表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
497/888

私のゲーム遍歴

私のゲーム遍歴

 かめかめはバリバリのファミコン世代である。我が家にファミコンが初めてやってきたのは私が小学校二年生の時。一番最初に遊んだゲームは「バードウィーク」。振るとからからと音がするカセットタイプのゲーム筐体だった。母鳥を操作して雛鳥にエサを運ぶ横スクロール型アクションゲームだ。

 エサになる羽虫を捕まえ、迫りくるハヤブサやキツツキなどを避けながら巣に戻る。たったそれだけなのだが当時は異様に面白く、何度も繰り返した。けれどちっとも上手くならず母鳥は死んでばかりだった。一番腹が立つ死に方が、地面に接触して毒キノコに当たった時だ。鳥が毒キノコで死亡! なんちゅうこった、である。

 それからすぐにスーパーマリオブラザーズ、ドンキーコングなどの有名作を経てドラゴンクエストにたどりつき、ファイナルファンタジー、ウィザードリー、女神転生などRPG黄金時代が始まった(我が家の中で)。


 それらにも飽きてきたころ、ディスクシステムが発売された。ファミコンに付属機器を接続し、ゲームディスクを挿入して遊ぶ。画像が色鮮やかになり、ゲームのシステムも複雑になったようだった。ディスクシステムでも数々のゲームをプレイしたが、忘れられないのがスクウェアから出た「水晶のドラゴン」である。コマンド選択型のアドベンチャーゲーム、というかサウンドノベルのような感じで、お話が進んでいく。これが異様に難しく、小学生で方向音痴だった私には宇宙の迷路を攻略することが出来ず途中で投げ出してしまった。大人になった今ならきっと次へ進む事が出来るに違いないのにディスクシステムも水晶のドラゴンのディスクもとうに処分してしまっている。何よりファミコンだってもうない。どうしてとっておかなかったのかと悔やまれる。


 悔やむと言えば、最も悔しいのがスーパーファミコンを取っておかなかったことである。

 「ガイア幻想紀」というゲームが忘れられないのである。これはエニクスのゲームだった。主人公の男の子が遺跡を探索していくのだが、罠や敵が立ちふさがり、謎ときとアクションが融合したゲームだった。「ゼルダの伝説」のようなゲームだ、と言ってもゲームをしない方にはまったくわからないだろうが、まあ、そんなゲームである。

 このゲーム、主人公の少年が不思議な力を得て、別人に変身する。少年、闇の戦士、闇と光の戦士の3パターンを駆使しながら謎ときをするのである。少年では届かないスイッチを闇の戦士になって押す。行き場のない袋小路を闇と光の戦士の特殊能力で切り抜ける。そんな感じなのだが。私は闇の戦士、フリーダンの格好良さにメロメロになった。もう寝ても覚めてもフリーダン、である。何回クリアしたか分からない。

 暗めで神秘的な音楽、ドット絵から脱却しつつある美麗なキャラクター。今、検索してみたところ、なんとキャラクターデザインは萩尾望都さんだという。なんという事でしょう。そりゃ格好良いわな。惚れますわな。


 惚れる、と言ってこれ以上ないほど惚れこんだゲームは「アンジェリーク」。女の子向けゲームが発売された! と話題になり女の子向け? ゲームの世界に女の子要素なんかないだろう、ゲームは男らしくてナンボだろうよ。と半分ハナで笑いながらお年玉を注ぎ込んで買ったこのゲームに私はノックダウンされた。ゲーマーからゲーム女子に華麗な転身を遂げたのである。

 ゲーム内容はいたってシンプル。宇宙を統べる女王になる試験に勝つか、巻けるか、それとも麗しい男性と恋に落ちて辞退するか、の三拓である。そんなの恋に落ちるに決まってる。見目麗しい男性が9人も選べるのだ。選び放題だ。しかも親密度が上がるとちやほやしてくれて甘い言葉を囁いたりしてくれるのだ。女王なんてナンボのもんじゃい。アンジェリークは何回クリアしたことか分からない。いや、何十回、もしかしたら百回単位だったかもしれない。昼も夜もテレビ画面の前に座りっぱなしだった。夏休みなんか丸一日十字キーを押していた。

 攻略対象は9人だが、プレイするたびに性格がちょっと変わる。仕事の虫かサボり魔か。女王に心酔しているか、そうでもないか。そんなふうにパターンがいくつもあり、毎回苦労させられるのだ。これは飽きない。飽きずにプレイし続けているうちに、次作が出た。PC-FXという機体でこれはアニメーションや動画が見られる画像の美しいゲーム機だ。グラドルの水着ビデオみたいなものが大量に発売されていた。その高解像度のゲーム機でアニメーション付きのアンジェリークが! 私は数年分のお年玉を注ぎ込んでPC-FXを購入した。アニメの美しさに咽び泣き、9人の男性の声に悶えた。初めて声優さんのエエ声で愛をささやかれた時は本気の涙を流した。恋愛ってすばらしい! ただしイケメンに限る!

 そんなアンジェリークシリーズをずっとプレイし続け、すべてのソフトを買い続け飽きがき出した私に、光栄からご褒美が投下された。「アンジェリーク ルトゥール」。最新作はNINTENNDO 3DSだ。より美麗になった画像と新しく吹き込まれたフルボイス。たまらん。正直、鼻血がでそうだ。

 久しぶりに、ゲーム狂いの日々が始まった。「大逆転裁判」も「レイトン教授と不思議な街」も途中だけどもかなぐり捨てた。私はこれからもアンジェリークと共に生きていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ