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転生しました。4

文字数安定しません……

しょうがないな、と読んでくださるとありがたいです!


予行練習。


それは大叔母対策の一環である。


随分前に夫を亡くした大叔母は毎日暇を持て余しており、このようなパーティーの日にはその鬱憤を晴らすかのように私達をしつける。

勿論体罰などはないが、いちいち目くじらをたてて細かくお説教をするのだ。

お出迎えの挨拶から始まり、やれ声が小さいだの、やれお辞儀が拙いだの、果てには笑顔が嘘っぽいと来た。

乙ゲーの主人公かっ、とつっこみそうになった私は悪くない。

毎回こうなると分かってから三姉弟で話し合った結果、完璧な夜を演出してみせよう!ということになった。


因みに転生前の授業参観を参考にした。

ほら、いたじゃない。保護者参観の前日に、次の日当てる人決める教師……あれ、いなかった?

まあ、いいや。


……で、何をするかというと。


前日までに料理人さん(特別な日だけ来てもらう)にメニューを聞いて、ナプキンの折り方からナイフとフォークの使い方まで母に確認してもらう。


食後の時間の使い方を分刻みでスケジューリング。

この前は朗読だったから、今日はピアノとダンスだった気がする。


そして一番大事なのが、これ。

大叔母が寝た後、ピーターと遊ぶ準備をすること。


自身のいびきが煩いから大叔母はほとんど目を覚まさないとは思うけど、遊び道具とかお菓子とかはベッドの下にこっそり仕込んでおかなくてはならない。

もしばれたら……と、とにかくあの長いお説教を聞くことだけは避けないといけないから、箱や毛布を使って上手く細工する。


これからするのは、もう食後のスケジュールの確認と軽い予行だけ。

ウェンディがピアノを弾いて私とマイケルが踊るのだ。

姉は12歳、私とマイケルもそれぞれ10歳と8歳の中流階級の子どもだから簡単なワルツステップしか出来ないけど、完璧に合わせるのは大変。

だから、万が一のためにも練習しておきたい。


下に降りると、ウェンディは既にピアノの前に座って練習曲で指を慣らしていた。


手を繋いだまま降りてきた私達を見て、ウェンディは微笑む。


「マイケル、もう少し繋いだ手を前に出すと自然なエスコートになるわ。ジョアンナもきれいになったみたいだし、後で髪を結ってあげる。……他は大丈夫ね。じゃあ練習しましょ!」


この後一時間程ウェンディに最後の特訓をさせられた私達は、他の確認も一通り済ませて大叔母の到来に備えた。





「ようこそいらっしゃいました、叔母様。夫と私はこれから家を開けることになってしまいますが、叔母様がおられるので心強いですわ。子ども達をどうぞ、よろしくお願い致します」


相変わらず優雅な母は大叔母を出迎え、名残惜しそうに私達を見て微笑むと、入れ替わるように玄関を出て家の前に停まっていた馬車に乗り込んだ。

──馬車と言っても転生前のタクシーと同じ仕組みで、走る距離(行き先)によって値段が変わるタイプ。もちろん今日は事前にお金を払ってあるみたいだけど。


ガラガラ……と、蹄と鉄の車輪が石畳を削る音が遠ざかっていった。

帰って来ると分かっていても、どうしても寂しくなって何だかもやもやする。

こうして母親が離れて精神的に不安定になると、やっぱり心は身体と繋がってるんだな、と思う。

だって、精神的にはもうアラサーよ?母がいなくて三千里旅する気力なんて、とうに果ててるわ。

……さすがに今でも最高で半径五キロ圏内かな…、あれほぼ変わんないかも…いや、何でもない!


私達は母達が乗った馬車から視線を外し、目の前の大叔母の前に向き直った。

目の端でウェンディを確認しながら三人合わせてゆっくりお辞儀する。

頭を上げて大叔母の表情を見るに、始まりは上々のようだ。


よし、このまま一日乗り切ってみせる!


……私はこのとき大きな大きなフラグをたててしまったのだった。

誤字脱字、おかしな表現ありましたらこっそり教えてくださいませ。

こんな拙い文章を読んでくださる方に感謝します!

相変わらずの亀更新ですが、取り敢えず月1でいきたいと思っています。


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