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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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わんこそば

わんこそば

 岩手に家族旅行に行くことになって、みんな口々に行きたいところをあげていった。


「ホヤが食べたい」


 とパパが言う。


「宮沢賢治記念館に行きたい」


 とママが言う。


「わんこそばに行きたい!」


 と翔が高々と手をあげて主張した。


「わんこそばか、いいなぁ」


 とパパ。


「パパは食べることばっかりね」


 とママ。


「ぜったい、行く!」


 と翔。


 全会一致で採択され、岩手でわんこそばに行くことに決まった。



 ママの宮沢賢治記念館は午前中に、パパのホヤは晩御飯に行くことになって、翔のわんこそばはお昼に行くことになった。


 翔はわんこそばが楽しみで楽しみで、退屈だろうなぁと思っていた記念館でもにこにこ顔でいた。


 腹ペコでわんこそば屋に入ると、翔はきょろきょろと店内を見回した。


「あれえ、わんこは?」


「みんな食べてるだろ、わんこそば」


「そうじゃなくて、わんこだよ」


「翔、あなたもしかして、犬がいるそば屋さんだと思ったの?」


「違うの?」


 パパとママはお腹をかかえて笑った。翔は恥ずかしいやら腹がたつやら、真っ赤な顔でむくれた。




「でも、新しくていいかもしれないわね、わんこそば」


 笑い疲れたママが言う。


「そうだな、猫カフェみたいな感じでな」


 涙をふきながらパパが言う。


「もういいよ! わんこそばは!」


 翔はそう言いながらも、家族で一番そばを食べたげな。



どっとはらい。

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