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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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くちどけ

くちどけ

「ふおぉぉぉぉ……」


思わず口から妙な声が出た。手にした二つ目の飴をしげしげと眺める。


楕円形の円柱の両端を鋏で切ったような形。

半透明の筋がいく筋も重なり美しい白を描き出す。

指でそっとつまんでさえも崩れ落ちそうなほど繊細だ。

口にいれ軽く歯をたてるるとしゃりしゃりと音をたて崩れ去る。

それは慈味。それは甘美。それは儚い冬の朝の。


「霜ばしら」


その名前通り、寒い早朝にだけ現れる奇跡のような自然そのままに、口の中に冬がやって来る。


けれど。

その味は心の底から暖まる。


大きな海苔の缶に似た容器に、米粉の蒲団にくるまれて、壊れやすい飴はやってくる。

北の国からやってくる。

これほど注意深く運ばれたお土産を私は他に知らない。



霜ばしら、九重本舗のお菓子です。


http://www.tamazawa.jp/body_products_shimobashira.html

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