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イラチなキツツキ、白い鷺
イラチなキツツキ、白い鷺
キツツキさんはとってもイラチ。忙しい忙しいと言いながら、いつもカツカツカツカツ、木をつついて、イライライライラ、そわそわそわそわ。ちっともゆっくりしていません。
森のみんなはキツツキさんのカツカツカツカツいう音に、いつもイライラ。でもキツツキさんはそんなことには気づきません。カツカツカツカツと自分の音しか聞こえていません。
ある日、森に大きなブルドーザーが入ってきました。ぐわんぐわんと大きな音をたてて木を根こそぎ掘り返していきます。
森のみんなは一目散に逃げ出しましたが、キツツキさんは気づきません。カツカツカツカツと木をつつき続けます。
とうとうブルドーザーがキツツキさんのいる木を掘り返しました。木がぐらりと大きく揺れて、驚いたキツツキさんはあわててしまって飛び立つこともできません。あっという間に木と一緒にブルドーザーに踏みつぶされてしまいました。
それを見ていた白鷺はゆうゆうと羽根をのばして飛び立ちました。ゆっくりと羽ばたいて高く飛んで行きました。




