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稲荷神社の妖達  作者: 朝凪
能力編
55/93

成長経過

俺は朝、夏麻と共に家を出て学校に向かう。そこからいつも通りの生活が続き、狐川と神月と一緒に稲荷神社に向かう。荷物を置いてから、置いてあるジャージーに着替えて夏麻と手合わせ。七時になるとそれも終わり家に帰って晩飯。たまに四季が良かったらとおかずを持たせてくれる。そうして一日が、終わっていく。


「あっ」


その呟きと同時に夏麻の持っていた鎖打棒が手から落ちる。


「なんとか十連勝は阻止したぞ」


「あと三秒あれば阻止できたのに」


飛ばされた鎖打棒を拾い上げながら神月は近づいてきた。


「戦いではそんな言い訳出来ないよ。夏麻、今のは油断をして前に攻めすぎ。相変わらず、気持ちが先走るところがある」


「だって隙があったんだもん」


「一瞬の隙は生死を分けるの。それがどちらか判断するのはさらに早くなければならない」


「そういうことだよ、夏麻くん」


夏麻のことを煽った後にすぐにブーメランで自分の元に帰ってきた。


「大神、貴方は引きすぎ。こうなる前に三回ほど攻め込むチャンスがあった」


言われた通り、攻めるべきかの判断を考えた場面はあった。


「仕方ない、二人ともまだ動けそう?」


時刻はもう少しで七時になろうというところ。


「あともう一戦が限界だね」


「今日は金曜だし、帰りが遅くなっても大丈夫」


俺と夏麻の了承を獲ると、神月は降ろしていた髪を後ろで一つにまとめる。


「なら、三分後に二人同時にかかってきて」


夏麻は何かを閃いたかのように右の口角を上げる。


「あれれ?いいのかな今の俺たちにそんなこと言って。みーや」


なんだろう、芝居染みたこの話し方。若干気持ち悪い。


「二人同時に来たところで私はやられない」


「言われちまってますよ?錫さん」


なにこれ。乗らなきゃいけないの?この乗りに。


「えっと、俺たちは今同じ屋根の下で暮らしてるんだ!それを見せつけてやる」


こんな感じ……かな。


「その成長を楽しみにしてるよ」


良かったらしい。案外神月もノリノリじゃないか。

それから程なくして神月は準備を完了して、竹刀片手に真ん中に立たずむ。

そんな様子を木々の間からひっそりと覗き込む俺と夏麻。


「さてどうしましょうか。思い思いに攻め込んだところで三十秒持たずに二人ともエンドは見えてます」


「見えてるんだ」


「それに能力を使ったところでみーやが自身の力で他者の能力を半減させたら俺たちは連絡は取り合えません」


「取り合えないんだ。てか神月そんな能力まであったのか」


「錫さん。今から俺達は三つの策を用意します」


「頼もしいな。でどんな策?」


それから俺は夏麻の言葉に耳を傾けた。



中央の神月に対して、真剣勝負と言わんばかりに正面に立つ。


「夏麻にしては珍しいね」


「今日は一人じゃなくて二人だからね」


「そう、ルールは簡単。私の左腕につけているこの赤いリボンを取れれば二人の勝ち。逆に五分間取ることができなければ私の勝ち」


「それでいつも通りこの半径五メートルからみーやは動かない。それでいい?」


「もちろん、構わない」


「なら僕の合図で始めるよ」


夏麻は一度目を瞑り大きく深呼吸をする。そして目を開けたと同時に。


「始め!」


合図がかけられた。

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