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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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金の糸 74

「街だわ!」


森が切れた崖の上から、遠くに港街が見えた。

人間の街だ。

見慣れた海、船、三角屋根、そして人混み。


「人間だ!」


雷三が身を乗り出して叫ぶ。

ハンナはそんな二人を置いてさっさと歩き出す。二人は急いで後を追った。


夕方には街についた。

絢香と雷三は道路の真ん中に立ってぽかんと口を開けた。

色とりどりの建物。 縫製された服。行き交うたくさんの人間たち!行き交うたくさんの車!

二人は激しいクラクションに追いたてられ道の脇に避けた。

通りをいく人々は二人を奇異の目で見ていく。

ぼろぼろの布をまとい、足にも布を巻いただけ。絢香は恥ずかしくなって俯いた。


「絢香、どうしたの?」


「私たち、服着てないじゃない。恥ずかしい……」


「なんで?裸じゃないよ?」


「そういう問題じゃないよ。皆からヘンに思われるじゃない」


「だって俺たちにはこれしかないんだ。これで歩くことは悪いこと?」


「悪くはない、悪くはないのよ」


ハンナがなにか号令をかけ、皆はついて歩く。向かったのは街の中心地、警察署だった。

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