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紅頭巾Ⅰ  作者: サッソウ
3/11

第三篇 隙なき質問の嵐

 本当に夜になってしまいました。紅ずきん……、あれ? 紅ずきんのトレードマークである紅色の頭巾をしていないではありませんか! これでは、紅ずきんはただの人です。一体、どこでなくしたのでしょうか……。

 紅色の頭巾をかぶっていない紅ずきんは……って、ややこしいですね、仕方がありません、かぶっていませんが、そのまま紅ずきんでいきます。紅ずきんは、お祖母ちゃんの家のドアをノックしまし……

 ガチャガチャ……ガチャン

 ……。紅ずきんの将来が心配です!!

 さて、ドアの(じょう)を勝手に外した悪い紅ずきんは、挨拶もせずに入りました。(皆はしないようにね。) こんなところをお母さんに見られたら、紅ずきんは声も出ないくらい脅され……、いえ、怒られるでしょう。って、お母さんどんなキャラですか。

 紅ずきんは(かご)をテーブルの上に置いて、お祖母ちゃんがいる寝室に行きました。お祖母ちゃん、悪い紅ずきんをせめて叱って……。

「お祖母ちゃん」

「誰かな?」

 叱る気配なし……。

「……」

 紅ずきんがお祖母ちゃんの異変に気づいたのでしょうか? これは明らかに……

「お祖母ちゃん、日に焼けたの?」

 ……。紅ずきんは天然です。どう考えても、狼にしか見えないのですが……。

「そうよ。いつもは外にいるからね」

「ところで、どうしてお祖母ちゃんの家は、1K(ケー)なの?」

 紅ずきんよ、それを聞いてどうする!? というよりも、1Kは狭すぎませんか。ワンルームキッチンって……。

「お祖母ちゃんの家はね、ハンドメイドなのよ」

 狼よ、なぜ答える……。って、また摩訶不思議(まかふしぎ)……なぜしゃべれるのだ? ハンドメイドということは手作りの家。それとも、オーダーメイドの間違いでしょうか?

紅ずきんの質問は続きます。

「どうしてお祖母ちゃんは、お祖母ちゃんなの?」

 もう何がなんだか……。

「あなたが私の孫だからよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、テレビを見ないの?」

 しばらくそのままにしておきます……。

「この辺りは地デジ放送の電波が受信できないからよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、こんな山奥に住んでいるの?」

「動物たちと(たわむ)れるためよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、寝ているの?」

「寝たいから寝ているのよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、そんなに鼻が高いの?」

「蜂に刺されたからよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、蜂に刺されたけど病院に行かないの?」

「お医者さんが毎日来てくれるからよ」

「どうしてお祖母ちゃんは、そんな目をしているの?」

「そんな目をしているからそんな目なのよ」

 ……、意味がわからない。そろそろ話を進めてください。

「どうしてお祖母ちゃんは、狼なの?」

「さぁ~」

 何か、今さらりとものすごい質問をした気が……。

「どうしてお祖母ちゃんは、耳が若干大きいの?」

「盗聴器を付けているからよ」

 それを言うなら補聴器でしょ。なぜ盗聴器を付ける。


 永遠と続くので省略……


「どうしてお祖母ちゃんは、そんな手なの?」

「手術ミスで」

 どんな手術ですか。

「どうしてお祖母ちゃんは、大きなお口をしているの?」

 すると、というよりやっとこの質問がきて、狼は布団を蹴り上げると、

「お前を食べるためだ!!」

 危ない!! 紅ずきん!!

「お祖父ちゃん!!」

 ……えぇっ!!??? 衝撃のカミングアウト。


To be continued…

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