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卒業パーティーで断罪なんて、小説の読みすぎですよ

「アメリア貴様!何様のつもりだ!!我が愛しのエリーを傷つけ、蔑ろにし、その上命まで奪うつもりか!!」


「デュオドルド殿下!わたくしなら平気です…」


卒業パーティーも終盤に差し掛かった頃、この国の第三王子デュオドルドと、男爵令嬢エリーの芝居が始まった。

この卒業パーティーはただの学生の卒業パーティーとは違い、歴とした貴族の卒業パーティーで、なんなら今回この国の王子、またその婚約者の卒業パーティーなので、国内外の著名人、国来賓が集まりいつもより華やかかつ厳重なパーティーになった。


そんな大変大変重要なパーティーに始まった三文芝居。

第三王子なだけあって三が好きなのだろうか?

そう言えば、学力も三位だったわね。

わたくしは首席ですけど。


「何の事をおっしゃっておいでなのか、わたくしにはわかりません。」


持っていた扇子で口元を隠すが、目まで隠せない。

呆れ気味にため息をつきながら、残念さをミジンコも隠さないわたくしのお目目は素直すぎて困ったものですわね笑


でも、わたくしだけでなくデュオドルド様のお父上とお母上も呆れてため息さえ隠さず頭を抱えているところをみれば、わたくしは隠したほうじゃありませんか?


「ふん、しらばっくれるのも今日までだ!貴様は只今を持って処刑なのだからな!!」


そんなご両親に気付かずフハハハハ!と高らかに笑いながら話すデュオドルド様の元に金魚の糞…ゲフン側近の騎士ギードと伯爵子息三男ゲルトがヌッと現れ紙の束をわたくしの足元に投げた。


「それは貴様がエリーに行った数々の調査票だ!」


わたくしの側近ギルベルトがそれを拾い上げ速読してはあーと大きなため息を隠す事なく吐き、わたくしを見る。


「一応聞きますが…ご覧になりますか?」


「ええ是非」


満面の笑みで書類を受け取り、パラパラ捲る。

捲ると言ってもたかが五枚程の調査票。

しかも長ったらしい文がづらづら並び読みにくい。

結局何が言いたいかを纏めると…


一、日常的にエリー令嬢に嫌がらせをしていた。

一、他の令嬢を使いエリー令嬢をぼっちにした。

一、エリー令嬢の私物を壊した。

一、エリー令嬢を学園の池に落として殺害しようとした。

一、エリー令嬢を階段から突き落とし殺害しようとした。


五行で終わってしまいましたわ。


調査票を読み肩を震わせるわたくしを見て、フンと勝ち誇ったように笑うデュオドルド様とエリー令嬢。

そしてデュオドルドの金魚の糞達も何故か上から目線で声を上げた。


「エリー様の証言を元に学園内で聞き込み調査し作成した。」


「言い逃れは出来んぞアメリア嬢!!」


「そうですか…」


ワザと弱々しく答えれば更に奴らの調子は上がり、キャンキャンと吠え出す。


「では、わたくしからも調査報告書がございます。」


パチンと指を鳴らせば、ギルが大きな台車に積まれた紙の束を持ってきた。

天井近くにまで積み上がった紙束がパンパンに乗った台車を五台。

そして我が国で貴重とされる映像投影玉三つ。


「こちら、わたくしがこの国に来てから六年分のデュオドルド様の調査報告書でございます。またこれだけでは嘘と言われてしまいますので、映像としてもばっちり記録しておりますの。」


10歳でこの国に婚約者として渡り、早6年。

本当に…ほんとーーーーーに色んな事がございました。

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