ナスコン
ナスコン
「さあ、やってまいりました!
記念すべき第十回ナスコン。
これまで多くの美ナスを生み出してきたこのナスコンも十年目をむかえました!
今年もずらりと並んだ美ナス候補たち。紹介していきましょう。
一番、加茂ナス!
京都出身のはんなり丸いボディと艶のある厚い皮が自慢のナス!
煮崩れないから野菜の炊き合わせにぴったり!
二番は長ナス!
博多の夏の長ーい子。暑いさかりに焼きナスがおすすめ!
三番! 小ナス!
一口サイズのかわいい子。まるごと水漬けにしちゃいたい!
四番手は米ナス!
ヘタの緑と身の紫のコントラストがうつくしい。田楽ならまかせておいて!
お次は五番、白長ナス!
その名の通り白くて長い。アクが強いが浅漬けで本領発揮!
最後に海外からの参加です。
イタリアからの刺客、ローーーサビアンカ!
ベージュに紫が刺し色の美しい皮。白い身は加熱するととろりととろける!
さあ!
ナスコンを制して美ナスの栄冠を手にするのはどのナスか? ナスたちの戦いの火蓋が今! 切られました!
さあ、どうでしょう、解説のカワグチさん。どのナスが選ばれてもおかしくありませんが……」
「いや、白長ナスとローサビアンカはありえないでしょう」
「なんと! 勝負が始まる前から負け判定、理由はなんでしょうか?」
「ナスコン‥ナスの実の色に似た濃い紫紺色。〈三省堂 大辞林〉。まあつまり、白い茄子は茄子紺ではないと」
「これは大変だー! 白ナスたちが泣きながら退場していくー!」
「白ナスコンが開催される日を待ちたいですね」




