第六篇 捜索
冷蔵庫の中からワインを取り出し、自棄になるお父さん……。自棄酒ですか……。って、飲酒運転になりますよ! 運転しないで下さいね!
熊沢さんは、みたらし団子が気に入った御様子で、探しています。無いのがわかっていても……。
すると、外からものすごい速さの間隔でガガガガガという音が! 熊沢さんとお父さんが外に出てみると、1匹のリスがいました。しかも、クルミをものすごい速さで地面や石、木に当てています、というよりも叩きつけています。おそらくというか、多分というか、十中八九、クルミを割ろうとしているのでしょう。それを見た熊沢さんが、
「教官!!」
と叫ぶと、リスはクルミを割るのを止めました。コンマ5秒だけど……
「教官?」
お父さんが聞きました。すると、熊沢さんは
「自動車学校の時に、この方が私の教官だったのです」
まず、ここで最低2つおかしいことが……、リスが教官って、務まるのでしょうか? そして、熊沢さんはバイクだけでなく、車も運転できるのですか……。
「教官、小さな女の子を見かけませんでしたか?」
熊沢さんが聞くと、クルミクラッシャー・リスヤマさん……長いので、栗鼠山さんはくるみを割りながら、顎で西を指しました。
「西に行ったのですね」
今度は逆で、熊沢さんが運転席に。お父さんが荷台に。
「免許証、持っているのか?」
お父さんが聞くと、熊沢さんが運転免許証を見せてくれました。
「ゴールド免許じゃないか!!」
お父さんには程遠い、ゴールド免許です。しかも、普通車だけではなく、大型車などもいくつか取得しています。
さぁ、熊沢さんが速度を上げながらも、安全運転で走行します。軽トラックの運転席の屋根は熊沢さんには小さすぎて、箱に無理矢理押し込められた人形のようです。助手席には栗鼠山が小さなシートベルトをして、カーナビの役割を果たします。道中には、行く手を阻止する獣たちが……。それらは、お父さんが荷台から麻酔銃を撃って眠らせます。
腕時計型ではないですよ。猟銃です。
ふもとに下りると、1軒の家がありました。ここは空き家で、誰も住んでいません。しかし、灯が……。
不審に思ったお父さんが、家の中へ。(不法侵入……)
すると、中にいたのは……
「おぉ! よかった、無事だったのか!」
お父さんが紅ずきんを発見。紅ずきんは、何の番組かは分かりませんが、テレビをつけて見ています。右上に何か書いてあります。おそらく、”アナログ”と書いてあるのでしょう……。お馴染みの鹿がCM出演しています。それに、お祖父さんの話で、地デジは見えないとか言っていたので、妥当だと思います。
「お父さん!」
涙の再会か?
「何でここにいるの?」
……。聞きたがり屋のようです。
「何で? って……、狸が……」
お父さん、狸って……熊沢さんはれっきとした熊ですよ、一応。
「それより、ジジィは?」
「お祖父ちゃんなら、魔女の家に行ったよ」
と、紅ずきんが答えましたが……、魔女の家ですか?
To be continued…