3話目 ~初めての戦闘~
「・・・幸運石の能力は、運の高さに応じて攻撃力が変わるっていう能力なんです」
まじか・・・、それだったら俺相当やばいことになりそうだな。
てか、幸運値バグってるけど、その場合攻撃力どうなるんだろ。
「正確には、元の攻撃力にプラスされるって感じなんですよね」
うーん、考えても仕方ないし、とりあえずこれ買うか。
「えっと、じゃあこの剣下さい」
「はい・・・本当にこれでいいんですね?」
俺がうなずくと店員さんは店の方に戻り、紙に値段を書いて持ってきた。
どれどれ、値段は・・・?
た、たけぇ。1万ソルとか、高すぎだろ。
そう思っていると、店員さんが
「高いですよねー、使い道なんてほとんどないのに。まあでも、一応希少石なので・・・」
エスパーかよ。・・・じゃなくて、まあ、それもそうか。一応だけど希少石っていうくらいだしな・・・。どうしよう、金たりねぇ。ちょっと稼げるところとかないかな・・・? そう思い、定員さんに尋ねてみると。
「えっとですね・・・。あ、東の森とかなら大丈夫だと思いますよー。あそこのモンスターは初心者でも簡単に倒せるだけでなく、ドロップ率も高くておいしい狩場なんですよねー」
東の森か。さっきギルドのお姉さんに地図もらったし確認しようかな。・・・案外近いしちょっと行ってくるか。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
「はい。頑張って稼いできてくださいね!」
俺は、軽くうなずきつつ店を後にした。
さて、東の森に向かうか、といった矢先に面白いものを見つけた。道の端っこで子供たちが集まっていた。何かと思いのぞいてみると、そこでは日本の紙芝居のようなものをやっていた。
内容は、転生してきたっていう女の子の英雄譚的なものだった。意外と面白かったな。
さて、そんなことを考えているうちに東の森の入り口付近に着いた。
「今、昼間のはずなんだけどなぁ・・・。薄暗い・・・」
しかし、薄暗いとはいえ木々の間からの木漏れ日でまちまちに光っていた。
そんな中、森を散策していると茂みから一角兎が顔を出した。しかも五匹くらい。
いや、初めての戦闘にしては多くないか?とか何とか思いつつも、俺の人生初めての戦闘が幕を開けた・・・
数分後・・・
痛ってぇ・・・。角がすげえ痛てぇ。かわいい見た目して、角で刺してくるっていうね。まぁ、当たり前なんだけど。それしか攻撃手段なさそうだし。
言葉の通り満身創痍で俺はギルドに向かっていた。一角兎のドロップアイテムを換金するためだ。ドロップしたものはというと、一角兎の肉×8、一角兎の角×5、一角兎の皮×6それと、金貨が四枚ほど落ちていた。金貨って確か一枚で5千ソルだった気がするんだけど・・・。これが普通なのか?ギルドの人に聞いてみるか。
そんなことをぼんやりと考えつつ、街並みを眺めながら、俺はギルドへと向かっていった。
ギルドの換金所に着くと、換金所のおっさんが目を見開いて尋ねてきた。
「なぁ、これ本当に兎五匹だけのドロップか?」
「あ、はい」
「まじかよ・・・」
なんか驚いてるけどドロップ量がおかしいのか?一応尋ねてみると
「おかしいも何も、兎の角は稀にしかドロップしないレアドロップだぞ!? しかも落ちるときは、一匹につき一個しか落とさねぇ。それで五個あるってことは、五匹すべてからドロップしてるってことになるんだぞ!? これを驚かずにいられるか!」
お、おおう・・・。なんか切れ気味に答えてくれた。
しかし、角ってレア泥だったのか。なら、それなりの買い取り額するのか?
少し考えていると、おっさんはぶつぶつ言いながら買い取り額を提示してきた。
「えっとな、兎の肉が一つ300ソル、皮が一つ500ソル、角に関しては一つ1500ソルだ。そんでもって合計が12900ソルだ」
・・・目標額軽く超えてるし・・・。あ、そういえば
「あと、ドロップした金はいくらだった? こっちでいくらだったか記録しないといけねんだ」
今聞こうと思ってたところなのに・・・。ま、丁度いいし聞いてみるか。
「金貨四枚だったんですけど、金貨って一枚何ソルでしたっけ?」
「ああ、金貨は一枚5千ソル・・・って、金貨・・・四枚?」
「そうですけど・・・」
てか、金貨一枚5千ソルで合ってたのか。ってことは、合計で3万ソルくらい稼いでるのか。すげぇな。
「な、なら合計金額は32900ソルでいいな? あってる、よな?」
俺はこくりとうなずくと、おっさんは金貨や銀貨が入った袋を取り出した。中から金貨六枚、銀貨二枚、銅貨九枚を取り出し、小さめの袋に入れて渡された。
帰っていいのだろうか。そう思っておっさんの顔を見ると、放心状態になっていた。まあ、ほっといて行ってもいいだろ。という勝手な判断で、俺はギルドを後にした。
ギルドを出た後、まっすぐによろず屋に向かった。
「いらっしゃいまー・・・。ああ、あなたですかー。どうでした? 稼げましたか?」
「あ、はい。一応3万ソルほど稼げました」
「すごいですねー! 頑張ったんですね!」
いや、兎五匹しか戦ってないけど。まあ、初戦闘にしては頑張っただろ。うん。
「じゃあ、幸運石の片手剣お買い上げになられますか?」
「はい。お願いします」
「はーい。お買い上げありがとうございまーす!」
ふう、武器は当分の間これでいけるだろ。あとは、防具をどうするかだな。
「あのー、軽くて動きやすいけど防御力が高い装備とかありますか?」
・・・なんだその神装備。自分で言ったことだけど、そんな装備そう簡単にあるわけないだろ。
「うーん。さすがに軽いのはありますけど、防御力が高いのはちょっと・・・」
だろうね。それこそ神装備だからね。あるはずがないわな。
「じゃあ、その軽い装備ください。できれば全身のやつで」
「それならありますよー。少々お待ちくださーい」
そういってパタパタと店の裏へと駆けてゆき、全身装備を持ってきてくれた。
案外重そうだけど、軽いのか? 一応試着してみるか。
店員さんが持ってきてくれた軽いという装備を見ると俗にいう皮装備だった。見た感じのの重厚感の割には、軽くて動きやすいな。
「じゃあ、これも買います」
「ありがとうございまーす!合計で2万3000ソルになりまーす。でも、お客さんには今後もご贔屓にしてもらいたいので、2万ソルちょうどでいいですよー」
お、ちょっと安くなった。今後もこの店使わせてもらうことになるだろうしあながちご贔屓にってのは間違ってないな。
「じゃあ、これで」
金貨四枚を袋から取り出し、店員さんに手渡しする。
「ありがとうございまーす!」
その後、少し店員さんと話した後店を出た。
さて、これからどうしようか。とりあえず寝泊まりする場所探さなきゃだな。
そう意気込んで、少しづつ暗くなり始めた街中を歩きだした。
かなーり遅くなりましたが三話目投稿できました!
あと、戦闘シーンに関してはまだ書ける気がしないので諦めました・・・
もう少し文章力(?)が上がったら再挑戦していこうと思います!