み~にゃ病院へ行く その②
第4話 もう散々なのにゃ!
今日は避妊手術の日である。
み~にゃは完全家猫だが、子供を産まずにそのままいくと乳がんになりやすいとか聞いたことがあるので可哀相だが手術をしてもらうことにした。
2日前の惨劇を思い出し、憂鬱でため息ばかり出る。
はーーー…
しかし連れて行かなければ話にならない。
私はキャリーケースをみ~にゃの近くまで持っていき様子を見る。
覚えてたら絶対嫌がるよな~。
…すると前回同様嬉々として自分から入っていったではないか!
なんておバカなんだ。
笑いをこらえながら「み~ちゃんはいい子だね~」などとご機嫌をとりながらいそいそと支度をし、いざ病院へ。
到着した途端、記憶が蘇ったのか明らかに鳴き方が変わった。
ウナー…ウォーン…ワーン…(上手く表現できないがこんな感じ)
病院のドアを開けると看護師さんが「こんに…ちは~」一瞬たじろぎニコッと笑った。
あ、覚えてるのね。そりゃそうだよね。
待ってる間み~にゃの異様な鳴き声がずっと待合室に響き渡っていた。
「み~にゃちゃんお待たせしました~。お入り下さい。」
「失礼します~」
と診察室に入ると看護師さん2人が皮手袋をし、よくドラマの手術シーンである執刀医が「これより○○手術を始める」というセリフを言いながら両手を曲げてるあのカッコで戦闘体制に入っていた。
…完璧だ。
先生「この間凄かったからね~。怪我するといけないから手袋はめさせてね」
え~そりゃもう!そうして下さい。
前回とは打って変わり暴れるみ~にゃを物ともせずアッサリ捕まえベッドに固定させた。
その鮮やかな手つきに惚れ惚れしつつみ~にゃに視線を移すと、ウーウー唸りながら恨めしそうに私を見ている。
こ、こわーっ。仕方ないんだから。そんなに怒んないで~(泣)
先生 「じゃあお預かりしますから、また後で来てくださいね。」
私 「はい、よろしくお願いします。じゃあみ~ちゃん後で迎えに来るからね」と声をかけ診察室から出ようとした瞬間、凄まじい鳴き声が…!
ギャーーーー!!ウォーーー!ぎゃオーーー!!!
ヒッ!…凄すぎる。看護師さん達のなだめる声もかき消す勢いだ。
待合室に行くと診察を静かに待っている飼い主さん達が一斉に私を見、心の中で(大変だね)と言ってるように哀れみの表情を浮かべていた。
なんとも落ち着かずそそくさと帰ろうとする背後で、み~にゃの悲痛な悲鳴が響いていた。
家に帰っても落ち着かず、部屋の中を意味もなくウロウロしながらもう手術は終わっただろうか?何か起こったりしないだろうか?そんなことばかり考えながら時間が過ぎるのを待っていた。
ようやく時間になり、ママチャリで病院に行くとすぐ診察室に通された。
診察台の上にぐったりと横たわってるみ~にゃを見て、思わず泣きそうになった。
み~にゃを覗き込み、そっと「み~ちゃん」と呼ぶと、かすかに顔を動かし消え入りそうな声で「にゃー」と返事をした。
優しく頭を撫でながら心の中で何度もゴメンネとつぶやいた。
先生 「手術は無事に終わったので、おうちでゆっくり休ませてあげてね」
私 「はい、ありがとうございました。」
痛くないようにそっとそっとキャリーケースに入れ、自転車の荷台にくくりつけて、ゆっくり押しながら歩いて帰った。
来る時はあんなにうるさく鳴いてたのに今は全く鳴かず横たわっている。
「み~ちゃん痛かったな~ゴメンな~」、「もう少ししたらうち着くからね~」とか声をかけながら歩く道のりはものすごく遠く感じたものだ。
次の日はまだ元気なくグッタリしてたが、2日もするとご飯も食べれるようになり一安心だ。
3日目にはすっかりいつものみ~にゃだ。
どんなに部屋ぐちゃぐちゃにされようがご飯ご飯とうるさく鳴かれようがやっぱり元気なのが一番だねー。
いつまでも健康でいてくださいと願うともりんであった。