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ももとせも
ももとせも
桃のつぼみが開くころ、彼女は現れる。
たおやかな立ち姿。
華やかな衣よりも優美なかんばせ。
その目をひらけばはるかまで見とおすかのような深い深い瞳。
彼女は桃の精。
桃のつぼみが開くころ、彼はその姿を隠す。
凛々しい眉、
大空に舞う鷹のような眼差し、
腰にはいた太刀よりも怜悧な知性。
彼は梅の精。
桃の花が咲き、梅の花が散るまでのわずかな逢瀬。
二人はまた次の春を約しわかれる。
その約束は百年もつづくだろう。
芳しい庭に、春ははなやぐ。
ももとせも
桃のつぼみが開くころ、彼女は現れる。
たおやかな立ち姿。
華やかな衣よりも優美なかんばせ。
その目をひらけばはるかまで見とおすかのような深い深い瞳。
彼女は桃の精。
桃のつぼみが開くころ、彼はその姿を隠す。
凛々しい眉、
大空に舞う鷹のような眼差し、
腰にはいた太刀よりも怜悧な知性。
彼は梅の精。
桃の花が咲き、梅の花が散るまでのわずかな逢瀬。
二人はまた次の春を約しわかれる。
その約束は百年もつづくだろう。
芳しい庭に、春ははなやぐ。
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