表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/15

ずっと一緒



 私が想いを確かめ合ったあの日からもう一年が経った。


「一年、一年かぁ」


 その過ぎた時を噛み締めるように言った。


「どうしましたセレス様」

「いや、リリ。もう私あの家から出て一年になるんだなって思ってさ」

「そうですねぇ、本当にあの家から出ることができてよかったです。私、セレス様の幸せそうな姿を見れて本当に嬉しいんですよ?」


 幸せそうな姿、きっとそれは今私が着ている純白のドレスのことを言っているんだろう。私は今日、正式に精霊王の妃をなる。愛し子として生まれた以上、それは避けられないこと。だけど、私はそんな強制的なものではなくしっかりと心からラーレさんを愛しているって言える。愛し子でなかったらラーレさんと会うことができなかったから、愛し子であることには後悔していない。



「セレス様完成致しました。すぐに陛下に見てもらいたいですね」

「ありがとう、リリ。……そうだね、早くラーレさんに見てもらいたい」


 姿見には、白いドレスを身に纏った私がいる。今までで一番綺麗、だと思う。自画自賛になってしまうけどね。でも、これほどまでに綺麗にしたててくれるリリを褒めるためにも自画自賛してもいいでしょう。


 ラーレさんはこの私の姿を見てどんなこと、思ってくれるかな。綺麗だって思ってくれるだろうか。可愛いって思ってくれるだろうか。



「きっと陛下も卒倒してしまうほど、セレス様は綺麗ですよ!式頑張ってきてくださいね!」

「うん、ありがとう、リリ。ずっと私が人間界にいる時から見守ってきてくれてありがとう。これからもよろしくね」


 ずっとお世話になってきているリリに感謝を。リリは、泣き始めてしまった。


「うわぁぁん。セレス様がお嫁にいっちゃうよぉ」

「あらあら、時々リリは子供っぽくなっちゃうよね。お嫁に行っちゃうって別にこれからも毎日会えるでしょう?」

「それはわかっているんですけど、なんかとても悲しくなってしまうんです」


 困った。どうやったら泣き止んでくれるだろうか。そう考えているうちにもう時間が来てしまった。号泣しているリリを後に私は式場の扉の前に向かった。



 そういえば一応、あの家にも式場の招待状を送ったけれど、返事はなかった。まぁそれでよかった。来ないで欲しかったから。


「新婦の入場です」


 音楽が鳴り始めその合図がなった。重い扉がゆっくりと開かれる。私は歩き始めた。式場から明かりが差し込み、眩しい景色の向こうには私の大切な人の姿があった。


「セレス」

「ラーレさん」


 隣まで行って私たちは小声で名を呼び合った。


 精霊界にも神父さんはいるらしく、誓いの言葉を述べるみたいだ。


「新婦セレスさん、ラーレを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「はい、誓います」

「新郎ラーレさん、セレスを妻とし健やかなるときも、病めるときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「はい、誓います」

「では、誓いのキスを」

 

「セレス、とても綺麗だよ」

「ありがとうございます、ラーレさん。ラーレさんこそとても素敵ですよ」


 ラーレさんは私のヴェールをあげた。私は、ラーレさんの顔を見上げる。


 想いを確かめ合ったあの日から、何度もかわしてきたものだけど今初めてしたときかのように緊張する。私の頬にラーレさんが手を当てて顔をぐいっとさせられる。


「愛しています」


 そうして何度目かのキス、だけど初めてのようなものが交わされた。





 きっとこれからも王妃としていろんな困難が待ち受けているだろう。だけど、この人とであれば乗り越えられる。そう信じて私はこれから歩み続ける。一番愛おしくとても大切なあなたと共に。


  

「これから、ずっと一緒ですからね」

「私もあなたのこと、離すつもりなどないですから」



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ