21 血濡れの薔薇②
【前回のあらすじ】
2nd、ロリコン疑惑再浮上
2nd「誰だ! こんな所にバナナの皮を捨てたのは?!」
今回、場面転換や視点の変更が多々あるため読み辛いかもしれません。
実力不足でスミマセン<(_ _)>
ズッコケた2ndが「お前も俺をロリコンにしたいのか! そうなんだろ!!」と口火を切り、ロゼがそれに答える形で二人は軽口の応酬を始めてから既に10分以上が経過した。
最初こそ目の前で始まった大人の幼稚な言い争いに目を白黒させていた佳奈だったが、途中から普段M-2と2ndがしている言い争いと同じ雰囲気を感じ取り、いつの間にか2ndの元を離れて冷房の効いた装甲車の中へと戻っていった。
「人の事をロリコン、ロリコンって連呼しやがって。お前にだけは言われたくないんだよ、この淫乱痴女めっ!!」
「それを言うならアンタでしょうが! だいたい普段から人のこと淫乱だとか痴女だとか言ってるけど、私の一体どこが痴女だって言うのよ!!」
「どこも何も、今目の前に痴女らしい格好してるだろ! たわわに実った御胸様を惜しげもなく揺らしやがって、貧乳のシャルロットへの当てつけか? 当てこすられてるシャルロットの身にもなりやがれ!」
「こ、れ、は、機動殻用の補助強化服! 機動殻を操縦するときには必須なんだからしょうがないでしょう。貴方だって機動殻用強化外骨格を着てる時は堪え性のない息子の形がまる分かりになるくせに!」
「残念でしたー、俺のパワードスーツは高い奴だから股間にはプロテクターが着いてるんです~。それにそのままで居るのが嫌なら上から何か羽織ればいいじゃねーか、それをしないって事は……ハッ! やっぱり痴女じゃないか!? しかも男の股間ばっかり見てるとかこれはもう淫乱を否定できませんなぁ!」
「こんのっ!!」
機動殻を降りた直後の大人びた妖艶な美女はどこへやら。
ロゼは頬を赤らめながらも2ndを睨み付けて口撃を辞めず、2ndは普段通りのふざけた態度を崩すことなく応戦している。佳奈は既に装甲車内へ戻り、M-2も静観することにしたのか何の反応も示さない。
ただ一人その場に残されたシャルロットは崩れ落ちた天井をただ見上げていた。
佳奈にすら見捨てられ、一人だけその場に残されてしまったシャルロットは二人の間で飛び交う言葉を聞き流し続け、何時になったらこの不毛な争いが終わるのかと辟易としながら遠い天井にあるヒビの数を数える。
罵り合いの引き合いに出された時はこめかみに青筋が浮かびかけたが、既に反論しようと口を挟んで「外野は黙ってろ!!」と二人に揃って怒鳴られたことがあり、言いようのない虚脱感に襲われる体験をしてからは全て聞き流すことにしていた。
「だいたい、スロースに聞いたがお前自分のーー」
2ndが舌戦の戦火を広げようとしたとき、ロゼの腰元に取り付けられていた通信機が盛大な音を立てて邪魔をする。
まだ言い足りない感のあった2ndは舌打ちをするが、同じ傭兵として活動しているだけに仕事関係の通信の場合も考慮し、息を吸い合う距離から離れ、舌戦に自ら幕を下ろすことにした。
ロゼも2ndと同じような反応を見せるが、こちらも心得ているのか2ndの服を手放し一睨みするだけで引き下がり、通信機を手に取ると通話ボタンを押して耳にあてがった。
「なにローウェン? えぇ、対象は無事保護してあるわ。ただ私が到着した時にはもう一人しか生き残ってなかったわ。えぇ、それは本人に確認を取ってあるから問題無いはずよーーー」
ロゼの余所行きな声で行われる会話が漏れ聞こえる中、やる事が無くなった2ndが周囲を見渡すとそこで漸く佳奈がいない事に気が付いた。
「佳奈が、いないっ!」
「あの少女ならアンタらが馬鹿やってる間に装甲車に戻ったぞ」
「なん…だと……?」
大仰に驚いている2ndにシャルロットは死んだ魚の目で告げる。すると2ndは膝から崩れ落ち、拳で地面を叩き始めた。
「くそ……とうとう佳奈にも反抗期がやってきたとでも言うのかッ!!」
「ただ単に飽きただけでしょ」
もう何もかもが面倒になっていたシャルロットは力なく言うが、2ndは聞く耳を持たず地面を叩いて嘆き続ける。
そんな2ndを冷めた目で見降ろしていたシャルロットだったが、視界の中に地面を何度も叩く2ndの傍に強化外骨格に包まれ、踵に高いヒールが付けられた足が映り込む。
そしてシャルロットが靴の持ち主を見ようとした瞬間、2ndの脇腹につま先がめり込んだ。
「ごふぅっ?!」
大の男が数度も転がる威力の蹴りを一切躊躇わずに放ったロゼにシャルロットが戦慄していると、ロゼは転がった所で痛みに悶えている2ndの背中を踏みつける。
「ぐべぇ」
「ねぇ、2nd。これからシャルロットを依頼主に引き渡さなきゃいけないんだけど、今ローウェンが動けないのよ。私の機動殻じゃあどう頑張っても生身の人は運べないし。
だから依頼主の方で迎えに来て貰いたいんだけど、ここの場所を伝えてもいいかしら?」
「お、おう。お前の仕事に関して邪魔をする気はねーし、なんか問題が起きてもお前が対処してくれるなら俺は構わないんだけどさ。今俺に乗っかってる足もそうなんだけど、さっきから人に頼み事をしたい人の態度じゃないよね。
普通、頼みごとがある人は頼む相手を蹴らないし、踏まないと俺は思うんだが……」
背中を踏まれ、うつ伏せになりながら言う2ndにシャルロットは出会ってから初めて2ndに同意した。
「だって気持ち悪かったんだもの」
しかしロゼはさも当然のように切り捨てる。
「お、おう。それじゃあ仕方ない、のか?」
「そこは同意する所じゃないだろ」
あまりに堂々とした態度に首を傾げ、自信なさげになった2ndにシャルロットは思わずツッコミを入れる。と言うよりも、先ほどまで繰り広げられていた稚拙な舌戦とは180度違う態度の二人に呆れ、それしか言う言葉が見つからなかったのだが。
「それで呼んでいいの? ダメなの?」
「呼んで構わないから、取りあえず足を退かしてくれ」
そんな一幕があってから一時間後にシャルロットを迎えに三台もの装甲車がやってきた。
2ndと謝礼などについてのやり取りがあってから、漸く珍妙な傭兵たちと別れたシャルロットは、帰りの装甲車内で人生最大の溜息を吐いたという。
◇ ◇ ◇
シャルロットを迎えに来たのは身なりの良い男たちと二台の軽装甲車、そして重装甲輸送車一台だった。
やってきた男たちは最初こそ2ndの存在に警戒を示していたが、2ndがロゼの知り合いであることやシャルロットの取り成しで僅かな警戒心を残して普通の対応を心掛けていたようだった。
その後はロゼに対する報酬の確認や、2ndがシャルロット救出に助力したことへの謝礼についての交渉が行われた。ただ交渉と言うには相手の対応はおざなりで、特に値切ろうともせず殆ど2ndの要求したどんぶり勘定通りの金額が支払われることになっていた。
「やっと行ったか。んで、お前はいつまでいるんだよ」
「別に私が何処にいようと、何をしていようと私の勝手でしょ」
「そりゃそうだがよ」
既にシャルロットを迎えに来た一団はリトルキャッスルの鎮座する廃墟から去っており、土煙を上げて走っていく一団を2nd、ロゼ、佳奈の三人で見送っている所だった。佳奈が去っていく一団に手を振っている傍らで2ndは首を傾げる。
「しかし、シャルロットを迎えに来た連中の金払いが異様に良かったな。もしかしてシャルロットってコルネオカンパニーの関係者だったのか?」
今2ndたちがいる周辺には目ぼしいコープはグラウンドエデン以外になく、せいぜいが名もなきクラスタぐらいだろう。
基本的に貧しいクラスタの住人が傭兵相手に最初に提示された金額通りに支払うなんて言うことはなく、必ずと言っていいほど値切り交渉が行われる。
その為、2ndも交渉内で落としどころを探るのにかなり吹っかけた金額を言ったのだが、相手は値切ることなく承諾の返事をした。
2ndが首を傾げながらロゼに訳を問えば、隣に立っていたロゼは何を今更な事を言っているんだと言わんばかりの表情をしていた。
「私はてっきりアンタがコルネオカンパニーの幹部、セルジオ・キャンベルの娘だから助けたんだと思ったけど、違うの?」
「マジかよ、全然知らなかったぞ。てかあのセルジオさんに娘がいたことに俺は驚きを隠せないんだが。あー、くそ。だったらもっと吹っかけておけばよかった」
2ndはシャルロットを助けた経緯などを佳奈の事も含めて説明すると、ロゼは何か含みのある表情を2ndに向ける。
「なんだよ」
「別に。でも、貴方が人助けねぇ……」
「……ッチ、文句でもあんのか」
「いえ、佳奈ちゃんの事もあるし、人助けなんてしようとしてなかった貴方になんの心境の変化があったのかなぁ、って思っただけよ」
「大したことはねーよ。ちょっと佳奈を助けて思うことがあっただけだ」
詰め寄る様に顔を近づけてくるロゼから2ndは離れるが、ロゼは何故か佳奈に向けられていた優しげな笑みを浮かべていた。普段は妖艶な笑みか、かなり特殊な笑みしか向けられた事のない2ndにとって、今向けられているような笑みはかえって2ndの警戒心を引き上げさせた。
「さっきから何なんだよ」
「ふふふ、別に。でも、そうね。前の貴方も嫌いじゃなかったけど、今の貴方の方が私は好きよ?」
優しげだった笑みを引っ込め、直ぐに普段通りの妖艶な笑みを浮かべて唇を舐めるロゼ。2ndはころころと変わるロゼの表情に更に身を引いた。
ロゼはまた離れた2ndとの距離を埋めようと足を踏み出すが、その前に二人の間にさっきまで装甲車に手を振っていた佳奈が滑り込み、両手を広げて2ndを庇うように立ちふさがった。
「2nd、いじめちゃ、ダメッ!」
「あらあら。んなに小っちゃいのに頑張っちゃって、可愛いわね」
睨むようにロゼを見上げる佳奈の姿に2ndは思わず感動していた。
ロゼへの警戒心を剥き出しにし、2ndの後ろに隠れながら威嚇していた佳奈が今回は勇気を振り絞ってロゼの前に立ったのだ。
10歳にもならない少女に庇われていることに感じるものが無い訳ではなかったが、佳奈が勇気を振り絞って守ろうと思ってくれる事に2ndは子供が成長していく姿を見るような感覚を覚えていたのだ。
しかしロゼは佳奈の意気に気付くことなく小さな頭に手を当て撫でまわす。
「え、ちが、まって……」
2ndはその勇気に思わず感嘆の声を上げたが、ロゼからしてみれば子供が背伸びをしているようにしか見えない。
日本語のため喋っていることを理解できなかったロゼは佳奈の抗議の声に構わず頭を撫で続ける。
「なぁロゼ、この後暇か?」
「今は特に仕事も引き受けてないし、グラウンドエデンで待ってるローウェンの所に帰るだけだから暇といえば暇ね。そう言う貴方は?」
「俺もグラウンドエデンで物資の補給とか諸々の用事を済ませたら移動工房と連絡取れるまで特に予定はないぞ。あと、佳奈が目を回し始めたからそろそろ止めてやってくれ」
会話をしながらも佳奈の頭を撫で続けていたロゼは名残惜しげに佳奈から手を離すと、佳奈は乱れた髪も直さずすぐさま2ndの後ろに隠れる。
ただロゼに害意が無いことを理解したのか、出会った当初のように威嚇する事はなかった。
「時間があるなら装甲車にバッテリーを付けるの少し手伝ってくれないか? 充電ももうそろそろ終わるだろうし、なにより情報交換もしたいしな」
「えぇ、いいわよ」
「んじゃ、佳奈も手伝ってくれや」
「……わかった」
何故この女も手伝うのかと不服そうに頬を膨らませた佳奈だったが、直ぐに頷いて工具箱を取りに装甲車へと向かっていった。
「結構懐かれてるわね、貴方」
「そうなのかね。ただ単に頼れるのが俺しかいないからそう見えるだけじゃねーの?」
「そうかしら」
そうだよ、と2ndは返しながらもロゼが一緒に作業するのに不服そうな態度を見せた佳奈が気になった。
警戒しなくとも一緒にいるのは嫌なのだろうかと2ndは考えたが、2ndは元々サバサバとした性格もあり、やっぱり子供とは言え女の事はよく分からんと匙を投げた。
その後三人でバッテリーをリトルキャッスルへ戻し、昼食のような間食のような食事をしながら2ndとロゼは情報交換を行った。
情報を交わしている二人を、佳奈が物陰から羨ましげに見ていたとかいなかったとか。
『それじゃあ、私は先にグラウンドエデンに行ってるから用事を済ませたら連絡してちょうだい』
「へいへい」
佳奈と一緒に立ち上がったブラックプリンスの前にいる2ndは面倒くさそうに返事をし、廃墟から出ていく機動殻の後姿を見送る。
機動殻の加速ユニットが作り出す強風に耐えていた佳奈も、ブラックプリンスが見えなくなると同時に緊張を解くように大きな息を吐き出した。
やはり、見知らぬ相手と一緒にいるのは緊張するらしかった。
「さてと、日が暮れる前にはグラウンドエデンに着きたいところだな」
「うん」
2ndと佳奈は手を繋ぎ、何時でも出発できるように準備された装甲車に乗り込んだ。
2ndと佳奈が装甲車でグラウンドエデンに向かって動き出したのと同じころ、様々な紙媒体で印刷された資料が種類分けされて置かれた棚が並ぶ資料室に男はいた。
「今、なんつった?」
周囲に人の姿はなく、僅かな照明だけが照らすその部屋は薄暗い。物音もほとんどなく、僅かに男が背中を預けている扉の向こうから人の足音がするくらいだった。
そんな一室に男の地を這うような低い声が木霊する。
『そ、その、間者の女を、始末し損ないました……』
男が耳に当てていた通信機からはオドオドとした部下の声が響き、そんな声ですら男の感情を逆なでにする。
男は思わず怒鳴り散らしそうになるが、人気のない部屋で大声を出せば他の人間に不審に思われるため咄嗟に言葉を飲み込んだ。
「……それで、なんで女を取り逃がしたんだ? お前らにはL-SATを預けておいたはずだぞ」
その代り、舌打ちと苛立ちを十二分に滲ませた声で詰問する事にした。通信機越しに男の機嫌を察した部下の男はその、あの、と意味のない言葉を繰り返し、余計に男を苛立たせる。
『……女を仕留める直前に何者かの邪魔が入りまして、その、言い難いんですが、そいつにL-SATも破壊されました』
男がはっきり言えと伝えると部下の男は意を決したように、だが途中からしどろもどろになりながらそう言った。
男は虎の子として部下に預けていた特別仕様の軽装甲車が破壊されたという事実に言葉を失ったが、労働を放棄しようとする脳を無理に働かせて部下の言ったことを事実として受け止める。
「……その何者かって奴の素性はわかんねーのか? 全員がやられた訳でもねーんだろ」
『……これも言い難いんですが、そいつを目撃した奴らが軒並み殺されてまして。それに女を殺しに行かせた奴の殆どが後から駆けつけてきたロゼ・マリアに殺られてしまいまして、はっきりとした目撃者は居ないんです』
ロゼ・マリアと言う名前を聞いた瞬間、男は無意識の内に舌打ちをしていた。
通信機越しにその音を聞いた部下がビクリと反応していたが、姿が見える訳でもないため男が気にかける事はなかった。
「……ロゼ・マリアか。あの忌々しい女は何時も大事な時に邪魔する。それで殆どって事は邪魔した奴を見た奴は何人か生き残ってるんだろ? 特徴か何か分からないのか?」
『生き残りから情報を集めてみましたが、東洋人らしい男という事しか分からず。ただ、単独でL-SATを破壊したことから相当な手練れかと』
「……分かった。お前は事態が落ち着くまでセーフハウスで大人しくしていろ。その後の指示はおって連絡する」
『分かりました』
通信の切れる音と共に男はため息を吐き出し、扉の向こうから音が聞こえなくなると同時に頑丈な作りをした棚を蹴り上げる。
「女一人もろくに殺せない無能ばっかりかっ!! 俺がL-SATを用意するのにどれだけ苦労したと思ってやがる!!」
何度も何度も棚を蹴りつけるが、男の苛立ちは一向に収まりそうにもなかった。
それでも何かに当たらなければ苛立ちを隠せず、意識を切り替えるためにも物にあたるのはやめられなかった。
数分間ひたすら棚を蹴り続け、頑丈な作りをしているはずの棚が僅かに歪んだ辺りで男の苛立ちも大分収まって来ていた。
「……ふぅ。ロゼ・マリアにはいつか借りを返すとして、問題は途中で乱入してきた男についてだな。
L-SATを破壊できるとしたら通りすがりの傭兵か? いや、傭兵が見ず知らずの人間を助けるとは思えない―――」
男は思考をまとめる為に独り言を呟きながら、資料室にやってきた本来の目的を果たすために棚の中から数冊のファイルを手に取り部屋を後にする。
地下に造られた資料室を出ても廊下には人の姿はまばらで、男が部屋の中で暴れていたことに気づかれた様子はなかった。
「―――となると可能性が高いのは不可視の渡り鳥の奴らか。クソッ、いつの間に嗅ぎつけてきやがったんだ。今アイツらと事を構えるのは不味いぞ、最悪アイツらを囮にして見つかる前に俺は逃げるべきか? いや、まだ俺の事は見つかってないはずだ。じゃなきゃとっくに始末されてるだろうし……」
人が少ないのをいいことに男はブツブツと独り言を呟き続ける。そうして自分の考えをまとめていたのだが、ほとんど無意識の内に階段を上り上の階に出ると男の耳に騒々しい音が届く。
自分の世界から引き戻された男は煩わしげに顔を上げると、多くの人間が廊下を行きかっていた。
「騒々しいな。なんかあったのか?」
「……襲撃者グループに潜入していた諜報員が無事に保護されたらしい、です。今はそいつの受け入れ準備で他の部署の連中も駆り出されているんです」
男がちょうど目の前を通り過ぎようとしたスーツ姿の男を捕まえると苛立たしげな眼を向けられるが、資料室に入ることが出来るのは限られた人間だけであり、男の手に持たれた資料を見つけると素直に事情を教えてくれた。
男は引き留めて悪かったと礼を言いながらも内心舌打ちをする。
「……馬鹿な連中は切り捨てるのも惜しくはねーが、無能すぎるのも問題だな。取りあえずシャルロットが持ち帰ってくる情報がどの程度の物か知らねーとな。内容次第で最悪俺も粛清されかねないぞ」
男は逸る気持ちを抑え、資料を持ってくるように自分に指示を出した上司の元へ資料を持っていくことにした。
次回更新は7/20を予定しています。
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