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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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金の糸 51

「あやかぁ、まってぇ、あやかぁ」


振り向くと、ミドリが小さな手を振りながら駆けてきた。


「ミドリ、どうしたの?」


絢香はしゃがみこみミドリの視線に目をあわせる。三歳のはずなのにミドリの背丈は低く、絢香はほとんど地面に座るような格好になった。


「はい!朝ごはん!」


ミドリは着ている服の胸元から色とりどりのエサを、ごっそり取り出した。


「ありがとう、だけど私は……」


「冒険に行くときは、しょくりょーとちずを持っていくの。ママが言ってた!」


「冒険?」


ミドリは得意気に胸を張る。


「あやかは街のこと、なーんにもしらないから、わたしが案内してあげる!」


「でもミドリ、ママが心配するわ」


ミドリはさらに胸を反らす。


「ママは『絢香についていてあげなさい』って言ってた!」


その誇らしげな姿に、絢香は小さく、くすくすと笑った。


「なあに、あやか、なにがおかしかった?」


「おかしくないわ。嬉しかったの。一緒に来てくれてありがとう、ミドリ。心強いわ」


絢香はミドリの頭を撫でて立ち上がった。ミドリの手を取り、顔をあげる。


「それでは、冒険に出発!」


「しゅっぱあつ!」


二人は手を繋いで街の中心に向かって歩き出した。

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