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「いい」
「いい」
「私ね、性格いいって、よく言われるんだ〜」
すみれの言葉に、私は耳を疑った。まさか、すみれの性格が良いなんて、いったいどこをどう見たら言えるんだ!?
だってすみれなんて、
「私って明るいし〜」
うるさいし、
「人付き合いいいし〜」
うっとうしく付きまとうし、
「物怖じしないし〜」
傍若無人だし、
「人の事ちゃんと見て助言できるし〜」
無神経だし、
「かわいいし〜」
自分大好き人間だし、
「とにかく、皆から『いい性格してるよね』って、誉めてもらえるし」
「誉めてないし!」
すみれはきょとんとして首をかしげた。私は盛大な溜め息をついた。
「ほんと、アンタいい性格してるわ」
すみれは満面に笑みを湛えて「ありがと」とウィンクした。




