爪とがず
爪とがず
猫のマアコは爪とぎがヘタ。
「ヘタ! ヘタ!」
いつもオウムのボイジャーにバカにされます。
今日こそはきれいに爪をとぐぞ! と気合を入れて木に向かって爪をたてましたが。
「ママー、ママ―」
マアコはすぐに泣きながら人間のママを呼びました。
「あらあら、マアコ。爪がひっかかっちゃったのね」
ママは木に深くささって動けないマアコを助けてくれました。そうして抱っこしてくれました。マアコは大好きなママに抱きつきます。すると。
「ママー、ママ―」
「あらあら、マアコ。セーターに爪がひっかっかっちゃったのね」
ママは丁寧にマアコの爪をセーターからはずしました。でもどんなに丁寧にしても、爪がひっかかったセーターは穴が開いてしまいます。
マアコはママの大事なセーターをダメにしてしまってしょんぼり。けれどママはそんなことぜんぜん気にせずマアコを大事にだいてくれます。
「じゃあ、マアコ。爪切りしましょうか」
マアコは大人しくママに爪を切ってもらいました。
「ヘタ! ヘタ!」
ボイジャーがからかいます。マアコはきれいになった爪でボイジャーを引っ掻こうとしましたがボイジャーはバサバサ飛んで逃げました。
「こんどこそきれいに爪をとぐんだ!」
マアコは爪がするどくなってボイジャーをにゃふんと言わせる日がくるのをこころまちに、ひなたでお昼寝するのでした。




