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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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動物たちの幼稚園

動物たちの幼稚園

 動物幼稚園の動物園長さんはゾウの花子先生。

 花子先生は秋の運動会に向けて、子供たちのスニーカーをそろえることにしました。

 猫のポチ、犬のクロ、蜂のムサシ、お猿のキー坊。

 みんなにおそろいのまっ赤なスニーカー。子どもたちはスニーカーをはいてみて、よろこんで走り回りました。花子先生もニコニコ。みんな運動会を楽しみにしています。


 運動会が近づいてきたある日、幼稚園に新しい子どもがやってきました。

 ムカデのム―くんです。子どもたちは、みんなすぐにムーくんと仲良くなりました。みんなで木登りをしたりブランコに乗ったりして遊びます。

 花子先生はムーくんのために、くつ屋さんにスニーカーを買いに行きました。けれど、みんなと同じスニーカーは売り切れ。

 花子先生はしかたなく、みんなのとはちがう青いスニーカーを買って帰りました。


 運動会の日、みんなはおそろいのスニーカーをはいて、たのしそう。けれどムーくんは一人、すみっこの方で座り込んでいます。


「どうしたの、ムーくん」


 花子先生が聞くと、ムーくんは泣きべそをかきながら言いました。


「ボクだけちがうスニーカーだ、ボクだけなかまはずれ」


 みんなはムーくんのスニーカーを見てびっくり。みんなのスニーカーはまっ赤なのに、ムーくんのスニーカーはまっ青。

 あんまりムーくんが泣くものだから、みんなもかなしくなってきました。


「ムーくん、ぼくのスニーカー、はんぶんあげるよ」


 蜂のムサシが右がわのくつ、三つをくれます。


「わたしもはんぶんあげる」


 猫のポチが右側の二つをムーくんの前におきます。

 犬のクロも、お猿のキーボーも右のくつをムーくんにあげました。みんなのくつはぜんぶで八つ。ちょうどムーくんの右がわの足の数とおなじです。

 ムーくんはまっ赤なスニーカーを右の足にはいていきます。

 

 一本、二本、三本の足には蜂のムサシのスニーカー。

 四本、五本の足には、猫のポチのスニーカー。

 六本、七本の足には、犬のクロのスニーカー。

 八本目の足には、お猿のキー坊のスニーカー。


 みんなとおなじまっ赤なスニーカーをはいたムーくんはニコニコ。

 みんなはムーくんのまっ青のスニーカーをはいてニコニコ。


 赤と青のスニーカーでみんなでかけっこや、つなひきや、玉いれをしました。

 花子先生はうれしそうにみんなのことを見ていました。

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