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シャンプー売りの青年

作者: 彩陶美登

困った、すごく困った。

山のように積み上がったシャンプーの在庫が売れないと破産してしまう。

シャンプーなんて生まれてこのかた使ったことなどないのに。

儲けることができると言われて任されたこの在庫。

どうしよう、どうしよう。

これを売り切れば億万長者だったのに。


あぁ、シャンプーが憎い。

すぐにでもお金にかえたい。

道行く人に尋ねてみる。

シャンプーはいりませんか。シャンプーはいりませんか、お姉さん。

結構ですと、非常な言葉が投げられる。

売れないよ、道行く人にシャンプーなんて。

シャンプーなんて大っ嫌いだ。

また断られた。そこのお兄ちゃん、いらないなんていわないで買っておくれよ。


くそう、シャンプーが憎くて堪らない。

こうなったら余ったシャンプーのことを調べつくして、シャンプーを呪ってやる。


シャンプーの起源は?

シャンプーの内容物は?

シャンプーが必要な人は?

シャンプーのありとあらゆることを調べつくしてやったぜ。

もうお前のことは用済みだ。社会がお前を必要としていないぜ。

どうしてかって?

シャンプーを調べて研究するうちに、シャンプー無しでも髪がきれいな状態を

保てる物を開発したからだ。

わっはっはっは。


え?これを商品にしたいですって?

バカ言っちゃいけないよお客さん。

これはシャンプーのために開発したんだよ。

シャンプーを陥れるためにやったんだ。

どんなにお金を積まれても、これを売ることはないよ。


シャンプーなんて大っ嫌いだ。


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