み~にゃ病院へ行く その①
第3話 流血事件です!
最初に言っておきますが、普段み~にゃはのんびり屋の大人しいお嬢です。
例え顔をグリグリされようと、執拗にチューをしまくられようと、ひたすらジッと耐えております。
ホントに大人しいんですよ。えー、ホントに。
「み~ちゃま、今日はお出かけするよー。」
(んにゃ?お出かけってにゃんでしゅか?美味しいニョ?)
うちに来て外に出るのは初めてのためキョトンと首をかしげる。
いそいそとキャリーケースを用意し開けると、全く嫌がらずむしろ嬉々として自分から入っていった。
…しめしめ。
どこ行くかわかってないね。
まあ大人しいし多分大丈夫だろ。
この時は予想もしてなかった。
あの恐ろしい惨劇が起こるなんて…
実は私は車を持っておらず、移動手段はもっぱら自転車だった。
ママチャリの後ろの荷台にキャリーバックをくくりつけ颯爽とこぎだす。
その間さすがに不安になったのか、み~にゃはひたすら鳴き続けていた。
およそ10分後目的地到着。
そう、今日は初めての動物のお医者さんに会う日なのである。
病院のドアを開けると優しそうな看護師さんが「こんにちはー」とニコニコしながら迎え入れてくれた。
「今日はどうしましたか~?」
「避妊手術お願いしたいのですが」
看護師さんと話してる間もひたすら鳴き続けるみ~にゃ。
「今日はまず健康チェックしましょうね。少し掛けてお待ち下さい。」
待合室には飼い主さんの隣で大人しく座って待っているワンちゃんが。
「わー♪お利口さんですねー」
病院あるあるですが、たいてい初対面でも飼い主同士お互いのペットを褒め合うという暗黙のルールがある。
ひとしきり褒め合ってる間もひたすら鳴き続ける。
「んにゃー!にゃーーー!…にゃん………んにゃー!」
………
「み~にゃちゃんー。お待たせしました。お入り下さい~」
お、順番きた。
「よろしくお願いします~」
「はい、どうぞ」
先生はもう60代くらいかな?ロマンスグレー?のフサフサ髪で細身のメガネをかけた優しそうな感じ。
診察台にキャリーバックを置き開けるが、一向に出てこず奥でちっちゃくなりながら…うなりだした!
「うー…ウーーー…シャー!」
初シャーいただきました!
いや、ホント初めてなんですよ!こんなみ~にゃ見たことない!
ちょっと感動を覚えながらも、とにかく出そうと手を入れると…
パンチ!シャー!!!
うをっ!危な!
こう見えても反射神経はいいほうなので間一髪避けることができた。
先生が苦笑し「お尻から出したほうがいいね~」
「そうですね」私も苦笑。
後ろも開け、無理やり引きずり出した。
それからがすごかった。
暴れまくるは猫パンチ食らわすは手噛もうとするは叫びまくるは…
まるで戦場である。
先生が声を荒げて「ネット持ってきて!早く!」
看護師さんが急いで持ってくる。
「洗濯ネットかぶせると大人しくなるんですよ。」
「そうなんですかー…」
…え?全く効果ないんですけどーーーー!!!
ネットをかぶせられ余計逆上したらしく、中で暴れる暴れる。
フー!!フー!シャー!!!
手がつけられない。
看護師さん2人と私計3人がかりでどうにかこうにか押さえつけることに成功。
ようやく先生の診察を始めることができた。
「いや~元気だね~」
先生顔引きつってますけど…
診察はあっという間に終わり(押さえる時間のほうが長かった)ネットが外された瞬間…事件は起こった。
あの時の衝撃は一生忘れないだろう。
先生 「飼い主さんがバッグに入れてあげたほうが安心すると思うんでお願いね。飼い主さんなら暴れないでしょ」
私 「わかりました~」
その瞬間、本日最高の暴れ具合。
ふぎゃぎゃぎゃシャー!!!ぎゃー!フシャーーーー!!
パンチ!パンチ!!ガブッ!
なんと落ち着かせようと体を抑えてた私の指を思いっきり咬んだのだ。
その瞬間血がふきだし、噛まれた私は血を見ながら状況が把握できず呆然。
看護師さん慌てて止血を始める。
…はっ!いっっってーーーーーー!!!
痛いよ痛いよー(泣)
看護師さん何とも言えない表情で「大丈夫ですか?」
「はい…大丈夫です…」ていうしかないでしょ。
当のみ~にゃはすぐ看護師さんに強引にバッグに押し込められ、興奮冷めやらず相変わらずフーフー言い続けていた。
看護師さんに手当をしてもらいながら、先生が「いや~凄いね。飼い主さんにも咬むんだね~。」
ガーン。もしかして飼い猫に咬まれるって私だけなのか?
ショックでフラフラになりながら診察室を出ようとしてチラッと先生を見ると、カルテを書きながら「気が強いっと」
先生聞こえてまっせ。そしてカルテにまで気強いって書かれるって…どんだけ~?
2日後に手術でまた来ないといけないと思うと…
はー、今から憂鬱だ…
家に帰ると小1時間は拗ねて隠れてたが、本来おバカなのかなんなのか…
すっかり忘れたらしく、いつものようにご飯の催促にくるみ~にゃであった。