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たった一つの能力で成り上がる俺の冒険譚  作者: 風葉 希子
異世界転生
6/7

6話目 ~盗人の正体~

何か手頃な依頼ねぇかな・・・。

お、これとか良さげだな


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《ワイルド・ボア討伐》推奨ランク:C


クリア条件:街の近くの森でワイルド・ボアを10頭以上討伐

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ワイルド・ボアか・・・、多分イノシシ的なやつなんだろうな。

とりあえずこれ受けてみるか。

「すいません、この依頼受けたいんですが」

「あっ、はい! ワイルド・ボアですね!」

依頼を受けた俺は、とりあえず街を出た。

適当にぶらついていると、数匹のボアの群れを見つけた。

「そういえば、この剣で戦うのって初めてだな」

ボソッと呟きながら、俺はボアの群れをサクッと討伐した。

「・・・なんだこれ。 切れ味良すぎだろ。 ほとんど切ってる感覚なかったぞ・・・」

切る時の抵抗はほぼ無く、空振りでもしているのではと勘違いする程だった。

「まあ、とりあえずドロップ品でも集めようかな。・・・あれ、なんか少ない?」

集めてみると、

ボアの皮×9 ボアの肉×10 ボアの牙×9

だった。

「群れの数見た時15匹位はいたと思ったんだがな・・・。戦ってるうちに何匹か逃げたのか? 確か証明部位として皮がいるはずだったからあと1匹倒さなきゃいけないのか」

ふむ、こんな所でも妖怪一足りないは仕事してるのか。お仕事お疲れ様です。

「あと1匹探すかぁ」

探し始めたは良いものの、なかなかあと1匹が、見つからなかった。

どこかにいないかと探しながら歩いていると、小さな小屋を見つけた。

「小屋? なんでこんな所に・・・?」

廃墟なのかと思って、ドアに手を掛けると鍵はついていないようだった。

「中は割と生活感あるなぁ。しかもさっきまで人が住んでたようだな」

小屋の中を見て回っていると、入口の方でドアの開く音が聞こえた。

「やばい! 逃げ・・・」られなかったようだ。

入口の方にそっと振り返ってみるとギルドに行く道で俺の財布をスった女の子がいた。

「なんで・・・、なんであんたがここにいるの!?」

ごめんなさい、悪気はなかったんです。


《事情説明中》


「ふーん、廃墟だと勘違いしたと・・・」

「悪気はなかったんだ。 本当にすまなかった・・・」

「いや、そんなに謝らないでくれ。 廃墟に見えるってのは自覚してるからさ。

(スったのも悪いとも思ってるし・・・)」

「そ、そうなのか」

なんかボソッと聞こえた気がするが気の所為だろう。そんなことより、一時はどうなることかと思ったがどうやら許されたらしい。

「そういえば、家の中なのにフード脱がないのか?」

「いや、あの、これは・・・」

「あ、いや、何か事情があるなら別にいいんだが・・・」

なんて話をしていると、女の子はおもむろにフードを脱ぎ始めた。

そこから現れたのは・・・猫耳だった。

毛で覆われてモッフモフなケモ耳だった。

しかしよく見ると、女の子のケモ耳は微かに震えていた。

「なあ、何にそんなに怯えてるんだ?」

「何でって・・・、あんたなんでこれをみて軽蔑しないのか?」

はて、どこに軽蔑することがあるのだろうか?

「いや、普通はこの耳を見たら、ゴミでも見るような目で見られるんだけど・・・」

ふむ、この世界は獣人差別があるのか。

こんな可愛い生き物を差別するとか頭沸いてんのか?

「なんかお前が、軽蔑されるのを覚悟で打ち明けてくれたみたいだから俺も言うけど、俺異世界から来たんだよね」

「・・・は?」

あ、なんか固まってる。

そう言えばこの世界に転生したの俺含め二人しかいないんだっけ。

「・・・いやいや、そんなワケ・・・。 ホントに?」

「マジでマジで」

あっ、これ信じてないな。どうやったら信じてもらえるだろうか?

「なぁ、どうやったら異世界人だって信じてもらえるんだ?」

「・・・祝福ギフトを持っているとか?」

「祝福?」

「あんたはココロって子を知ってるか?」

「あぁ、俺と同じ異世界から来たっていう」

「そう、その子が祝福と呼ばれる能力を持って現れたんだ。 あの子の祝福は確か・・・3つくらいあったような・・・」

そんなにあんのかよ・・・俺1つしか貰った記憶ないんだけど・・・その上なんの能力か知らないし・・・

「えっとたしか、剣聖と神速と怪力だったかな・・・?」

「何その化け物」

しまった。つい声に出てしまった。

「だよな。 ほんとに化け物だと思うよ。 世界最強と名高いスカイ様を一撃で倒したんだからな・・・」

「スカイ様?」

初めて聞く名前だな。

「あぁ、異世界から来てるからスカイ様のこと知らないのか」

「あぁ。 スカイ様ってどんなやつなんだ?」

女の子の説明曰く、スカイとは公爵家の息子でありながら騎士の腕を買われ、上級騎士に成り上がった凄いやつらしい。その上見た目もカッコイイのだとか。

なんだその完璧超人。爆ぜ・・・ゲフンゲフン。

「そう言えばお前の名前聞いてなかったな。 なんて名前なんだ?」

「名前・・・? そんなものないぞ?」

「・・・は?」

え?名前がないってどういうことだ?

「いや、私は元々獣人奴隷として生きてたんだ。 何ヶ所か転々としてきたけど私が仕えた所は全部破産したり、取り潰しになったりしたんだ。 そのせいで疫病神扱いを受けて殺されそうになったところを命からがら逃げてきてここに住んでるんだ。 奴隷だった時も名前なんて付けてもらえなかったしな」

「・・・大変だったんだな」

お互いに気まずくなり暫く無言の時間が続いた。

「・・・なあ、お前、戦闘は得意か?」

「まあ、多少なりは」

「じゃあさ、俺の仲間にならねぇ?」

「・・・え?」

・・・・・・

「本気で言ってるのか?」

もちろん と首を縦にふる。

「私獣人だぜ?」

そんなの気にしねぇ。なんなら獣人最高だ。

「お前から金も盗んでるんだぜ?」

もう気にしてねぇよ。話聞いてたらそのぐらいやっても仕方ないんじゃないかとも思えるし。

「私なんかが仲間になっていいのか・・・?」

「・・・あぁ。 もちろんだ。 それで、仲間になってくれるのか?」

数秒の沈黙・・・

「私なんかでいいなら・・・仲間に・・・して下さい」

「ああ! ようこそ俺のパーティへ!」

俺は目の前の獣人の女の子と何故か笑いだした。

「「アハハハハ・・・!」」


そんなこんなで仲間が増えました。


いつも通りの更新の遅さです。

…次もできるだけ早くできるよう頑張ります。

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