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イカ カニ タコ
イカ カニ タコ
キャラ弁が流行りだしてどれくらいになるだろう。
色とりどり、かわいいお弁当の写真を見るたび、今の子供はかわいそうだな、と思う。
私が子供のころのお弁当のキャラと言えばタコさんウインナくらいで、それでも子供は喜んで食べていた。
それより昔はキャラなんかなくて、卵焼きや唐揚げがごちそうだった。
それよりもっと昔はお弁当があるだけで幸せだった。
幸せが、贅沢になってきている。
贅沢しないと幸せになれない。
玄米ご飯を噛み締めながら、宮沢賢治の『アメニモマケズ』を思い出す。
「アメニモマケズ
カゼニモマケズ
ユキニモナツノアツサニモマケヌ
ジョウブナカラダヲモチ
ヨクハナク
ケッシテイカラズ
イツモシズカニワラッテイル
イチニチニゲンマイ四ゴウト
味噌トスコシノ野菜をタベ」
本当の幸福は、お弁当箱のなかに、いったいあるだろうか。
それはだれにもわからない。
ただ、言えるのはいつの時代のお弁当も作った人の愛情はかわらない。




