表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
稲荷神社の妖達  作者: 朝凪
能力編
39/93

なんだよ、それ

二階の一番奥の部屋へと案内される。


「ここが鏡の部屋よ」


「無理を言ってすみません。ありがとうございます」


「いいのよ。そういえば、毎朝錫牙君の部屋には行くけど逆はなかったものね」


「確かにそうですね」


今思うとよくあんなこと許してくれたな。

ドアを開けると部屋全体に日が差しているせいか全てが宝物のようにキラキラしていた。


「あの子が使ったときのまま動かしてないからゆっくりしていって」


ありがとうございますともう一度伝える。ベランダ越しからしか見たことがない月宮の部屋だ。俺の部屋に通じるカーテンを開ける。そこからは普段とは逆で俺の部屋が見えた。いつもは違う見方。たった一つ違うだけなのに世界が百八十度変わったみたいだ。


「俺は月宮に何か一つでもあいつの役に立てたのかな」


月宮の机を指で撫でなが独り言を呟く。


「そんなの本人に聞かないとわからない。でも、少なくとも大神の存在は月宮さんにとって大切で大事でかけがえの無い存在だったと思う」


いつか月宮から聞いた言葉。


「なんだよ、それ」


「ただなんとなくそう思っただけ」


本当になんだよ、それ。



***



一通り部屋を見せてもらい、俺と神月は再びリビングへと戻る。


「一つお伺いしてもよろしいですか?」


「はい、もちろんです」


「仏壇の隣に置かれている浴衣は?」


「あれは……鏡の遺品よ」


「あれが全てですか?」


あの日着ていた浴衣や携帯等が置かれていたが、そこには鈴蘭の簪はなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ