テオ
もうちょっとで卒業式。
嬉しいのか悲しいのかよく分からない日々を過ごしてます。でも、卒アルを見れるのは楽しみ!
三年間最後のHR。ババ抜きして、先生が原稿用紙を印刷した紙を配った。隅には「好きな言葉」と「クラスに一言」だってさ。それを一人ずつ読め、ってことらしい。
好きな言葉、考えに考えた結果「夢が夢じゃないこと証明しないといけない」になりました。でも、一言なんて思いつかなかった。特別仲いい子もいないし……。
そんな時、思い出した。卒業文集の発表会、一人ずつ前に読むのって、休んでたから言ってないなって。
だから、その代わりを言おうと思った。でも、文集に書いたの全部思い出して読むのじゃつまんない。
三年間のハイライトを作ることにした。
一年の時、部活でいじめられた。別にいじめられたって構わなかった。「いじめなんて勝手にしとけ」とは思っていたけど、それが堂々とできない状況にいるからこそ、苦しかったな。当時は希死念慮の時代到来だったけど、退部した瞬間思った。
何にもしていない私が、何で一人で苦しんで、何で死ななきゃいけない?
――リベンジをするんだ!
「リベンジ」って、日本では「リトライ」みたいな意味も含んでるけど、本来の英語の「Revenge」では「復讐、報復」っていう意味だ。
でも、アイツらをいじめ返すのはカッコ悪い。アイツらが色々としてきたように、いくらでもいじめようと思えばできるけど。そんなことしたら、私もアイツらと一緒だ。成り下がってたまるか。
――アイツらにいじめられた分だけ、好きなもので幸せになる。好きなもので笑ってやるんだ。
「私は中一の時にいじめられました。あ、別に『勝手にいじめとけ』って思っていたんで、良かったんですけどね。でも、そこで負けるのは嫌だった。だから、好きなもので夢つかんで見返すために頑張るので、みんなも頑張ってください」
みんなは「好きな言葉」が思いつかないから、代わりに好きなものを言って、クラスに一言では「ありがとうございました」という中、私は「発表会の時に言えなかったので、卒業文集の内容とは全然違うけど、今言います」と前置きをして、クラス全員の前で言いました。
あの拍手の音、一生忘れない! 普段はこんなに外れたことしないけど、こういう時の私の度胸って本当にすごいなって思う。多分、絶対に言わないといけないって思っていたんだと思う。みんなの前でこんなこと言える人、きっと少ないぜ。
今になって言えるんだ。何の邪魔もなく、真っ直ぐと。
――成り下がらずに生きてくれ! 未来の貴方!
最後まで読んでくださりありがとうございます。
鳴り上がれ!
貴方の心のBPM!