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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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New Teeth。。。

New Teeth。。。

私はストレスに弱い。


ちょっとしたことで、ストレス性の病気になる。


膀胱炎だのヘルペスだの。自己免疫機能が狂う系の病気ばかり繰り返している。


そういうヤツらにはもう慣れた。


のだがひとつだけ、今までにどうにもこうにも困った病気がある。


顎関節症。


もともと、アゴでカクカク音がするな、という自覚はあったのだが。


異動してきた職場の上司が、驚くほど仕事が出来ない人で。


そのくせ仕事を全て自分で溜め込み、期限に間に合わなくなるギリギリになって、


部下の私に丸投げしてくる。


ということを繰り返され、精神的な疲労と、吐き出せない怒りが溜まっていた。


ある朝、目覚めると、口が開かなくなっていた。


唇は動くので、かろうじて水は飲める。


滑舌悪いが話もできる。


ただ、歯を思いきり食いしばった状態でアゴの骨が動かなくなってしまっていて、


アゴも歯も、今にも折れるのではないかと恐ろしくなるほど痛んだ。


慌てて駆け込んだ口腔外科でレントゲンを撮ってもらい、顎関節症と診断された。


寝ている間に歯を食いしばりすぎて、顎関節が炎症を起こし動かなくなっていたのだそうだ。


炎症を抑える注射を打ってもらい、しばらく待つと口はパカっと開いた。


さっきまでビクともしなかったアゴが、あんまり簡単に動くようになったので


私はその歯科医を


(名医だ!!)


と心の中でたたえた。


名医いわく、寝る時用のマウスピースを作ることもできるが高価である。ストレスを解消すれば無料であるし、根本解決になる。


私は転職を決意した。


さらに名医いわく。


「キミ、アゴが細くて親知らずが生えてくる余地がないねえ。


 最近の若い人に多いんだよね、親知らず生えない人。


 ニュータイプだね」


ニュータイプときたか。嗚呼。名医だけど、ガンダムオタクか。


この人の言葉通りに転職してしまって、本当にいいのだろうか……。


と、心のスキマに3ミリほどの疑念が生じた。


もう10年前の話である。


転職は、正解だった。


ガンダムオタクは、間違いなく名医だった。


私の口内環境はおかげさまで良好である。


ただ、名医の歯科医についていても、日々のストレスはいかんともしがたい。


顔中にストレス性のヘルペスができ、


名医の皮膚科医を探したい今日このごろである。

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