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12話「絆の力!! ヤリオの新たなる可能性!!」

 魔王幹部として四天王の悪魔騎士ガイアが、五大王国のリバィアマンへ単身攻め込んで騎士たちを葬り去っていった。

 そして移転者転生者なみの力を誇る騎士将軍アガニスが徹底抗戦するも、敗れ去る。


「ガッガッガッガーッ! そこの勇者よーっ! 我に挑むかーっ!?」


 なんとヤリオとセレティーンへ振り向き、挑発的に指さした。

 逃がしてくれる気配はない。

 足が震えるがヤリオは意を決して、聖剣アブゾリュートを引き抜いて槍に伸ばして構える。


「ほう!? 今度は本物の転生者かーっ!」


 セレティーンも一緒に杖で構え「こちらもよーっ!」と立ち向かう。

 ヤリオは駆け出して、なんでも斬れるという聖剣で突き刺す。それは見事にガイアの腹を穿つ。が、少しの刺し傷だけで、貫くに至らず……。


「バカなーっ!? なんでも斬れる聖剣アブゾリュートでも歯が立たんのかーっ!?」

「ガーッガッガッガ! きさまは勘違いしているようだな」

「なにっ!?」


 ガイアは回し蹴りでヤリオを吹き飛ばし、地面を滑べさせる。

 苦痛に耐えながら、なんとか起き上がるヤリオに、ガイアは不敵な笑みで指差す。


「魔力の存在を忘れたか!?」

「魔力!?」

「そう、聖剣の力も魔力で発動するもの。持ってるだけで効果を発揮すると思ってるのかーっ!」

「うぐっ!」


 まだ知らなかった事を指摘されて、言葉が詰まるヤリオ。汗がほおを伝う。

 ガイアは腹の刺し傷を指さす。


「我も全身に魔力を纏わせてバリアーの役目になっているのだーっ。同じ魔力同士の衝突では効果は発揮しきれまい! その聖剣も、我を前にただの武器と同じよ!」


 ヤリオは「ああ……」と絶句した……。

 なんでも切り裂く聖剣を槍と化して戦おうとも、ガイアを前にただの槍でしかない。

 これが魔王四天王とイチ勇者の絶対的な差。


「精霊の雲よ、我が力となる稲妻を与えよ」


 なんと立ち込めた暗雲から、落雷が降り注ぎ空中で球体を象っていく。

 セレティーンは飛び上がって、その雷球を次々と蹴り出す。ガイアは見上げる。


「くらえーっ!! サンダーステラーッ!!」


 蹴り出された雷球は、流星のような落雷の矢となって無数降り注ぐ。

 しかしガイアは両手をかざして魔力の障壁を築く。


「暗黒障壁波ーっ!!」


 無数の雷の矢を弾いてしまう。

 さすがは魔王四天王。攻撃力だけではなく守備力も相当なものだ。

 これではセレティーンがやられると、ヤリオは焦って後方から攻める。


「くらえーっ!! ストライクランサーッ!!」


 瞬発力を活かして、瞬足で聖剣の槍を突き出す。

 例え、ただの槍に成り下がったとて、ダメージを与えられるのは変わりがない。

 ガイアは振り向いて腕をかざして防ぐ。

 逆にヤリオの頭を掴み、高く飛び上がっていく。ガイアは伸ばしたツノでヤリオの両脇をはさんで、両手で頭と両足をクラッチし急降下。

 セレティーンは見開き「また、あの奥義を!?」と戦慄。


「グレイトホーン・クラッシュガイアーッ!!」


 ガガァン!! 巨体の重量が乗ったまま大地に叩きつけられてヤリオは「ゴハッ!」と吐血。

 先ほどのアガニスと二の舞だ……。


「精霊の火よ、我が手に業火を!」


 焦ったセレティーンは杖から火炎球を放ち、蹴り飛ばす。

 超高速で飛ぶ火炎球もガイアは腕を振るって弾いて、別の建物を爆破させた。

 こうなったらと、全身に魔力をまとってアストラルフォームで接近戦を挑む。光の両翼を羽ばたかせて、ガイアと激しい格闘戦を繰り出す。

 最初は善戦していたが、徐々にセレティーンは押されていく。


「肉体のみならず魔力の差も大きく開いている! 勝ち目はないぜーっ!!」


 ガイアは勝ち誇りながら、セレティーンを殴り飛ばして後方の神殿へ叩きつけた。破片が四散。

 それを見て憤怒とヤリオは立ち上がる。

 そんな不屈にガイアは「ほうまだ立つか! さすが転生者よ」とわずかながら認める。


「敵わないかもしれない……。だが、親友が託してくれた聖剣アブゾリュートで、先の道を行かねばならないんだーっ!」


 気力を振り絞って、聖剣を槍に伸ばす。

 ガイアは後ろへ飛んで間合いを離す。


「いくら伸ばそうが、しょせんは槍」

「なっ!? それでは届かないーっ!」


 ガイアは遠い間合いから、両手で灯らした暗黒の炎の塊を連続で放ち続けた。


「暗黒獄炎球ーっ!!」


 ヤリオは聖槍アブゾリュートを振り回して弾いていくしかない。

 連射される獄炎球に、防戦一方のヤリオは「ぐ……ぐぬぬっ……!」と苦痛に歪んでいく。

 体が痛む上に、劣勢に追い込まれて絶体絶命だからだ。


「ガーッガッガッガッガ!! ただ槍として柄を伸ばすだけ! それがきさまの限界よーっ!」


 ハッとした、ヤリオはどこか見落としていた事に気づいた。

 しかし、同じ魔力同士では例え届いたとて刺し貫けない。ただの槍で魔族に挑むなど無謀の極み。

 するとセレティーンが飛び込んできて、ヤリオの聖槍に手をそえた。


「精霊よ、我が仲間の聖槍に宿って光り輝かん!」


 なんと光飛礫が集まってきて聖槍を覆っていく。


「こ、これは!?」

「あなたの魔力と、私の魔力で二倍! これでヤツの魔力は破れる!」

「よーし! 行くぞ!! インフィニティ・ストライクランサーッ!!」


 見落としていた事を踏まえて、ヤリオは聖槍を突き出す。

 すると更に柄が伸びていってガイアの胸板を刺し貫いて「グギャアーッ!!」と血飛沫を舞わせて断末魔をあげさせた。


「ば、バカな……っ!?」

「オレが見落としていたのは、普通の槍と同じ長さに伸ばすと思い込んでいた事さ。だが、実は違ったんだ。更に伸ばす事もできる事を、おまえとの戦いで気づいたのだ。だから紙一重で勝てた」

「そうか……それが……我の敗因か……。さすが勇者よ……。ガハッ!」


 ヤリオの機転とセレティーンの絆により、ついに四天王の悪魔騎士ガイアを打ち破る事ができたのだーっ!

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