表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
150/888

わてら陽気な

わてら陽気な

姉妹三人、大阪食いだおれツアーにやってきた。

新幹線を降りたのは、ちょうど昼時。

お腹はペコペコだ。


「さあ、さあ!まずは何食べる!?」


「串かつ!二度漬け厳禁の店に行きたい!


「いや、まずは粉ものでしょう!お好み焼き!」


「いやいやいや、ランチタイムにお得にハリハリ鍋がいいよ!」


「いやいやいやいや、大阪ってったら、おでんでしょ、関東炊き!」


「いやいやいや…」


「いやいやいやいや…」


「いやいやいやいやいや…」



………。


「…で、なんで、うちら、定食やでお昼たべてんの?」


「しかも、この店、全国チェーンやん。近所にもあるし」


「あ〜。食べなれた鯖の味噌煮はおいしいわあ」


「で、なんでなん?」


「あんたたちが粉もの!串かつ!って譲らないからでしょうが」


「いや、姉ちゃんが、お腹減りすぎて倒れそう、もう、どこでもいい!って言うから!」


「それを言うならあんただって、軽く腹ごしらえしてから本格的に行こう!ってノリノリだったじゃないのさ」


「てか、二人とも早く食べなよ。とっとと次行かないと、帰りの新幹線、予約しちゃったでしょ」


「へーい」

「はいはい」


…………。


「で、なんで、うちら、駅弁買って車内で食べてるの?」


「しかも、これ、よく見たら、うちの近所の工場で作ったやつじゃん」


「あ〜。地元の味付けはおいしいわあ」


「で、なんでなん?」


「あんたたちが、うどん!てっちり!って譲らないからでしょうが」


「いや、姉ちゃんが、足が痛くて、もう歩けない、って言うから、喫茶店ばっかり寄って時間なくなったんやんか」


「それを言うならあんただって、あんぱん美味しそう、買ってくるって、行列したやん」


「てか、二人とも早く食べなよ。もうすぐ駅につくよ」


「へーい」


「はいはい」


「てか、私たち、大阪に何しに行ったんだろね」


「…あんぱん買いに?」


「…鯖の味噌煮たべに?」


三人仲良く、ため息つきつつ、駅弁つついて帰りましたとさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ