表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テオ

作者: アーヤ

 もうちょっとで卒業式。

 嬉しいのか悲しいのかよく分からない日々を過ごしてます。でも、卒アルを見れるのは楽しみ!


 三年間最後のHR。ババ抜きして、先生が原稿用紙を印刷した紙を配った。隅には「好きな言葉」と「クラスに一言」だってさ。それを一人ずつ読め、ってことらしい。


 好きな言葉、考えに考えた結果「夢が夢じゃないこと証明しないといけない」になりました。でも、一言なんて思いつかなかった。特別仲いい子もいないし……。


 そんな時、思い出した。卒業文集の発表会、一人ずつ前に読むのって、休んでたから言ってないなって。


 だから、その代わりを言おうと思った。でも、文集に書いたの全部思い出して読むのじゃつまんない。


 三年間のハイライトを作ることにした。


 一年の時、部活でいじめられた。別にいじめられたって構わなかった。「いじめなんて勝手にしとけ」とは思っていたけど、それが堂々とできない状況にいるからこそ、苦しかったな。当時は希死念慮の時代到来だったけど、退部した瞬間思った。


 何にもしていない私が、何で一人で苦しんで、何で死ななきゃいけない?  


 ――リベンジをするんだ!


 「リベンジ」って、日本では「リトライ」みたいな意味も含んでるけど、本来の英語の「Revenge」では「復讐、報復」っていう意味だ。


 でも、アイツらをいじめ返すのはカッコ悪い。アイツらが色々としてきたように、いくらでもいじめようと思えばできるけど。そんなことしたら、私もアイツらと一緒だ。成り下がってたまるか。


 ――アイツらにいじめられた分だけ、好きなもので幸せになる。好きなもので笑ってやるんだ。


「私は中一の時にいじめられました。あ、別に『勝手にいじめとけ』って思っていたんで、良かったんですけどね。でも、そこで負けるのは嫌だった。だから、好きなもので夢つかんで見返すために頑張るので、みんなも頑張ってください」


 みんなは「好きな言葉」が思いつかないから、代わりに好きなものを言って、クラスに一言では「ありがとうございました」という中、私は「発表会の時に言えなかったので、卒業文集の内容とは全然違うけど、今言います」と前置きをして、クラス全員の前で言いました。


 あの拍手の音、一生忘れない! 普段はこんなに外れたことしないけど、こういう時の私の度胸って本当にすごいなって思う。多分、絶対に言わないといけないって思っていたんだと思う。みんなの前でこんなこと言える人、きっと少ないぜ。


 今になって言えるんだ。何の邪魔もなく、真っ直ぐと。


 ――成り下がらずに生きてくれ! 未来の貴方!

最後まで読んでくださりありがとうございます。

鳴り上がれ!

貴方の心のBPM!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] アーヤ様、カッコいい!! いじめなんて“やってる側”はその瞬間が楽しいからやってるだけで、こちらが傷を抱えても奴らは“必ず”すぐに忘れるのです。 同じ場所から同じ方向を向いても、見ている…
[一言] 受け止めて 自分の在り様を見つめ返して 前を向く うまく言葉に出来ませんが とても眩しい姿に心うたれました。 成り下がらずに生きる 素敵な言葉だと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ