み~にゃ実家へ行く
第6話 新幹線に乗ったニャー
み~にゃが生後10ヶ月くらいのお話。
私は高校卒業後、家を出て県外で一人暮らしをしていた。
実家に帰るには新幹線を乗り継いで片道5時間程かけて帰らなければならない。
その為年に1回帰ればいいほうで、交通費も高くてもったいないので3~4日はノンビリ過ごして帰ってくるのだ。
今年も帰ろうかと思ってるが問題はみ~にゃだ。
さすがにそんなに長い間ほったらかしにしておくわけにもいかないし、さてどうしたものか…。
はっきり言って私はかなりの親バカだ。
もう可愛くて仕方なく、親に見せびらかしたい衝動に駆られ、何とか連れていけないかと考える。
5時間くらいなら大丈夫かな?
母に電話してみる。
「お母さん、み~ちゃんそっち一緒に連れていこうと思うんだけどいいかな?」
母 「え~?別にいいけど。メグいるけど大丈夫?」
メグとは実家の愛犬のことである。この子もめちゃくちゃ可愛い!
私 「多分大丈夫だよ。み~ちゃん全く無視やと思うし。」
母 「なら連れてきたら?一人でお留守番もかわいそうだしね。」
よし!了解いただき!
早速準備にとりかかる。
里帰り当日。キャリーケースが増えた為、両手に大荷物を抱えヨロヨロと駅に向かう。
み~にゃは不安げにか細い声で鳴き続ける。
ようやく新幹線に乗り込む。足元にキャリーケースを置き、「み~ちゃんお姉ちゃんの実家に行くからね~。しばらく我慢しとってな。」と声をかけ、上着を上からかける。
ちなみにみ~にゃが来た時私はまだお姉さんと呼ばれる年齢だったので、自分のことはお姉ちゃんと言っている。もちろん今もお姉ちゃんだ。
新幹線が動き出してもみ~にゃは小さく鳴きつづける。
あまり大きい声ではないので周りの乗客の人達に迷惑かからなくて良かった。
み~にゃも気にして鳴いてくれてたのかな?
新幹線の乗り継ぎもスムーズに出来、無事実家に到着!
愛犬メグが尻尾を思い切り振りながら熱烈な歓迎をしてくれる。
キャリーケースが気になるらしくフンフンと臭いを嗅いでいる。
「メーちゃんちょっと向こう行っててね。」
み~にゃがビックリするといけないのでメグをケースから離し声をかける。
「み~ちゃん着いたよー。いい子だったねー。」
ケースを開けると恐る恐る顔を出す。
母 「あら、可愛いじゃない。」母は大の動物好きだ。
メグは離れたところからみ~にゃを見つけ、興奮してウロウロしている。
ケースからやっと出たと思ったら一目散にカーテンの裏へ。
み~にゃが気になって仕方ないメグは、フンフンと鼻を鳴らしながらカーテン越しに突っつく。
その度に「ほっといてあげなさい」と母と私で引き離していた。
結局帰る日の前日まで殆ど隠れていたが、ご飯だけはしっかり平らげていた。
さすがみ~にゃ。
もう帰るという日の朝、眠い目をこすりながらリビングへ行くと…
んニャーン ニャーン…
と甘えた声で母にまとわりついてるではないか!
「朝からずっと離れないのよー。」嬉しそうに話す母。
おいおい…何故もう少し早く出てこないかな。
せっかく慣れたとこ申し訳ないけどまた今から新幹線乗って帰るんですよー。
ともりんは思う。
慣れたとこですぐ帰らなければいけないなら逆にかわいそうじゃないか、と。
実家に連れてくるのはもうやめとこう。うん。
新幹線の改札口で母と別れ、行きと逆のルートで家に帰る。
カーペットにゴロゴロ転がりながらくつろぐみ~にゃを眺めながら、お疲れさんでしたと声をかけた。
まあ母に会わせることができたし良しとしよう。
そして予想通りメグには無関心のみ~にゃであった。
次は番外編でメグのお話を書こうと思います!
10歳で天国に召されましたが賢くて優しい女の子でした。