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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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ももとせも

ももとせも


桃のつぼみが開くころ、彼女は現れる。

たおやかな立ち姿。

華やかな衣よりも優美なかんばせ。

その目をひらけばはるかまで見とおすかのような深い深い瞳。

彼女は桃の精。


桃のつぼみが開くころ、彼はその姿を隠す。

凛々しい眉、

大空に舞う鷹のような眼差し、

腰にはいた太刀よりも怜悧な知性。

彼は梅の精。


桃の花が咲き、梅の花が散るまでのわずかな逢瀬。

二人はまた次の春を約しわかれる。

その約束は百年もつづくだろう。

芳しい庭に、春ははなやぐ。

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