7話目 ~名付けイベント~
初めての仲間が出来ました。
仲間が出来たのはいいけどそういえば依頼の途中なんだよな。
さっさとワイルド・ボア狩って帰るか。
「えーっと・・・なんて呼んだらいいんだ?」
「あー・・・好きに呼んでくれていいぜ」
ふむ、名付けイベントですか。
うーん・・・
猫耳だしミミでいっか。
「じゃあ次からミミって呼ぶか」
「ミミか。 いい名前だな」
こんな安直な名前でいいのか・・・
ま、とりあえずボア狩って帰ろう。
「よし、じゃあ帰るか」
「そうだな・・・」
うん? なんか戸惑ってる?
・・・そうか、そう言えばミミってここに住んでたんだったな。
「あー、ミミはどうする? 嫌なら着いてこなくてもいいが・・・」
「いや、この家に未練があるわけじゃないからついて行くぜ。 ただ、荷物まとめる時間をちょっとだけくれると嬉しい」
「あぁ、その位は待つよ」
そう言うとミミは別の部屋の行き、それほど多くもない荷物を抱えて戻ってきた。
「すまねぇ、待たせたな」
「それほど待ってねぇよ。 というか荷物それだけしかないのか?」
「あぁ。 別に大事なものとかもないしな」
まあ、ミミがいいのなら別にいいんだけどな。よし、帰ろう・・・じゃねぇボア狩らなきゃ!
「あー、帰る前にちょっといいか?」
「なんだ?」
「いや、そう言えば俺クエスト受けてる途中なんだよな。 だからワイルド・ボア狩っていかないと」
「ふーん? あと何匹狩らなきゃいけないんだ?」
「あと1匹でいいからすぐ終わるよだろうよ」
ん?ミミが黙りこくってなんか探してる?あ、なんか見つけたっぽい。さっきから尻尾丸見えだから感情モロバレだなぁ。
「あと1匹ならこれ持っていけよ」
そう言ってミミはボアの皮を1枚取り出した。
「いいのか?」
「あぁ、私たち仲間なんだろ?」
「そうか。 ありがとな」
よし、これでやっと帰れるな。さっさと帰ろう。
俺たちは街に向けて歩き始めた。途中に何かあるわけでもなく、暗くなる前にはたどり着くことが出来た。
「とりあえずギルド行くか」
ということでギルドに報告に向かいますか。
「すいませーん。 クエスト報告お願いしまーす」
「はい!お帰りなさいませ!」
「ワイルド・ボア討伐の報告なんですけど・・・」
「はい!では討伐の証明部位をお渡し頂けますか?」
俺は受付の隣にあるクエスト報告のカウンターにボアの皮を10枚置いた。
「1、2、3・・・はい、10枚確認しました!他には買取素材などはありますか?」
あ、ここで買取もしてくれるのか。じゃあ全部出すか。
「えっとじゃあこれを」
「はい、確認しますね!」
あ、受付嬢さん固まった。お、プルプルし始めた。
「えっと・・・どこかで盗んできたとかじゃ・・・ないですよね?」
「いや、そんなことしないですよ」
うわぁ、受付嬢さんの目が死んだよ。ついに黙々と作業し始めちゃったよ。
「さて、宿屋向かうか」
ミミにはいつも使ってる外套を着てもらい、俺たちは宿屋へと向かっていった。
「ただいまー」
「あ、おかえりー。 依頼受けてきたの?」
「あー・・・、まあな」
「ん? どしたの?」
「いや、なんでもない」
「ふーん?」
するとフレアは
「あれ? その子は・・・?」
「あ、いや、その・・・」
俺がしどろもどろになりながら受け答えをしていると、ふとミミが外套のフードを取った。
「私はこの方の奴隷です」
・・・え?
「え、いや、奴隷なんかじゃ・・・」
するとミミは、お前は黙ってろと目で訴えてきた。
「へぇ、奴隷なんて買ったんだ?」
「・・・あ、あぁ」
「まぁ、奴隷の分の料金は貰うけどいい?」
な、なんかちょっと怒ってないか、あれ。
「お、おぉもちろんだ」
俺はフレアに追加の金を渡して部屋へと戻って行った。
「はぁ・・・これからどうするかな・・・」
「どうする・ ・・か」
「というかミミ。 奴隷だなんて言ってよかったのか?」
「・・・あそこはああ言うとが1番だろ」
「そうだけど・・・」
「だから、いいんだよ」
「・・・いや、やっぱダメだ。」
「は?」
「ちょっとフレアのとこ行って本当のこと言ってくる」
「え!? いや、ちょっと待てって・・・!」
後ろで何か言ってるのが聞こえたが、俺はフロントに向かって駆けていった。
「なぁフレア! フレアいるか!」
「はいはい、どうしたの?」
「さっきの奴隷を買ったって話、あれ嘘なんだ。」
「・・・はぁ?」
「いや、さっきの子なんだが・・・」
「おい! ちょっと待て!」
やべっ、ミミが来たっ
「私はこの人の奴隷だ!」
「いやいや、ちょっと待って。 結局奴隷なの? 奴隷じゃないの?」
「「『奴隷』だ!」じゃない!」
「・・・まぁいいわ。あと少しで仕事終わるからその後で聞くわ」
そして数十分後
「・・・で? どういうこと?」
「えっと、まずこいつはミミ。 依頼の途中で出会ったんだ」
「へぇ」
「森の中で討伐依頼をやってる時に山小屋があって・・・」
こんな感じで、俺はフレアにミミとの出会いを1から説明していった。
「ふーん。 そんなことがあったんだ」
「・・・信じてくれるのか?」
「まあ、信じるも何も奴隷じゃないことは分かってたし、その話も本当っぽいしね」
あれ、奴隷じゃないって知ってたのか?
「あ、なんで奴隷じゃないって知ってたのかみたいな顔してる」
なぜバレた。
「はぁ。 奴隷ってのはね、本来首に奴隷契約の紋章があるの。 でもあの子にはそれが見えなかった」
「なるほど・・・」
「えっと、じゃああの時怒ってたのは・・・」
「怒ってなんてないわよ。 ちょっと怪しんでただけ」
あぁ、なるほど・・・
「じゃあ、別に奴隷に対して怒ってたわけじゃないんだよな?」
「うん」
「そっか」
「・・・夜も遅いし、寝たら?」
「・・・それもそうだな」
まあ、誤解が解けてよかった
そして俺は部屋に戻り、眠りについた。
そして夜も更け朝日が昇ってきた時、ギルドの方からけたたましい音の鐘の音が聞こえてきた。
「なんだなんだ!?」
俺はその音に驚いて飛び起きた。
いつも通りの激遅投稿である
次は多少早い...かもしれない