆けつけていた。


 無敵の聖剣パーフェクトを携えるゼロス!

 新たな聖剣を手に入れたらしい柴胡(サイコ)路州輝(ステル)

 かつて死闘を演じた吸血鬼レンゾーマ!

 そして、驚くべき魔王四天王の一人である悪魔騎士ガイア!


「フフフ! きさまらにはいいカッコをさせないぜーっ!」

「おまえに聖剣アブゾリュートを託したが、心配だったんで追いかけていたんだぜーっ!」

「雪辱を晴らす為に、きさまらを殺させるワケには行かんのでな」

「ガーッガガガガッ! 魔王軍を裏切る事になるが、それ以上にヤリオとセレティーンの絆に感激して協力してやろうと思ったまでーっ!」


 なんという天の助け。まさかかつて敵だった彼らが心強い仲間となったのだ。

 心細かった気持ちが、徐々に熱く沸き立っていく。


「ようしーっ! この魔天城を攻略してやるぜーっ!!」

「「「おおおーっ!!」」」

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