第七篇 仁義なき戦い
空き家の前でも栗鼠山さんはクルミを割り続けていました。栗鼠山さんはクルミを自分から見て右側に溜めています。右側には割れたクルミが山積みに。しかし、それを食べるものが……。栗鼠山さんはまだ気づいていません。クルミがみるみる減っていきます。栗鼠山さんがふと割れたクルミを右に置きかけたとき、手を止めました。すると、持っていたクルミが盗られ、初めて気づいた栗鼠山さん。振り向くと……、そこにはウサギが。雌の兎、ジャンピングヘア・ウサハラさんです。……変わった名前が多いですね。
宇佐原さんの存在を確認した栗鼠山さんはまたクルミを割り始め、今度は左側に溜め始めました。しかし、また手を止めると、持っていたクルミがまた奪われました。振り向くと、また兎が。雄の兎、ジャンピングヘア・ウサカワさんです。宇佐川さんと宇佐原さんの関係はわかりませんが、栗鼠山さんが溜めていたクルミを奪ったのは事実です。存在を確認した栗鼠山さんは、クルミを目の前に溜め始めました。
すると、そのクルミを熊沢さんが、パクッ……。食べました。栗鼠山さんは自棄になり、割ったクルミをそのまま口に含み、口の中で溜めます。そして、そのままいただきました。
茶番はそのくらいにして、話を進めます。紅ずきんとお父さんが空き家から出てきました。
「狸よ、魔女の丘まで運転を頼む」
と、お父さんが言いましたが、熊沢さんは熊です。狸ではありません。
熊沢さんの運転で、目指すは魔女の丘と呼ばれる、魔女邸がある不気味な丘。
その道中に……、
軽トラックを止めた熊沢さん。なぜなら、目の前に軽トラックの高さより低い隧道が……。
紅ずきんは楽々通れ、栗鼠山さんは言わずともわかりますね。お父さんは屈んで隧道をくぐります。問題は、熊沢さんです。熊沢さんの体格的に、ギリギリ通れるか通れないかがはっきりとわかりません。あと、今更ですが熊沢は2足歩行です。
「くまたん、通れないよ~」
「くまたん!?」
熊沢さんはさすがに、紅ずきんが熊沢さんのことをくまたんと呼んだのことに驚いたようです。熊沢さん、ちゃんと呼んでもらえませんね……。
「狸は山越えだな」
お父さんは軽トラックのキーを外しました。だから、熊ですってば。
「くまたんもおいでよ!」
「……お嬢ちゃん、また後でね」
熊沢さんは、手を振りました。そして、1度別れることになりました。
隧道の中は暗く、お父さんの懐中電灯だけが頼りです。
国境の長い(以下、略)。残念ながら、隧道は某県には繋がってはいませんでした。まぁ、当たり前ですがね……。それに、国境でもありません。
空は暗く、枯れた木々が不気味に出迎えます。
草木が全く生えていない山……。その山頂に、いかにも魔女がいますよと言わんばかりの屋敷が……。
「魔女とジジィはここにいるのか……」
お父さんは、猟銃を持ち直して、屋敷に向かいます。その後を、紅ずきんが駆け足で、栗鼠山さんはクルミを割りながら、後に続きます。
To be continued…




