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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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おくすりのじかん

おくすりのじかん

みうちゃんはカゼをひいてしまいました。

せきがコンコン、たくさんでるのです。

今日は一日、おふとんで寝ていなければいけません。

しかも、みうちゃんが大きらいなシロップのおくすりを飲まなければなりません。

シロップは、なんだかにがくて、べたべたして、のどが気持ち悪くなるのです。

みうちゃんは朝からいやあな気持ちでおふとんを頭からかぶっていました。


「みうちゃん、おくすりの時間よ」


ママがシロップの瓶をもって、みうちゃんが寝ているところにやってきました。

みうちゃんは寝たふりをしてみました。

けれど、ママはお見通し。


「みうちゃーん、ちゃんとすわって、おくすりを飲みましょうね。せきコンコンがなおりませんよ」


それでも、みうちゃんは寝たふりをつづけました。

ママはくすっと笑って言いました。


「みうちゃん、ママがおくすりに魔法をかけてあげるわ。

 くるくるお薬、おいしくなあれ」


みうちゃんはびっくりしてふとんから顔を出しました。

ママが魔法をつかえるなんて、いままでちっとも知らなかったのです。


「ママ、魔法使いなの?」


みうちゃんがたずねるとママはニッコリ笑ってこたえます。


「そうよ、だからおくすりを、とってもおいしくできるのよ」


そう言ってママがスプーンですくったおくすりを、みうちゃんはおそるおそるなめてみました。


「おいしい! 」


「そう?よかった。じゃあ、みうちゃん、おくすりぜんぶ飲めますね? 」


「はい、のめます!」


みうちゃんは元気に返事をすると、スプーン一杯のおくすりを一口で飲んでしまいました。


「えらいわ、みうちゃん。おくすりを飲んだし、あとはおふとんで寝ていたら、すぐによくなるわ」


ママはそう言って、みうちゃんにきちんとおふとんをかけて、部屋からでてきました。

そうして、お台所にいって、かくしておいた蜂蜜の瓶をそうっと棚にもどしました。

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